2021年3月22日月曜日

Charles M. Schulz "Charlie Brown's Christmas Stocking" [チャーリー・ブラウンのクリスマスの靴下]

これは多分ネタ自体は新聞連載からだが、単なる編集ではなく、最初から雑誌付録として見開き絵本として制作されたようだ。

"The Complete Peanuts"全26巻に、追加の6巻を合わせて全部読み終えたが、追加の6巻のうち、"Snoopy vs. the Red Baron"だけは新聞連載にないものが収録されているのはほぼ間違いないと思う。あれだけドイツ語が出たら流石に記憶に残っていると思うけどな…それともドイツ語が入り過ぎていて削除されたのだろうか。普通のアメリカ人は読めないだろうし。残りの5巻はちと分からない。わたしが子供の頃に丸善で買って読んでいたのはおそらく新聞連載からのセレクト版だと思われる。多分、日本で谷川俊太郎訳で出ていた原本はそれだろう。そういう単なるセレクト版以外に出た冊子の類がこの六冊だけだったのだろうか。かなり細かいものも全集第26巻に収録されていて、本当に微細なものはもちろん落ちていると思うが。特に作者自身があまり初期の物の再版を良しとしていなかったらしい。絵の上手下手よりテイストが違うしな…。

そんなわけで、Red Baronの件は少し気にはなるが、現状でこれ以上網羅的にPeanutsを拾うのは無理だろう。実際、stripはすべて読んだのではないかと思う。Fantagraphics社は日曜版だけ集めたものを現在刊行中だが、色が付くだけですべて既に読んだものだろう。読み始めたのが2020年1月で、読み終わるのが2021年3月までかかった。実際にこんなにちゃんと全部読んだ人間がどれくらいいるのか…。Peanutsマニアにしたところで、印刷物ではこれ以上極められないところまで来たとは思う。アニメはまた別の話だ。そちらはあまり興味がない。

で、近いうちに読了記念として町田のスヌーピーミュージアムに行く。全部読んだ以上、ミュージアムに行っても新しい作品に会えるはずがないし、他にも色々読んでいるから、新しい情報も出てこないと思うが。これでPeanutsの旅は終わりだ。このブログの中でも随分面積を取った。

The end of the saga. I have read all of "the Complete Peanuts" + 6 booklets!

Fantagraphics Books(2012/11/22)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1606996249

Charles M. Schulz "A Valentine for Charlie Brown" [チャーリー・ブラウンにバレンタインを]

これもすべて覚えているわけではないが、多分すべて新聞連載からの編集と思われる。最後の部分はLinus/Sallyがメインで、SallyがValentine boxから手が抜けなくなるクダリは子供の頃から覚えている。どのみち、今では余程のファンしか買わない本だと思う…。

For big funs of the "Peanuts", not for the others.

Fantagraphics Books (2015/1/10)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1606998045

Charles M. Schulz "Batter Up, Charlie Brown!" [打席につけチャーリー・ブラウン!]

書名の意味が分からないがどうも野球用語らしい。やはり新聞連載からの転載ですべて構成されている感じ。しかも、比較的初期のもので、Schroederは捕手をしているが、Lucyの位置が少し変ったりしているし、Snoopyはほとんど出てこない。この巻は新聞連載でもわりと印象に残るホームスチールの話で終わっている。ユニクロでその"SLIDE!"のTシャツを見たことがある。

First, you must study the rules of baseball.

Fantagraphics Books (2014/4/5)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1606997253

Charles M. Schulz "Waiting for the Great Pumpkin" [かぼちゃ大王を待ちながら]

ハロウィンに関係するstripのコレクションで、すべて新聞連載からの転載と思われる。主人公はもちろんLinusだ。概ね初期のもので、Charlie BrownがLinusを嘲笑したり、Sallyが若かったり、安定してからのものとテイストがかなり違う。自分が信じているものを他人が信じてくれないのは悲しいものだ。

From the earlier days of "Peanuts".

Fantagraphics Books(2014/9/21)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1606997727

Charles M. Schulz "Snoopy's Thanksgiving" [スヌーピーの感謝祭]

ほぼすべて感謝祭関連の新聞連載からの転載で成り立っていると思われる。ほぼ絵本みたいな仕立て方で、一ページに一コマみたいなところもあり、スヌーピーでしか成立しない作りかもしれない。Peanutsの連載は50年間続いたが、その間にはネタかぶりも結構あり、特に感謝祭だけ集めているから、それがはっきりしているところもある。編集の責任だろう。

I believe there is no strip I have not seen in the main series(the Complete Peanuts).

Fantagraphics Books (2014/10/4)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1606997789

2021年3月19日金曜日

Charles M. Schulz "Snoopy vs. the Red Baron"[スヌーピー対赤い男爵]

一応説明するとRed Baron赤い男爵とは、第一次世界大戦中のドイツ空軍の実在の撃墜王であり、乗機を赤く塗装していたことで知られている。Snoopyの妄想の中ではFokker triplaneを操っており、いつもSnoopy(連合軍のエース)の乗機Sopwith Camelを撃墜している。わたしの知る限り、Snoopyが一矢でも報いたことはない。この巻はその妄想を描いたstripの特集。エンジンのジャイロ効果のため飛行機の運動がどうとか、結構細部もあったりするが、作者は第一次世界大戦にほんの少し従軍したくらいのはずで、あまりリアリティはない。まあマンガだし。

安定の内容ではあるが、どうも謎も多い。新聞連載からの完全版(The Complete Peanuts)に載っていなかったと断言できる物も多いし、新聞連載から切り取ってきている物も多いし、そのせいで前後の文脈がないと意味が分からない物もある。オリジナルと新聞からの転載との混合で水増し制作みたいなことなのだろうか…。ただ、少なくともこの巻を読まないとPeanutsを全部読んだことにはならないようだ。似たような巻があと五冊あるが…。

Some strips are also found in the "Complete Peanuts", some are not. I do not understand the whole scheme.

Fantagraphics Books(2015/11/9)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1606999066