2010年11月22日月曜日

Jeff Kinney "Diary of a Wimpy Kid #5: The Ugly Truth"

こういう名作が日本の読者に届かないのは残念なことだ。今amazon.co.jpのランキングを見たら、洋書で66位となっていたから、そこそこ日本でも売れているらしい・・・。

日本語訳については、過度に自虐的な邦題と改悪された表紙を見ただけで、読む気をなくす。読む気をなくして中身を見ていないから、訳文がどうなのかは知らないけど。ただ、どっちみち、こういうのは原文で読まないと、面白さが半減する。

内容については、まあ、ごく普通の中学生の生活ということにしておく・・・。日本では児童向けみたいな売られ方をしているけど、PTA的見地からすれば、むしろ有害図書なんじゃないかと思う。だから、過剰にネガティブな邦題になるんだろう。本当のところは、大人が読んでこそ面白い。中学生くらいの子どもがいる親なら読む義務がある。英語も易しいし、「初めて洋書を読む」くらいの人でも大丈夫だろう。是非初巻から読みたい。


2010年11月21日日曜日

Margarita Madrigal "Madrigal's Magic Key to Spanish"

これは単純に英語のできる人がスペイン語を習得するための本。CDがついていないが、もともとスペイン語の発音は簡単&方言が多いからどうでもいいだろう。

天下り式に活用表を提示するのでなく、ひたすら言葉で時、時制も人称も一つずつ確実に習得していく感じなので、多分、普通の文法書とかに慣れていると、まだるっこしい。その分地道にやれば確実に力にはなるが、普通の日本人には、もっとシンプルな文法書のほうが好まれるだろう。アメリカ人でも同じだと思うけど。

しかし、この本には圧倒的な利点がある。だからこそ、数十年前の本が復刊されて未だに売れているのだ。

この本の圧倒的な利点は、英語をスペイン語に自然に変換する方法を示している点にある。実感として、英語から最も簡単に移行できる言語は、ドイツ語でもフランス語でもなくて、スペイン語だ。もちろん、落とし穴もあるが、類書にない決定的な利点だ。この本をメインに勉強しなくても、サブとして必ず読むべき本だろう。英語ができることが前提だが・・・。

2010年11月17日水曜日

Ken Taylor "50 Ways to Improve Your Business English"

この本は、今まで読んだこの手の本で最善だった。

簡単に言うと、非ネイティブスピーカーのために、国際的な場での英語の使い方・身につけ方を解説している。非常に実際的で、英語力のレベルが様々な人たちが集まる会議の進め方もあるし、英語力の優位を悪用するネイティブスピーカーへの対処法まで解説されている。もちろん、普通の英文メールの書き方とか読解力の鍛え方なども解説。

「アメリカ人になりたい」くらいまで思っている人には物足りないかもしれないが、「外人との会議で話したい」というような方向なら、この本は必読と言える。著者は外人相手の英語教師だが、会うまでもなく超優秀であることがこの本で分かる。非ネイティブスピーカーの心理とか立場を本当によく分かってくれている。

あと、Further Readingで、参考図書やWebサイトを紹介してくれているのも有難い。

レベルはというと、最低でもこの本が読める程度の英語力ということになるが、易しく書いてくれているから、大学生くらいなら大丈夫なんじゃないかと思う。論旨は明快だから、この本で読解力をつけようとするのもアリだ。

この本が名著である理由は、第一に単純にその目的を果たしているからだけど、(裏表紙に"A book that does exactly what it says on the cover!"とある)、第二に一般的にhow-to本の模範例でもある。how-to本は、このように書くべきなのだ。