2010年5月30日日曜日

Neoliberalism (Oxford Very Short Introduction)

これは名著。三十年に渡る新自由主義の功罪を解説。第一の感想は、「さっさと翻訳しろ」ということだけど、翻訳しても生硬な文章になったりするんだろう。英語を読めることに感謝しなければならない。

新自由主義そのものの説明もコンパクトでいいが、世界の新自由主義を概観して回るのが素晴らしい。もちろんサッチャー・レーガンから始まるけど、アジア、南米、アフリカなども概観。もちろん小泉政権も入っている。それぞれのバリエーションと功罪を分析。

日本のマスコミはいまだに小さな政府だとか事業仕分けだとか言っている次第で、本当に世界から見れば遅れているというか、バカと言っていいと思う。こういうのはblogとかでは結構論じられているとは思うけど、そういう人たちは、学問的背景が薄かったり、単なるアカだったりで、パワー不足は否めない。こういう本を読んで、世界のネオリベを学習すれば、また説得力が違ってくると思うのだ・・・。

2010年5月22日土曜日

Forensic Science(Oxford Very Short Introduction)

日本語では科学捜査とかいうのかなあ。詳しくは知らないけど、英語圏ではこういうテーマのテレビドラマが流行っているらしい。概説だけど、地味な仕事だという印象。

2010年5月16日日曜日

Privacy (Oxford Very Short Introduction)

個人情報保護法制の概説。読みにくいのは、第一に分野自体が新しくて論点が整理されつくしていないのと、第二に、判例法中心の英米法の体系が、日本人に馴染みがないから。日本で言えば、個人情報保護法はもちろんだが、知財関係とか民法、不正競争防止法、不正アクセス防止法のほか国際条約等の広い知識が必要で、応用分野の中でも最も高度な世界かもしれない。というわけで、この辺りの知識に自信があって、さらに英米にまで手を出そうという志の人にのみお勧めする。

2010年5月12日水曜日

The Wimpy Kid Movie Diary: How Greg Heffley Went Hollywood

映画のメイキングなんで、基本的には映画を見た/見る人が読むものなんだろう。わたしは見ていないし、見る機会があるかどうかわからないが、なんとなく面白かった。ただ、わたしは例外なんだろうとは思う。

2010年4月22日木曜日

Freefall : Stiglitz

これはこれからの時代の経済学の基本的入門書になるかなあ。といっても、本当の素人が読んで理解できる部分は限られていると思うけど。しかし、経済学を学び始めたのなら、一刻も早く読んだほうがいいのは間違いない。大恐慌からリーマンブラザーズ破綻に至るまで、何が起こったのかを分かりやすく解説している。これを読んだからといって単位が貰えるわけでもないが、本当に経済を理解したいのなら、必須だ。


2010年4月9日金曜日

Innovation: A Very Short Introduction (Oxford Very Short Introductions)

ウェッジウッドの話から始まるが、結局はビジネスマン向けの啓蒙書みたいな方向なのかなあ。言っていることは、オープンな企業文化が大事だとかWeb2.0だとかで、わたしから見ても凡庸な気がする。ただ、この本の価値は、豊富な実例引用だ。それに、日本では、あまりイノベーションという切り口でビジネスや政治を語ることがないので、斬新に感じるところもある。

2010年4月7日水曜日

101 French Proverbs with MP3 Disc: Enrich your French conversation with colorful everyday sayings

フランス語の諺を101集めたもの。別にそれ自体は面白くも何ともないが、一つ一つにちょっとした文章例がついていて、そこに価値がある。適当な感じの長さのフランス語って、案外ないし。音声ファイルも大きいな。

2010年3月29日月曜日

The Ultimate French Verb Review and Practice

初級文法を一通り終えている&英語が読めるのが前提だと思うけど、とりあえず、フランス語の動詞活用に関しては、これが確かに最善の一冊だろう。特に欠点もなく、ただただ優良図書。わたしとしては、"The Ultimate French Review and Practice"を終えてからやったので、楽だった。問題集で習得できるのはここまでだろう。この先は実地にやっていくしかない。



2010年3月25日木曜日

Institutions of the Asia-Pacific (Routledge Global Institutions)

わざわざ地球の裏側の人に解説してもらうこともないとは言えるが、外からみた状況という意味もある。

解説の中心はASEAN諸国で、それに加えて中国・日本・オーストラリア・アメリカ・インドの動き。前半は既存の組織の解説で、中心となるのはASEAN, APEC, ARF。いかに無効な組織であるかばかり書いてあって、先が思いやられるが、事実だし、読んでいて面白い。欧州と違って、各国の背景があまりに多様で、アメリカが統合を阻み続けたということが繰り返される。

後半は今後の展開で、geopolitics/geoeconomicsの解説に重点がある。中国の台頭、アメリカの撤退、日本の対米追従、オーストラリアの微妙な立場などお馴染みの話題。ただし、この本が書かれた時期と比べると、日本の現政権ははっきり脱米入亜に進路を振っているし、オーストラリアも中国寄りに切り替えた。まあ当然の流れとは言える。何にしろ、話の中心には必ず日本がいるので、あまり資料性はない気がするが、読み物として成り立っている。

2010年3月10日水曜日

Relativity (Oxford Very Short Introductions)

特殊相対性理論&一般相対性理論の一般人向け解説書。数式はほとんど出てこない。

似たような本は、特に翻訳書でも結構多いし、あんまり期待していなかったけど、予想外に面白かった。

話自体は古典的なので、後は説明の仕方とか、最新の宇宙論とかとの関係とかで差がつくだけだけど、冗談も交えながら、自然に読ませる。特に特殊相対性理論は、数学的にそんなに難しいわけでもないので、一般向けの解説書を読んでいるより、真面目に勉強したほうがいいというのも一理あるけど、見通しも大事だし、一冊というのなら、これが一番だ。

2010年3月4日木曜日

The United Nations and Human Rights: A Guide for a New Era (Routledge Global Institutions)

国連における、人権関係諸機関のガイド。版を重ねているだけのことはあって、この件に関しては、第一に参考になる本かなと思う。特に、この手の機関と頻繁に付き合いがあるか、言及する機会の多い人にとっては、必携書かもしれない。あくまで機関の概説で、人権概念そのものについては、あまり記述していない。

しかし、ここに記載されているような数多くの重複した機関が何をやっているのかというと、結局は、それ系のNGOから話を聴いたり、各国に大量の報告書を提出するように命令したりして、適当に非難声明を出すくらいのことで、話に具体性が乏しく、正直あまり面白くはない。別にこれはこの本のせいではなくて、「人権」とか「国連」とかいう言葉から、当然想像できることだ。まあでも、こういう話が好きな人も多いので、個人的な感想に過ぎない。資料性もあるし、関係者なら、手元に置いておけば、結構活用する機会があるんではないかと思う。

2010年3月1日月曜日

German a la Cartoon

マンガでドイツ語を学ぼうという趣旨の英語の本だが、タイトルはフランス語風というような・・・。

実際には、一こまマンガが101個あって、それぞれに単語の説明と英訳がついている。ごくごく初歩的な単語にも訳がついているので、その点で苦労する人はいないだろう。文法的には、多分、直接法しか使っていなかったと思う。正直なところ、あんまり勉強になるとは思えないが、ドイツ語に親しむという意味では、非常に良い本だろう。マンガ自体は大して面白くないけど、絵は好きだ。マンガ家は複数だけど、こういう絵を見ていると、日本のマンガの絵が、いかに画一化されているかを痛感する。

2010年2月28日日曜日

The Great Depression and the New Deal (Oxford Very Short Introductions)

大恐慌の始まりから戦後ブレトンウッズ体制が築かれる間の物語。筆者は「デフォルメ」と言っているが、学術的な記述というよりは物語。たとえば、NHKが七日シリーズでドキュメンタリーを編集したら、こんな感じになるだろう。決して楽しい話ではないし、昨今の経済事情も思い合わされて、色々考えることもあるが、こんなことを繰り返しながらも資本主義でやっていくしかないんだろう・・・。感情や評価コミで、状況を語っていくが、巻末の立法リストは資料性もあり。現代の経済政策を考える人にとっても、これくらいが最低限の基礎知識ではないかと思う。

2010年2月13日土曜日

Loneliness: Human Nature and the Need for Social Connection / 孤独の科学

わたしはこの本はKindleに入れているが、今日、日本語翻訳を発見した。アメリカでは相当売れているようなので、翻訳が出るのは当然だけど、日本でも売れるんじゃないかと思う。

遺伝子がどうとか、人類の進化の途上でどうこうとか、ちょっとした実験の紹介だったりがあって、体裁としては、よくある心理学の本だ。厳密に考えると憶測が多過ぎて科学としてどうよとか思うのは心理学の常だけど、それでもこの本は読む価値があった。

第一にポイントになるのは、孤独感が人の心理・生理にどういう影響を与えるか。「そんなこと言われなくてもだいたい分かってるよ」と思うけど、それでもあらためて鬱になるくらいの話だ。

第二のポイントは、孤独から抜け出すためのアドヴァイス。これは各所に散りばめられているが、要するに、「人を助けることを考えろ」ということだろう。これも書いてあるけど、不幸な人、孤独な人は、自分の不幸さに囚われていて、人を助けるような余裕がないと考えがちだ。だが、自分の不幸を棚に上げて人を助ける方向に行く以外に救いはない。

それ以外のこと、たとえば、実験の結果どうだったとか、進化の過程で孤独感がどういう役割を果たしたかとかいう話は、正直あんまり感銘を受けなかった。けど、人によっては、説得力を感じるだろうし、結論の真実さに変わりはない。

誰でもこの本から得るものはあると思うけど、特に孤独な人にとって、この本は、一つの方向に一歩踏み出すキッカケになるかもしれない。



2010年2月12日金曜日

Oxford French Cartoon-Strip Vocabulary Builder

フランス語の語彙強化のためのマンガ、ということだけど、マンガ自体、なかなかクオリティが高い。普通にフランス語の新聞に乗っていても不思議ではない。同じマンガで、ドイツ語・スペイン語もあるみたいだけど、多分、フランス語がオリジナルだろう。なんかそんな気がする。

左ページにマンガ、右ページに語彙の説明が載っている。語彙は、むちゃくちゃ初歩的な単語まで解説されている。文法的には、多分、接続法はなかったと思う。ただ、それでも、一通り初級文法を終えているくらいでないと苦しいだろう。文法の説明はほとんどない。それを考えると、単語は少し易し過ぎるし、勉強になったのかどうか分からないけど、とにかく面白かったから良しとしよう。