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2025年3月5日水曜日

Arthur Conan Doyle "The Case-Book of Sherlock Holmes" [シャーロック・ホームズの事件簿]

The Case-Book of Sherlock Holmes (Amazon.co.jp)

ここまでシャーロック・ホームズの作品を基本的には発表順に読んできたが、正典と呼ばれるのはこれが最後。発表年では最初の作品から最後の作品までの間はほぼ40年間ある。このブログによれば、わたしが"A Study in Scarlet"を読んでからここまでだいたい8年と少し。

ホームズは基本的に馬車と電報のイメージだが、最後のほうは自動車とか電話とか言っているし、わたしの記憶にある限り、alibiという単語が出てきたのはこの作品集の一度切りだ。推理小説という形式も普通になってきたんだろう。40年の間に随分時代が進んだらしい。一方、わたしの8年間は大した進歩がないような気がする。やっていることが何も変わっていないからな…。

だいたい全部面白かった。一つだけ選ぶなら"The Hound of the Baskervilles"かもしれない。わたしの読書の中でフィクションが占める割合は大きくないが、常に何かしらは読んでいる。こういう安心して読んでいられる小説は良い。また何か探そう。

SeaWolf Press (2023/1/1)
言語 ‏ : ‎ 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 979-8886000832

2025年1月28日火曜日

Arthur Conan Doyle "His Last Bow" [最後の挨拶]

 His Last Bow (Amazon.co.jp)

ホームズの短編集としては三冊目。なんか粗い話が多かった気がする。第一次世界大戦前後で時代のせいだろう。だいたいジョジョの奇妙な冒険でいうところの第一部くらいという感じ。自動車とか言い始めているし。明確に言えるのは、ホームズとしては最初に読む一冊ではない。

CreateSpace Independent Publishing Platform (2014/9/30)
言語 ‏ : ‎ 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1502571120

2024年11月23日土曜日

Arthur Conan Doyle "The Valley of Fear" [恐怖の谷]

The Valley of Fear (Amazon.co.jp)

ホームズの四つの長編のうち最後のものだが、これなあ…。まあ退屈はしないし一気に読んだが、人気のないほうの作品だろう。ネタバレは避けるが、犯罪の背景が巨大なのはたまにあることで、前半がホームズの推理パート、後半は別の主人公が活躍する。さらにEpilogueがある。

前半部分についてはそもそも事件自体が粗い。後半については、少なくともわたしには最初からネタがだいたい分かったし(前半を踏まえたら分かりそうなものだ)、全く意外性がない。特に主人公が勝ち誇るクダリなんか読んでいられないところがある。ずっと一体何を読まされているんだとずっと思っていたが、意表をつかれたという感想の人も多いようなので、人それぞれかもしれない。

しかし、その点を別にしても、特に後半、愉快な話ではないし、推理小説というよりはそれこそdime novelみたいに思える。最後も後味がよくない。こんなEpilogueを書く必要があったかね。ずっとホームズを発表順に読んでいるが、気を取り直して後二冊。

Flame Tree Collectable Classics(2023/6/27)
言語 ‏ : ‎ 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1804175606

2024年10月21日月曜日

Arthur Conan Doyle "The Return of Sherlock Holmes" [シャーロック・ホームズの帰還]

The Return of Sherlock Holmes(Amazon.co.jp)

これも面白かった。内容は詳しく書く必要もない。死んだはずのホームズが復活してまた活躍する短編集。といっても一応また引退するような感じになっている。書き方がどんどん近代化していく感じはあるが、安心して読んでいられる。ホームズ作品を読む人は、まずホームズという人物像が好きなんだと思うが、わたしはあまりそういう感じではない。ただまあ、Baker Streetのアパートに貴人が訪れる図はカッコいいかなあと思い始めた。発表順に読んでいくと次は恐怖の谷。

Independently published (2022/7/20)
言語 : 英語 ISBN-13 :979-8841602958

2024年9月18日水曜日

Arthur Conan Doyle "The Hound of the Baskervilles" [バスカヴィル家の犬]

 The Hound of the Baskervilles (Amazon.co.jp) / バスカヴィル家の犬(Amazon.co.jp)

推理小説だしネタバレになっても詰まらないから内容は詳しく書かない。ここまでホームズをだいたい発表順に読んできて、わたしとしてはこれが一番面白いように思うが、一般的にはそこまでは人気はないようだ。最大の理由はホームズが出てこない部分が長すぎるということらしいが、一つには、舞台となる荒野/湿地帯/新石器時代の石造りの家々を思い浮かべにくいからだろう。この点については日本人だけでなく英国人にとってもあまり変わらないのかもしれない。ただし、わたしはここまで大量にWooden BooksでUKの新石器時代の遺跡と荒野を見てきたから、問題にならない。名作だった。

SeaWolf Press (2018/10/22)
言語 ‏ : ‎ 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1949460513

2023年9月22日金曜日

Arthur Conan Doyle "The Memoirs of Sherlock Holmes" [シャーロック・ホームズの思い出]

緋色の研究(長編)→四人の書名(長編)→シャーロックホームズの冒険(短編集)に続く第二の短編集。いわゆる正典で、間違いなく面白いし、特に世評に重ねて言うことはない。前から気になっているのは、Doyleという人は文体が一種類しかないのだろうか。作品の性質上、語り手はWatsonかHolmesか依頼人その他ということになるが、全員がほぼ同じ文体で、落語で言えば声色を使い分けないタイプだ。ともあれ、ホームズはこの本の最後の短編"The Final Problem"で終わりということになるはずだった。しかし、熱烈なファンから脅迫されたり、連載していた雑誌の売り上げが激減したりで、結局、また復活することになる。わたしとしてもこれでホームズ死亡と言われても急すぎると思う。次はバスカヴィル家の犬(長編)。

Who am I to review a holy canon?

Wisehouse Classics (2020/1/1)
言語:英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-9176376614

2023年4月25日火曜日

Charles Phillips, Melanie Frances "The Sherlock Holmes Escape Book: Adventure of the Tower of London" [シャーロックホームズ脱出本:ロンドン塔の冒険]

ロンドン水道英国博物館解析機関に続くシリーズ最新作。四作も続いたわけだし、他言語にも翻訳されているから熱烈なファンも多いと思うが、わたしとしては、ここまでかな、という感じ。

システムは相変わらず読者がパズルを解くことによって話が進んでいく形式で、表紙の円盤のギミックも変わっていないが、この巻はもはや読者がパズルを解けることを想定していない。これまでの三冊も完全に自力解答で進んでいくのはちょっと無理だったが、この巻は答を見ても「なるほど」とはならず「無理でしょ」ということが多く、それも第一問から無理。項目数は96で、確か今までで最も少ないが、問題数は多分今までで一番多い。一番時間がかかったのもこの巻だ。テーマは副題の通りロンドン塔の各所を巡る感じで、一々ワトソン先生が歴史まめ知識を入れてくるのが、英国史に詳しい人は面白いかもしれない。

このシリーズ四冊、一つはっきり言えるのは、ペーパーバックなのに装丁が美麗なのが魅力。飾れるレベルだと思う。表紙がボール紙で強化されているのもポイントが高い。フランス語版とかがパズルをどう翻訳しているのか謎だが、日本語は無理かねえ。電子書籍にするのも大変そうで。児童書という扱いになると思うが、いい本だった。

The all four books in this series are extremely beautiful.

Ammonite Pr (2023/2/21)
言語: 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1781454619

2023年4月20日木曜日

Charles Phillips, Melanie Frances "Sherlock Holmes Escape Book: Adventure of the Analytical Engine" [シャーロックホームズ脱出本:解析機関の冒険]

前二作、ロンドン水道英国博物館とだいたい同じ趣向で、中学生か高校生くらいが対象だと思うが、英語力の問題から難しいだろう。翻訳が簡単にできないのもはっきりしている。数学的には解けるだろうと思うが、久しぶりにガウスの掃き出し法を使う羽目になった。遊びなのになんでそんなことをと思う子がいても仕方がないが、PTAにはアピールできそうだ。タイトルから想像できるようにバベッジの解析機関がモチーフになっているが、あまり深い意味はない。単純なパズル本で、分岐とかも多少回り道があるだけで、完全解析も可能だ。

I love this series.

Ammonite Pr (2022/9/1)
言語: 英語
ISBN-13:978-1781454411

2023年3月22日水曜日

Charles Phillips, Melanie Frances "The Sherlock Holmes Escape Book: The Adventure of the British Museum"[シャーロック・ホームズ脱出本:英国博物館の冒険]

システムは前作と同じ。ただ、パズルの量がかなり増えて、よりマニアックになっている。前作と違って、最初の2/3程度はパズルを相当間違えても結局本線に普通に戻れて問題にならない。というか本筋には影響のないパズルも多い。実際のところ全部自力で正解していける人も少ないと思われ、まあ、こういうもんかなという感じ。だいたい二作目は一作目よりマニアックになって、一作目の情緒が失われるもので、これはその典型かと思われる。好みの問題だが、しいて言えばわたしは一作目のほうが好きだ。やはり対象年齢中学生程度だと思うが、なによりパズルが英語なので翻訳するなら大仕事になるし、今時の子供はこんなのやらないかもしれない。要はノベルゲームなので、画面上ならもっと簡単にできてしまう。とはいえ、表紙の物理円盤のギミックとか、特有の魅力があるので、こういうのを一つくらい体験しないのももったいない気がする。

Great, though, I prefer the first volume of this series.

出版社 : Ammonite Pr (2021/3/1)
言語: 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1781454206

2023年3月15日水曜日

Ormond Sacker, Tobias Willa "The Sherlock Holmes Escape Book: The Adventure of the London Waterworks" [シャーロック・ホームズ脱出本:ロンドン水道の冒険]

ほぼ衝動買いみたいなことだった。

まず表紙がボール紙でしっかり強化されていて円盤が取り付けられている。このギミックにまず惹かれる。この円盤は本書内に出てくるパズルを解くために使用する。内容は一時期流行った脱出ゲームの書籍化だが、紙のノベルゲームみたいなことだ。あるいは昔からあるアドベンチャーゲームブックの形式と言ったほうが分かりやすいかもしれない。パズルの解答によって話が分岐し、例えば「答が青なら19に進む。赤なら25に進む」みたいな感じで次に読むべきページが指定される。基本的にはすべてのパズルに正解しないと最善の結末には到達せず、運の要素はない。

パズルの内容は、中学生くらいなら解ける程度の算数みたいなのも多いが、難しいのは絵からヒントを拾う問題で、目の良い人でもルーペを用意したほうがいいかもしれない。そもそも本文の活字も小さい。解けなくても巻末にヒントがあるし、それでも分からなければ答もある。最善の結末に至るための最も重要なヒントは書いていないようだが、そこはそんなに難しいわけではない。

日本語でも似たような趣旨の脱出ゲーム本はあるが、本書はそれよりはしっかりと読ませるストーリーがある。主人公(読者)がホームズということで、一応ホームズ作品(のタイトル)を知っていたほうがいいが、ググれば簡単に済むことだ。また本書のプレイ時間は「火吹き山の魔法使い」とか「ソーサリー」みたいな膨大なものでもない。あれは確か一冊に400くらい項目があったと思うが、本書は112に過ぎない。すべての分岐を読み切るのも十分可能だ。絵はいかにも昔のヨーロッパの児童書な感じがして、アドベンチャーゲームブックを思い出させる。これは実物を見たら自動的に買ってしまうよな…と思う。

まとめると対象読者は中学生男子というところか…。こんなのが教室に一冊あったら当分盛り上がりそうだ。大人が読んでも面白いと思うが、わたしみたいに脳が中学生の大人が言っても説得力がないかもしれない。ただ、日本の中学生が読めるように翻訳するとなると、パズルが基本的に英語なんで、全部作り直しになりそうだ。絵も描き直しになると思うが、この絵はもったいない。そもそも、この本、一応ペーパーバックではあるが、手に取って物理的に美しい仕上がりになっている。これはシリーズ第一巻なのでこれからどんどん読んでいく。

I love this physically beautiful book. The illustrations are nostalgic.

Ammonite Pr (2019/10/1)
言語: 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-1781453483

2022年7月6日水曜日

Arthur Conan Doyle "The Adventures of Sherlock Holmes" [シャーロック・ホームズの冒険]

いわゆる正典で今更説明することもない。ホームズとしては発表順で言えばA Study in ScarletThe Sign of the Fourに続いて三作目ということになるらしい。ただし、前二作と違って短編集だ。12作品収録されている。

読んでいてひっかかるところもないし、ホームズは面倒くさい性格でもないし、読んでいて気分が明るくなる。依頼人の陳述が非現実なまで的に理路整然としているのにだんだん引っかかってきたが、作者またはDr. Watsonが話が上手すぎるので仕方がないのだろう。短編集なので読みやすいということもある。この作者とH.G. Wellsについては、まるで見てきたみたいに面白い話をする人という印象を持っている。あまりホームズに興味がないとしても、試しに読むならここからかなと思う。ホームズの人物像からしっかり書いてあるのはもちろん第一作"A Study in Scarlet"ではあるが、だいたいみんな人物像は既に知っているし。

The third canon.

Independently published (2022/6/23)
言語 : 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 979-8837485183

2017年9月21日木曜日

Arthur Conan Doyle "The Sign of the Four" [四人の署名]

"A Study in Scarlet"に続く、シャーロック・ホームズ登場の二作目。タイトル中の二つの定冠詞が付いているのと付いていないので、ほぼ四通りの表記があるのが気になる。

構成自体は前作と似ていて、殺人事件自体も奇妙だが、ホームズが推理していき、最終的には遠い異国の犯罪に淵源が見つかる。大英帝国の最盛期であり、ドイルという人は、こじんまりした犯罪話に壮大な背景を描く趣味なのだろうか。復讐というテーマも共通だ。

とても面白かったが、ああだこうだと考察したり批評するようなことがない。このある種の中身の無さが魅力だろうか。今時の推理小説と異なり、謎自体よりも、殺人の奇怪さと、それを上回る探偵の奇妙な推理力の対比が主眼で、さらに異国情緒が話を壮大化しているというところ。最後の点については、今でも殺人事件は景勝地で起きるのが良しとされているし、これはポーにはなかった点だ。

あんまり語ることはないが面白いのは確か。引き続きホームズを読んでいく。全作読むつもりだ。

The second novel of Holmes. It was a real page-Turner, though I do not have much to talk about it. Just enjoy it.

Wisehouse Classics (2017/10/22)
言語: 英語
ISBN-13: 978-9176374658

2016年12月15日木曜日

Arthur Conan Doyle "A Study in Scarlet" [緋色の研究]

有名なシャーロック・ホームズとワトソンの最初の登場作品。今更紹介するような小説でもないので以下個人的感想。

とにかく退屈する部分がなかった。キャラが魅力的というだけでなく、やっぱりストーリー・テラーなんだなと思う。中盤にユタ州の話がかなりあり、モルモン教への偏見に満ちているという評判だが、それはそれとして、ここも読ませる。わたしですら、そこそこ感情的に読んだ。復讐というテーマもわたしにハマる。終わり方は犯人が救われ過ぎて気に入らないが、まあ仕方がないかと思う。英語も特に読みにくい気はしない。

内容的にホームズを初めて読むという人にお勧めかどうかは分からないが、まずこれが第一作なのだから、順に読んでいく手もあるだろう。わたしとしても、これから出版年順に少しずつ読んで行こうと思う。

This novel is really exciting and contains no boring part, which is remarkable for such an aged classic novel. This is the first novel of Sherlock Holmes series and I will continue reading all the followings.

Wisehouse Classics (2016/5/9)
言語: 英語
ISBN-13: 978-9176372432