2014年5月13日火曜日

Foster Provost, Tom Fawcett "Data Science for Business"

ある時期から急に「ビッグデータ」というbuzz wordが出現し、それに対応して書かれたような本だが、類書の中でも抜きんでていると思う。米国でも好評のようだ。何でもいいから一冊ということであれば、少しハードでも良ければ、この本を読むのが一番実り多いんじゃないかな。

この手の本の通例として「できるだけ数式は使わないで」という前置きが入るが、その割には結構数式が入り込んでいる。わたしとしては、こういうマネジメント向けに簡易化された技術書は大抵バカにしているが、この本については、数学力に自信がある・数式のほうが理解が速いという人でも読む価値があるだろう。というのも、データサイエンスは範囲が広くて、いずれにせよ全容を把握する本は一冊は読んでおいたほうが良いからだ。

反面、この本を読んでも素人が直ちに何かができるわけではない。ただ、データ分析専門家と相当程度の会話ができるようになるということだ。実際、この分野は専門家といってもいい加減なのが多いし、偽者を見分けるのも重要で、この本に書いてある程度の知識は必要だろう。数値処理に詳しい人間が、幅広いビジネスの視点から見て、有用なデータ分析をするとは限らない。むしろ有害な分析結果を持ってくることもある。

A must read regardless if you are a specialist or not. A great overview on a very vast field.

Oreilly & Associates Inc; 1版 (2013/8/16)
ISBN-13: 978-1449361327

2014年5月1日木曜日

Bernard A. Wood "Human Evolution: A Very Short Introduction"

人類というか、人類以前の猿人とか以降の人類に関する化石研究というか、化石研究史。VSIにありがちな話で、猿人とか原人とか旧人とか新人に関する事実というより、研究史という側面のほうが大きい。無理もないことで、読めばわかることだが、結局、何も分かっていないに近いからだ。そもそも生物の進化の仕組み自体よく分かっていないし、化石も数的に少ない。

A history of the study on fossils of earlier primates.

Oxford Univ Pr (T) (2005/4/30)
978-0192803603