2010年7月29日木曜日

Galaxies (Oxford Very Short Introduction)

大体天文学史と同期して宇宙の大きさの測定を述べていく。銀河測量学というか。最初のうちは比較的近くの天体の距離の測定とかやっているが、銀河系・銀河間となっていくにつれ、「本当にこれで大丈夫なのか」というような話が増えていく。まあ、本当がどうだろうと、何億光年先の距離を多少間違えていても関係ないけど。最後のほうなんか、ほとんど妄想みたくなってくる。

わたし自身はこの手の話はさんざん読んでるし、特段新しい知識もないんだけど、なんか読んでしまうのは、気が晴れるのと、語り方が違うから。特にこの本に関しては、測量という渋いテーマがあり、軟弱なポピュラーサイエンスとは少し違うかもしれない。

2010年7月23日金曜日

Theo Gray's Mad Science

危険で面白い化学実験を集めた本。一応、面白さを追求しているが、どっちかというと危険であることに意義があるというような・・・。爆発系の写真が多くて楽しいけど、問題があるとしたら、マジで危険なことだ。注意事項は色々書いてあるけど、本当にこの実験を再現しようとするのなら、こんな注意では到底足りないし、相当な設備と経験が必要になる。そんなわけで、危険過ぎる実験を著者が代わりにやってくれていると考えるべきだ。一応科学的な解説もしてあるけど、やっていることは基本的に中学生レベルなんで、これで何か勉強になるわけでもない。まあ、一回読んで面白かったから、それでいい。




2010年7月15日木曜日

The Laws of Thermodynamics (Oxford Very Short Introduction)

熱力学の入門書。このシリーズでは通例だが、数式は最小限に抑えられている。技術的な細部より、熱力学の第零~三法則の意義を説く。

熱力学というと、どうもダサいイメージがあって、ポピュラーサイエンスでも、ほとんど話題にならない。そういう意味でも、この本は価値があるけど、物理志向の高校生くらいが読んでも面白いんじゃないかと思う(英語が読めればの話だが・・・)。四つの法則だけでも、色々、環境問題的・哲学的な含意があると思うけど、この本はその辺りはストイックに、あくまで物理学に集中している。それを良しとするかどうかは人それぞれだと思うけど、どのみち薄い本なので、少しでも興味があれば、読む価値は高い。