2013年6月28日金曜日

Jessica Hagy "How to Be Interesting: (In 10 Simple Steps)"

この本が和訳されることはないと思うが、タイトルは訳しにくい。わたしのようにboringな人がinterestingな人になるための方法を簡単なベン図とグラフだけで説明しまくった本。内容的には変わったことをしろとか知らない人に話しかけろとかそういうのがてんこ盛りということだが、この本が売れているのは言い方というか表現方法が優れているということで、これはどうにも言葉では説明しにくい。あんまりこういうself-help本には近づかないのだが、まあ、色々考えることもあるのう。考えているヒマがあれば行動しろというようなことだが・・・。

For those who are boring or bored. For a wet blanket like me.

Workman Pub Co (2013/3/19)
ISBN-13: 978-0761174707

Joyce Hargreaves "A Little History of Dragons"

世界各地のドラゴンを紹介。普遍的なテーマというか、違うものも無理矢理一つのカテゴリにまとめたような気もする。ポピュラーカルチャーはこんなところから材料を取っているんだろうなというような。この手の本としては評価は高いようだ。

An encyclopedia of dragons all over the world.

Robin Heath "Stonehenge"

ストーンヘンジなんて徹底的に調べつくされているのだろうが、考古学界の風潮なども含めて、かなり詳しい。変に解決を妄想するより、謎を謎のままま放置しておくのが誠実というものかのう。

A good concise introduction

Geoff Stray "The Mayan and Other Ancient Calendars"

マヤ暦が中心だが、古代暦全般の解説。個人的にはもう少し踏み込んでもらわないと分かった気になれないのだが、このシリーズとしてはこんなものかというような。小学生でも読めることは読めるのではないかと思う。ところで、少し前にマヤ暦が巷の話題になっていたが、あれは何だったのか。

A good introduction to calendars.

Paul Johnson "The Little People of the British Isles: Pixies, Brownies, Sprites and Other Rare Fauna"

イギリスにありがちな色々な妖精というか小さいおっさんの解説。日本で言えば妖怪事典のようなものと考えてよい。文学系の人は手元にあるといいのだろうか。わたしとしては、特にこの本で腑に落ちたとかいうようなことはないが・・・。

A dictionary of little people typically found in the British Isles... or a collection of hallucinations.

Miranda Lundy "Sacred Number"

数秘学とでもいうのだろうか。自然数に関する色々なエピソードをランダムに集めたもの。数学要素は薄い。古代ギリシア人のノリで数の神秘を説こうとしているが、このシリーズを読んでいてつくづく感じるのは、わたしには「神秘」という観念がほとんどないらしい・・・。

A random collection of episodes about some natural numbers.

Guy Ogilvy "The Alchemist's Kitchen: Extraordinary Potions & Curious Notions"

漠然と錬金術を説明した本。一口に錬金術と言っても、歴史も長いし地理的にも広大な広がりがあるはずだが、その辺りは一切捨象されて、基本的にはラテン語文献に限定して説明しているようだ。資料性は低いが、このシリーズの通例で、雰囲気重視である。

Some basic ideas of alchemy.

Gerard Cheshire "The Evolution: A Little History of a Great Idea"

進化論は、キリスト教圏と日本でインパクトが全く異なり、場合によっては進化論を正当化するための説明を延々と読まされることになるため、洋書には要注意だ。その点、この本はその辺りの事情を全く省いており、純粋に進化の仕組み自体を学べる。なかなかよい。

The theory of evolution has very different implications for Christian civilizations from us. Sometimes western books bore us with lots of philosophical justifications for it. This book is, however, very concise and gets to the point. Interesting.

2013年6月27日木曜日

Paul Johnson "Runic Inscriptions: In Great Britain"

ルーン文字というか、ルーン文字の刻まれた考古遺物の解説。わたしは古英語の勉強を少しして挫折したようなことで、ルーン文字が表記している言語の解説も少し欲しいところだったが、この本はあくまでルーンの象徴的意味がメインだ。古代神話のエピソードも散りばめられていて、そちらのほうは色々勉強になった。神話好きとかにお勧め。

A book on artifacts on which runic letters are inscribed. contains a good deal of information on myth.

Daud Sutton "Islamic Design: A Genius for Geometry"

これはこのシリーズ中でも屈指の名著だ・・・幾何学模様が好きなら。イスラムに特徴的な幾何学模様の仕組みを解説した本。このシリーズにありがちな「単なる鑑賞」ではなく、実践的でもあり、こういうのが好きだった子どもの頃に読みたかった本だ。今はそれほどでもないというのは、子どもの頃に評価されなかったというのもあるが、確かにこの対称性に規制された世界が、少し窮屈な気もするというようなことで・・・。

On geometric designs. One of the best books in this series.

2013年6月26日水曜日

David Wade "Symmetry: The Ordering Principle"

自然や伝統模様の中の対称性を列挙する本。このシリーズが得意とするテーマだが、数学的な解説はほとんどない。こういうのが数学的に取り扱えるという点をきっかけだけでも提供すれば、さらに教育上有益だと思うのだが。

Exploring symmetry in nature or traditional patterns etc. I guess a little more mathematical explanation would help young readers to go further....

Matt Tweed "The Compact Cosmos"

グレートウォールだとかブラックホールとかビッグクランチだとか、その類の宇宙ヤバイ本だが、よくある話であり、このシリーズの良さがあまり出ていない気がする。特にこのシリーズは白黒イラストという制約があり・・・。まあシリーズの他の本と並んでいる分にはあっても良いかもというくらい。

Popular topics and lacks originality, without photos, a major limitation inherent of this series.

Fred Gillam "Poisonous Plants in Great Britain"

イギリスに生える毒草を集めたもの、各毒草について歴史と植物学的解説とイラスト。いきなりトリカブトから始まっている。わりと淡々とした調子だが、ヨーロッパは毒薬エピソードが多い。なぜ日本に同様のエピソードが少ないのか謎だが・・・。これは「毒」というものに妙な思い入れがあると、もっと面白いのかもしれない。

For children who love poisons.

Phoebe Mcnaughton "Perspective and Other Optical Illusions"

この本は、投影法・光学現象・錯視図形の三つの要素から成り立っている。わたしは大昔に製図の勉強を少ししたことがあり、投影法の部分は非常に興味深い。工学系ないし古典絵画系の人にはお馴染みかもしれない。あまりこの件を素人に分かるように解説している本は見たことが無い。光学現象については気象現象など。最後の錯視図形については、知らない人にとってはもちろん一読の価値があるが、この件については日本には北岡明佳というスターがいるため、それほどの衝撃はない。というか北岡教授の作品もいくつかこの本に引用されているようなわけで・・・。

This book consists of three parts: projections, optical phenomena, trick arts. Projection are very interesting. As for trick arts, we have Kitaoka in Japan.

2013年6月25日火曜日

Liz Gallacher, Helen Morris "ITIL Foundation Exam Study Guide"

先ほどITIL V3ファウンデーションの試験を受けてきた。知らない人のために解説すると、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービス管理の共通フレームワークで、ITIL V3ファウンデーションとは、その知識を認定する初歩的な資格である。近頃はITILがITの現場に非常に普及してきたので、資格を取らないとしても知識はあったほうがいいし、知らない人でも、ITILに由来する言葉遣いは日頃耳に入っているはずだ。内容的にIT技術というよりはビジネス寄りなので、技術者としては興味の薄いところかも知れないが、逃げてばかりもいられないだろう。もちろん、管理職なら必須と言える。

試験は26/40で合格だが、わたしの点は35/40だった。ほぼ満点のつもりでいたので心外だが、やむを得ないところがある。今までわたしはCBTで数えきれない数のIT系の試験を受けてきた。ほんの一部を挙げるとOracle Master Platinum, MCSE, MCDBA, LPIC, DB2, Java...。まだまだあるが、すべてについて言えるのが、翻訳が酷くて、問題文が日本語として成り立っていないことが多々ある。ITILも同じで、何とか元の英文を復元しようと考えるが、どうしても意味が分からない問題がいくつかあった。つまり、それがその間違った5問なのであろう。英語で受けるべきだった。

結論としては、この本一冊で試験に通る分には問題ない。内容も非常にしっかりしていて、日本語でこれに匹敵する本はない。特に掲載されている練習問題が、日本語の対策書と比べると格段に優れている。ただ本質ではない、いくつかの欠陥があり・・・。

     
  • 日本語で試験を受けたり、日本語で仕事をしたりする時に訳語が分からない。
  •  
  • 実例が乏しく、ITILの理論的な説明に終始しているため、初心者がいきなり読むと退屈する。
とはいえ、最強の対策書には違いないので、ある程度下地のある人には強くお勧めする。または、日本語で日本的な実例とともに解説した本を読んだ後で読むのもいいだろう。

というわけで、以下、ついでにいくつか和書も。

「IT Service Management教科書 ITIL V3 ファンデーション 第2版」(株式会社日立システムアンドサービス、翔泳社)・・・これは必読。おそらくたいていの人がこの一冊で合格しているものと思われるが、少し不安ではある。落ちたという報告もあるし。

「ITIL V3 実装の要点」(久納信行、技術評論社)・・・売り込みが酷い。多分著者はITILで食べているんだろう。一問一答で読みやすいが全体像がよく分からない。一通り把握した後ならいいかも。

「ITIL V3実践の鉄則」(久納信行、技術評論社)・・・これはITIL V3のコアブックに沿った日本語解説であり、クセも少なく、わりと安心して読める教科書。

「ITILの基礎 ITIL V3 ファンデーション試験 対応」(官野厚、毎日コミュニケーションズ)・・・これもコアブックに沿った単なる解説だが、平板でややとっつきにくいか。模擬試験問題にやや疑問が残るほか、タイトルで言うほど試験に対応していない気がする。

「要点解説 ITサービスマネジメント [ITIL V3][JIS Q20000]対応」(黒崎寛之、技術評論社)・・・半分以上がJIS Q 20000の解説でITIL V3の部分は前半にあるが、そんなに違うわけでもないし、この本で初めて腑に落ちることもあった。良心的な本だ。純粋に試験対策ということなら無用かもしれないが、志の高い人にはお勧めしたい。

2013年6月24日月曜日

Matthew Watkins, Matt Tweed "Useful Mathematical and Physical Formulae"

物理と数学のいろんな公式を集めたものだが、日本人であれば、高校生であれば知らない公式はないのではないかと思う。やはり小中学生向きだろう。こういうのを好む子は賢くなると思うよ。

For students of elementary or junior high school, if in Japan.

Olson Scott "The Golden Section: Nature's Greatest Secret"

これはpopular mathでさんざんこすられているテーマなので、今更新しい発見があるわけではないが、黄金比が何か知らない人に一冊ということなら、間違いなくこの本が筆頭にくる。このシリーズはとにかく物体として美しいし、それはこういうテーマでは特に重要なことだ。例によって予備知識は何も必要ない。

A classic, tired and beautiful theme, though if I recommend one book on this topic, this book will be the one. Beautiful as is always the case with the Wooden Books.

Miranda Lundy "Sacred Geometry"

神聖幾何学ということで、自然や古代遺跡や伝統模様に出てくる幾何を並べているが、幾何学自体は弱い。もちろん大人が眺めても癒されるが、基本はやはり男子小中学生向きだろうか・・・。わたしが子どもの頃はこういう幾何学模様は好きだったし、自分でも色々考案していたが、学校教育というか美術教育はこういうのには否定的だよな。連中はもっと「生きた絵画」しか評価しない・・・。つまり、この本も子どもの頃に出会いたかったのである。

A collection of geometric designs which appear in religious arts or the nature etc. I used to love this kind of art when I was a kid, but art teachers generally hated children doing geometric designs instead of more "natural" drawings. Sigh.

Andrew Sutton "Ruler and Compass: Practical Geometric Constructions"

いわゆる初等幾何で、いろんな図形、特に正多角形を古代ギリシア人並みにコンパスと定規で作図する本。多少のことはたいていの人が中学校でやっていると思われるが、わたしの場合は特にこういうのが好きな先生に当たったこともあり、わたしもこういうのが好きで試験も常に高得点だったし、懐かしい。普通の人がこの本をコンパスと定規を持ってやっても、そんなに困難はないのではないかと思う。中学生でも問題ないし、場合によっては小学生でも大丈夫だろう。このあたりの事情を好きな人の最終目標はユークリッド原論完全攻略だと思われるが、そこまでいかなくても、これくらいでも楽しい。関係ないが、古典ギリシア語をやっていたころ、原論の定理の一つを丸々翻訳したのも貴重な思い出だ。

A collection of geometric constructions, as in ancient Greece. I was trained in this area when I was a junior high kid and was pretty good at it. A nostalgia.

2013年6月21日金曜日

Robin Heath "Sun, Moon and Earth"

A Little Book of Coincidenceの類書と言えるが、太陽と月限定で、暦・古代遺跡の話もあり。このシリーズ全部について言えることだが、子どもの頃に読みたかった本だった。もちろん、今読んでもずっと眺めていられるが、変に物理学の知識とかがないうちのほうが・・・。

A beautiful book. I wish I had met this book when I was a child, without much knowledge of physics....

2013年6月20日木曜日

Burkard Polster "Q.E.D.: Beauty in Mathematical Proof"

初歩的な数学での、いわゆる「美しい証明」を集めたもの。頭は使う必要があるが、紙と鉛筆が必要な事態にはならない。わたし的には、立体の想像が苦手なので、そこが少し苦労したくらい。たいてい知っていることだが、円錐を切断した断面がなぜ楕円になるのかという件は初耳だった。古代ギリシア人がどうやってそんなことを証明できたのか、中学生の頃から疑問だったが・・・。というように、理系であっても、誰でも何かしら初耳なことがあるのではないか。もちろん文系でも中学生でも読める。

Requires a bit of brain power. But you will not need a pen and paper, I guess. Some discoveries for me, and recommendable to evne those who are fed up with "pop math" books.

Wooden Books (2006/11/1)
ISBN-13: 978-1904263500

2013年6月19日水曜日

Matthew Frederick, John Kuprenas "101 Things I Learned in Engineering School"

タイトルからは分かりにくいが、主にCivil Engineering土木工学の本。わたし的にもあまり縁のないところで、一般人向けの本も少ないかと思うが、この本は例によって豆知識集で全く予備知識のない人でも読める。なにより体裁が美しくて癒されるし、いわゆる雑学本的な意味でも、今のところこのシリーズでは一番だった。近いうちに日本語訳も出るのではないかと思う。

Beautiful as expected for this series and fascinating trivia of civil engineering. I love this series.

Grand Central Publishing (2013/5/21)
ISBN-13: 978-1455509775

John Southcliffe Martineau "A Little Book of Coincidence"

Walker & Co (2002/03)
978-0802713889

これも日本語訳が出ているようだが、原題のほうが適切で、太陽系の惑星の軌道等がやたら単純な比を構成していたりする事実を列挙している。現代物理学では単なる偶然として片付けられてしまうようなことばかりだが、実際にこの本を読むと、本当にそんなことで済む話なのか疑わしくなるくらい、圧倒的な事実が示される。偶然というより、やはり現代物理学・数学の理解していない何らかの法則が働いていると考えるほうが自然ではある・・・。偶然だとすれば、このあり得ないような偶然のせいで、地球という奇跡の星が生まれたのか・・・。やはりこのシリーズは侮れないようだ。

A fascinating reading. Maybe some principles that are unknown to our modern physics or mathematics are working to constitute these amazing "coincidences". Or maybe these coincidences enable us to exist....

2013年6月18日火曜日

Daud Sutton "Platonic and Archimedean Solids" (Wooden Books Gift Book)

色々な多面体に関する考察というよりは鑑賞。数学的にどうこうというよりは、文学的に楽しむ本かと思われる。特に予備知識もいらないし、英語が読めれば小学生でも問題ないだろう。このWooden Booksのシリーズは、「アルケミスト双書」ということで日本語訳が出ており、別に悪いわけではないが、アルケミストとか言っている時点でなんとなく軽視していた。何より薄いし。ただ、Gift Bookという趣旨から改めて見直すと美しく成立しているかもしれない。古いところも含めてこのシリーズを攻略してみるかのう。

A beautiful book. A poesy.

Will Pilgrim, Christos Gage, Ramon Rasonos "Marvel's Iron Man 3 The Movie Prelude"

時々いわゆるアメコミ(=スーパーヒーロー)にトライしてみるのだが、どうも当りがない。xkcdとかPeanutsとかDilbertはいつも読んでいるが。これについては、ファン的には余計な部分が多過ぎて不評もあるようだが、わたしはアイアンマンについて全く何も知らない状態で読んで、まあ大体意味は分かったというような。しかし、こういうのって、大体話の部品が限られていて、どれもこれも同じという印象しかない。新兵器だったりテロだったり冤罪だったり政府の陰謀だったり軍事産業だったり唐突なキスシーンだったり。そうじゃないのもあるというのなら是非お知らせいただきたい。

From time to time I try superheros and almost every time I fail. All of them seem identical to me.

2013年6月17日月曜日

Kit White "101 Things to Learn in Art School"

これは"101 Things I learned(TM)"とは体裁が少し違うが、出版社がMIT Pressで同一のシリーズという認識で良いのだろう。と思って楽しく読めると思ったが、この本については、わたし的にはハズレだった。美術の時間のトラウマが蘇る。最大の原因は、命令形が多過ぎる点にある。勉強にはなるが・・・。実際、著者は、アートスクールで学んだというより、教えている側であり、I learnedシリーズとは趣が違う。基本的には絵画の話。

Not a book for me. Many imperatives reminded me of my school days.

2013年6月16日日曜日

Isabelle Normand, Richard Lescure "Delf B1 200 Activities"

DELF B1の対策書だが、Reussir Le Delf 2010 Edition: Livre B1 & CD Audioがあれば、この本はいらない。内容はさておき、読みやすさが明らかに劣っている。ただ、聴き取りと読み取りについて問題数をこなしたいので買ったが、後から思うと不要であった。量をこなせば安心感が増すというのも確かだが、どのみち書くのと話すのはどうしようもない。

Ce livre n'était pas nécessaire.

Reussir Le Delf 2010 Edition: Livre B1 & CD Audio

DELF B1の対策本。この一冊で試験の全容は分かるし、これを一冊読んでダメだったら、実力不足としか言いようがない。聴き取りと読み取りに関しては、ほぼ本番形式なので、これで実力チェックができるだろう。書くのと話すのに関しては、この本で試験の要領は分かるものの、もちろん自己採点しかない。いずれにせよ、論理構成を明確にするというのが大事なようだが、それ以前に、書く内容・話す内容をでっち上げる訓練が必要だ。まあ、年に二度やっている試験なので、一度くらい捨てる気で受けていいと思うが、一万二千円もする試験だから、この本を読んでおくのは高価とは言えない。

Je crois que ce livre est un must-have pour reussir Le Delf B1. Si j'ai ratté, c'est juste mon problème.

2013年6月14日金曜日

Neil Landau, Matthew Frederick "101 Things I Learned in Film School"

映画でもテレビシリーズでも、わたしは一々裏読みする癖があり、それが楽しむ能力を大幅に削っているが、この本は事態をさらに少し悪化させた感じがあり。当たり前だが、映画を撮るほうの人が読む本だ。

For those who make films. Not for us audience.

2013年6月13日木曜日

James Kakalios "The Physics of Superheroes"

アメコミを物理学(ちょっと化学)的に考察したもの。よくある話のような気もするが、この手の本としては、少なくともアメコミ圏では最も人気のある標準的な基本書である。日本でありがちな、フィクションの科学的欠点を論って笑い物にするようなものではなく、あくまで一般人への物理学の普及が狙いだ。レベル的には縦書きポピュラーサイエンス程度で、微分を避けており、日本人なら中学生程度でも問題ない。分野的には力学・熱力学・電磁気学・現代物理などで、満遍なく各分野を網羅。著者はミネソタ大の物理学の教授であり、内容にも特にケチを付ける要素もない。ただし、アメコミに関する教養は極めて深い。別にアメコミについて全く知らなくても読めるが、アメコミ史についてムダに詳しくなる。印象としては、物理学の解説とアメコミの解説が半々くらいだったような。

しかし、この本が日本語訳されていないのは少し意外ではある。近頃はアメコミも随分日本語訳が普及してきたので、これも日本語訳すれば、結構売れると思う。というのも、物理学入門という意味もあるが、アメコミ入門としてもなかなか秀逸であり、特にアメコミ史の解説は得難いのではないか。わたしとしては、もちろんスパイダーマンとかスーパーマンとかはもちろん知っていたが、アトムとかアントマンとか、知らないほうが多かった。

A good reading, though for me it is too elementary in physics. I learned a good deal about American heroes. Now we have had many American comics translated into Japanese, this book would sell well too in Japan if translated.

2013年6月12日水曜日

Alfredo Cabrera, Matthew Frederick "101 Things I Learned in Fashion School"

例によって体系性も実用性もないが、とにかくこのシリーズは癒される。読むのが楽だし、絵も一々魅力的だし。

Cute, cool, refreshing.

Matthew Frederick "101 Things I Learned in Architecture School"

それなりの建築物は、一応誰かが何かを考えて造ったはずで、建築家にサブリミナルに行動をコントロールされるのも癪な話だ。この本で、少しは建築家が何を考えているのか分かった気になれる。これも「建築デザイン101のアイデア」ということで日本語訳が出ている。

I love this series.Not practical but amusing.

2013年6月11日火曜日

Lars Nielsen, Noreen Burlingame "A Simple Introduction to Data Science"

いわゆるビッグデータという概念に関して、それがビジネス的・IT的に何なのかの簡単な解説。ビジネス的には、ビッグデータの活用に関して昔からあるようなマーケティングの延長で解説している。IT的にはHadoopとかCassandraとかのキーコンポーネントを引き合いに出している。そして、一貫して「データサイエンス」という新ジャンルの勃興を予測している。短いので直ぐ読める。また、書籍の大半が業界のGuruたちの引用で構成されていて、好みにも寄るが、説得力がある。入門書なので具体的な話にはならないが、そもそも具体的な話は、現時点では書籍にまとめるほど完成していないのかもしれない。

A really simple and brief introduction. On business aspects and IT aspects. The business side is a little mundane but the IT side interested me enough to read more books on this topic. The authors predicts the rise of an academic field of "Data Science". I would like to be one of the earliest students.

Louis Eguaras, Matthew Frederick "101 Things I Learned in Culinary School"

このシリーズに共通することだと思われるが、この本を素人が読んでも料理ができるようになるわけではないし、多分、上手くもならない。基本的には読者としてある程度大きな厨房で働く人が想定されていると思われるが、それにしても、役に立つのかどうか不明だ。総じて実用性は薄い。じゃあなんでこの本を読むのかというと、まあなんとなく楽しいからというような。読みやすいし美しいし。

No practical use for me, but beautiful.

2013年6月10日月曜日

Michael W. Preis, Matthew Frederick "101 Things I Learned in Business School"

この本は「ビジネススクールで学ぶ101のアイデア」ということで、ぱっと見、原著に忠実ぽい日本語訳も出ている。わたしとしては、この本というかシリーズはもっと評価されるべき。確かにいくつか明白な欠点があり、たとえば、内容があまりにも初歩的だとか、根本的に内容が薄過ぎるとか、体系性が全くないとか、版形が変で書棚に収まりにくいとか・・・。

確かにあっと言う間に読めてしまうので、その意味では損だし、体系性がないから何か「良い物を読んだ」気にはならない。言ってみれば、ビジネススクールで教えている重厚っぽい体系性のある理論を爆破して、面白そうな破片を101集めたような感じで、真面目な勉強家のカンに障るのも分からなくはない。

しかし、もともとビジネスというゴチャゴチャmessyな世界に取りつくろった体系性を持ち込むのも正しいのかどうかと思うわけです。むしろ、この本みたいに、適当なアイデアをランダムに配置しているほうが本来的な気がする。その中に、二、三個面白く思うアイデアがあればいいし、もちろん、リアルにビジネスをしている人は、一つ一つについて、自分の仕事と関連させて考えることもあるだろう。一例としては、個人的にはCannibalism推奨とか少し感心した。色々な考え方があるものだ。このシリーズは他にも出ているので、カードみたいにして、ランダムに二つのアイデアを組み合わせて理屈をこねても面白いかもしれない(面雀)。

Many say this book is too thin, lacks depths or organization. It looks as if authors blew up the well-organized curriculum of business school and collected some beautiful fragments or debris and arranged them in one cute box. I love the concept, especially because doing business is not a neat task and defies any formalization. This book is for business people, not for scholars.

2013年6月8日土曜日

The Editors of Think French! magazine "Read & Think French with Audio CD"

これはフランス語の学習用読本として絶賛されている本ではある・・・。一通り文法が終わっている人が対象。フランスの文化のトピックについて短い記事が多数収録されているというようなことで、確かに良くできた模範的なテキストなんだろう。勉強だと思って読んだが、残念ながら、わたしはこういう「広く薄く」みたいな文化紹介というかガイドブックにあまり興味がなく、知識はあまり頭に残っていない。CDの朗読は一部記事だけだが、明朗に読んでいるので優しい。値段も安いし、損はないところだろう。

A famous and typical book of French reading. Many articles on French culture.

G.Kingsley Ward "Letters of a Businessman to His Son"

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙ということで、「まだこの本売れてるのか」というところだ。学生時代に読んでゾッとした記憶がある。工場労働者を指して、「あんな厳しい生活をしたくなければ・・・」みたいな説教が始まるところが特に印象的だ。この本を名著だという人とは友達になれない。まあ、世間を知る勉強にはなったけど。

A horror.