まあただ可愛いだけの他愛もない本ではある。こういうのって意外とネタが尽きるのが早い感じはあり。Pusheenが好きなら書籍としては他に塗り絵とかもある。
Kawaii.
Simon & Schuster Ltd (2021/3/18)
言語:英語
ISBN-13: 978-1398506473
まあただ可愛いだけの他愛もない本ではある。こういうのって意外とネタが尽きるのが早い感じはあり。Pusheenが好きなら書籍としては他に塗り絵とかもある。
Kawaii.
Simon & Schuster Ltd (2021/3/18)
言語:英語
ISBN-13: 978-1398506473
目次:1.ノイズを発見する 2.知性は測定器である 3.予測的判断におけるノイズ 4.なぜノイズが発生するか 5.判断を最適化する 6.最適なノイズ
相当面白く、経営や社会科学全般にmust-readと言っていい本だが、まずタイトルが分かりにくい。簡単に言うと、人間のする判断のバラツキを指摘してその解決策を提案する本。
あの"Thinking, Fast and Slow"のKahnemanが著者だというのにあまり評判になっていないのは、一つには前半部の話が単純に難しいのと、二つには後半部の人間の直感を排除する提案が反感を買うからだろう。
根底にある統計学については、ほとんど数式を使っていないが、最小二乗法くらいは勉強していないと何を言っているのか分からないのではないかと思う。多くの計測値と真値が与えられれば、誤差=バイアス+ノイズとなる。バイアスとは計測値の平均値と真値のズレで、タイトルにもあるノイズはこの右辺第二項を指している。
さらに基本的な統計学で平均二乗誤差=バイアスの二乗+ノイズの二乗と分解できる。全誤差(平均二乗誤差,MSE)を最小化するためには、バイアスを小さくすることも大事だが、ほとんどの場合ノイズが軽視され過ぎているというのが本書の基礎となる主張だ。
多くの場合、例えば裁判官が犯罪者の量刑を決める時には真値は分からない。従ってバイアスも差し当たり分からないが、多くの裁判官をテストすれば平均値を真値と推定してノイズ自体の計算はできる。本書の中心的な主題はバイアスではなくノイズなので、この点はあまり問題にならない。本書の主な問題は同じ案件なのに裁判官やその日の天気などによって量刑が変わってしまうことだ。良く問題になる犯罪者の人種や性別などによるバイアスは本書の主題ではない。
二乗という操作が入るが、とにかく全誤差はバイアスとノイズ(システムノイズと呼ぶ)に分解される。似たような操作でシステムノイズはレベルノイズとパターンノイズに分解される。裁判の例では、レベルノイズとは、そもそも平均的に量刑を重く出す裁判官と軽く出す裁判官がいることに当たる。
パターンノイズは裁判官と状況との交互作用によるものだが、パターンノイズは安定したパターンノイズと機会ノイズに分解される。安定したパターンノイズとは、裁判官によって事例のどの要素(被告の生い立ちとか被害者の年齢とか)を重視するかが違うことによる。筆者たちの研究ではこの要素がシステムノイズの中で最大だという。機会ノイズはさらにその残りで良く分からない。その日の天気とか前の日に地元のスポーツチームが勝ったとかそんなんだろう。
射撃チームが一つの的を狙ったとする。全員の着弾点の平均が的からズレていたら、このチームには全体にバイアスがあることになる。着弾点が散らかっていたらシステムノイズが大きい。右にずれやすい人と左にずれやすい人がいたらレベルノイズということになる。的の状況が個人に安定して別々の影響を与えるなら安定したパターンノイズということなる。それらを全部除いてもそもそも射撃は100%正確になるはずかないというのが機会ノイズ、あるいは本書でも使われる用語では客観的無知ということになる。
この本に文句を言っている人の多くはここまでの基本概念が頭に入っていないのだろうと思う。本書の主張は色々な事例(難民申請の許可や人事評価や保険の査定や指紋の鑑定など)を大量に引用しつつ、人々が思っているよりノイズが大きくて社会正義や経営判断をムチャクチャにしているということだ。そしてノイズを減らすための方策としてガイドラインの導入やアルゴリズム、あるいは単純な数式の導入を推奨する。このあたりの考え方は"Thinking, Fast and Slow"と基本的に同じで、反感を買いやすいのは分かる。ただ文句を言っている人の大半はここまでの議論をきちんと理解していないのではないかと思う。わたしとしては「アルゴリズムは透明性が高い」みたいなところに引っかかったりしたが(普通AIが何を考えているかは分からない)、かなり面白かった。ただ、わたしはここで問題になるような判断ごとを他人事みたいに思っているから単純に面白がっていられるが、経営者とか行政とかは真剣に読むべきだろう。しかしやはり難しいかもしれない。結局、ノイズよりバイアスのほうが分かりやすいし、バイアスを退治すれば英雄だが、ノイズ対策をしても効果は同じくらい大きくてもそこまで目立たない。
経営学の分野でもこの本は紹介されることが多いが、実際に読んでいる人は少ない印象だ。翻訳も出ているし、この文章をここまで読んだ人がこの本を理解できないことは考えにくい。色々面白い事例も載っているし、実務で問題になる人だけでなく、単に面白がりたいだけの人も読んで損はしない。良い本だった。
A must-read for us looking for new intellectual excitement.
William Collins (2021/5/18)
言語:英語
ISBN-13:978-0008309008
Pusheenと言われて分からない人は公式サイトを見るのが早い。要するにすみっコぐらしとかLiz Climo相当と思えばそう間違いではない。ギャグとkawaiiの比重がもう少しkawaii寄りくらい。イラストというほどでもない…。英語は中学生レベルか。わたしは店頭で見て買ったのでWebはあまり見ていないが、書籍の内容はほぼWebと同じらしい。ただ印刷もきれいだ。
Kawaii.
Touchstone (2013/10/29)
言語:英語
ISBN-13:978-1476747019
出版側は思想小説みたく言ってほしいのだろうけど、奇書と言っていいだろう。この小説、定期的に日本でも話題になる。聖書に次いでアメリカ人に影響を与えたとか、アメリカの保守の真髄とか、頭のいいアメリカ人は全員読んでいるとか…。
詳しい内容はWikipediaにでも何にでも出ているが、大雑把に言うと、無能な怠け者共の提唱する社会主義のせいで合衆国が滅んでいき、優秀な実業家たちがロッキー山脈のどこかにあるユートピアに逃げていくという話。実際には、この要約から想像するより内容ははるかに酷い。とにかく無能な人間や慈善事業や労働組合などは絶対悪であり、有能な実業家は絶対善であり、富や贅沢はその証拠である。利己主義こそ絶対善であり、ヒーローの側は少しでも利他主義的と思われる行動をするのを極度に恐れていて、むしろ利己主義だけでは生きていけないのを認めたほうが楽なのではという。
登場人物や地の文で延々とそんな思想が語られていて、確かに部分ごとに共感を呼ぶところもあるのだろう。特に自分を有能だと思っている人間には。こんな人にお勧め:
ちと関係のない話をするが、最近「ホームレスを殺せ」とかいうYouTuberが炎上して別のYouTuberが「言いかたは悪かったけどみんなの本音では」みたいな擁護をしていた。「じゃあお前が金を出してホームレスの人を助けろよ」論法は議論では負けないんだろう。個人では上手くいかないから政府があるんですがね…。敢えて「普通の人」の弁護をすると、普通の人はホームレスに金を払わないが、納めた税金の一部分がホームレスの救済に使われるのに反対はしない。自分の家の前にホームレスが寝ていたら追い払うが、遠くの河原に寝ているホームレスに石を投げたりはしない。結局のところ、色んな矛盾する利害関係や感情や理念のせめぎあいの均衡点が現在の状況である。「お前が個人的に助けろ」と「殺せ」の二択ではない。この現在の均衡点をもっと非情側に移動せよという話は分からなくはない。しかし「殺せ」は明確に頭がおかしい。
なぜそこそこ頭の良い人がこういう明確に頭がおかしいことを言うようになるのかというと、簡単な話で「議論に負けないから」に過ぎない。ではそもそも頭が良いというのが間違いだったということになるが、だいたい世間では議論に勝つ人を頭が良いと言うのでこういうことになるわけだ。極端な意見は論理的に一貫するから頭が悪くても守備が簡単で、後は相手の一貫していない部分の攻撃だけしていれば良い。
この小説でも利己主義が絶対善で利他主義や慈善は絶対悪という思想を提唱しているが、残念ながらこの本は哲学書ではなく小説なので、完全に利己主義を貫徹しようとすると、思想は首尾一貫するがその分だけ現実に適用するのに無理が生じる。で、一々登場人物が「これは利他主義ではなくこれこれの理由で利己的な行動で」と言い訳しないといけなくなる。特に、この小説には子供が全く出てこないが、出てきていたらもっと無茶苦茶になるだろう。
しかし、一々こんな初歩的な話をしていてもキリがない。思想がどうこういう点については、この本に影響を受けたとか言っている人間は基本的に信用できないというだけで十分だ。この小説の問題点は他に二つある。一つは、ヒーロー側には科学力があることになっているが、謎の分子構造を持つ金属とか未知の周波数の電波とか静電気を動力にするとか、とにかくアホ過ぎる。この著者の思想では科学技術が非常に重視されているが、著者自身がこれでは説得力がないだろう。
もう一つのほうは深刻で、主人公は女副社長だが、他の登場人物はほぼ男だ。で、この副社長が同じ思想を持つヒーロー側の男とやたらセックスをする。さらにその男同士が彼女を巡って嫉妬、というだけでなく、男同士で同性愛がにおわされていて、ハーレクイン小説と言うとハーレクインに失礼かもしれない。本人の見解では有能で高尚な思想を持つ男に欲情するのは当然であって、それを理由に不倫相手の家族とかが罪責感とかを負わせようとするのは見下げ果てたものだということらしい。思想は別にしても、個人的に生理的にかなりキモい。
別にネタバレしてもいいと思うが、最後は普通に主人公が人を撃ち殺したりしているし(無能な人間には生存権がないので問題ない)、ちょっとこの本を賞賛している人が何を考えているのか理解できない。長い小説だが、世の中にはこんな本もあるんだということで。わたしはヒマなので読んだが、ちと長すぎる。
A long crazy novel.
NAL (2007/2/1)
言語:英語
ISBN-13 : 978-0141188935
目次:1.トロイア戦争 2.文字証拠を調査する 3.考古学的証拠を調査する
トロイア戦争については西洋人と日本人ではテンションが違うところがあり、わたしは古典ギリシア語を勉強していた過去があり、未だにイーリアスの冒頭を暗唱できるようなことで、一般論としてどれくらいお勧めできるのか分からないが、この主題については必読書と言える。最初に「イーリアス」「オデュセイアー」を中心に文字証拠が要約提示される。この要約でも本書の理解には十分ではあるが、実際にはこの本を読もうというような人種は少なくともこの二つの叙事詩は既に読んでいるものと思われる。ただ、他にも「叙事詩の環」なども全部追っている人は少ないかもしれない。さらに歴史的証拠も検討される。トロイア戦争を記録しているのはギリシア人だけでなく、ヒッタイト人も記録しており、当時の世界情勢などが分かりやすく述べられる。最後には発掘されたトロイアな証拠が検討されるがなかなか難しいようだ。単に「ギリシア神話が好き」くらいでは少ししんどい本かもしれない(単なる神話でもないし)が、ちょっとでも踏み込む人には避けられない本だ。
μῆνιν ἄειδε θεὰ Πηληϊάδεω Ἀχιλῆος οὐλομένην.
Oxford Univ Pr (2013/5/10)
言語:英語
ISBN-13 : 978-0199760275
目次:1.情報革命 2.情報の言語 3.数学的情報 4.意味論的情報 5.物理学的情報 6.生物学的情報 7.経済学的情報 8.情報の倫理
色んな領域(学問分野)を情報という観点から見たような本で、正直に言うとわたしには初歩的過ぎる。対象は大学一年生くらいだろうか。情報科学…という分野が今時どれくらい人気学科なのか分からないが、そういう志向のある人は読んでおいたほうが良いかもしれない。なんでも、この著者はその筋の大家らしくてこの本も基本書みたいだし。
というわけで、無責任だが多分必読書なんだろうな…みたいな感じ。
This book is supposed to be a must-read, though, I am not so impressed.
Oxford Univ Pr(2010/3/26)
言語:英語
ISBN-13:978-0199551378
目次:1.どのように動物は行動するのか(そしてなぜ) 2.感じることと反応すること 3.どのように行動は発展するか 4.学習と動物の文化 5.生存のための信号 6.勝つ戦略 7.群衆の知恵 8.行動を応用すること
動物行動学の入門書ということになるが、実際には動物ドキュメンタリーの書籍版として読まれるのがほとんどだろう。事例が豊富に載っているが、ネットで調べれば適当な動画やNational Geographicsの記事がヒットする。そういうわけで誰が読んでも面白く、多分驚くような知らない事実にもぶつかるだろうし、実際評判もいいようだ。わたしはというと、公園のスズメを手乗りスズメにしてしまう程度ではあるが、別に動物行動自体にそこまで興味がない。この本でも動物に「心の理論」があるかどうかとか考えている部分があるが、もしかすると人間も含めて動物の行動なんてもっと簡単に説明がつくのではないかと疑っている。それはさておき、中学生くらいでも面白く読めるかもしれない。
There are lots of animal documentaries on the web, and this book can be read as one of them, only in the book format. Really interesting.
Oxford Univ Pr (2017/5/1)
言語:英語
ISBN-13:978-0198712152
目次:1.神は存在するのか 2.なぜ神を信じるのか 3.アブラハムの宗教‐ユダヤ教の神の理解 4.アブラハムの宗教‐キリスト教の神の理解 5.アブラハムの宗教‐イスラム教の神の理解 6.インドの宗教 7.神を知ることと知らないことについて
筆者は多分キリスト教徒だと思うが、目次にある通りの漠然としたエッセイという感じで、たまにVSIにある「大家の詠嘆」みたいなパターンだ。「神の存在論的証明」とか「神の生理的根拠」みたいなハードな話はない。かつ、本体の大部分は「アブラハムの宗教」なので、一般日本人には縁遠いかもしれない。やたら疑問が提示されるが、基本的には答はない。あと、ちょくちょく現代物理学に言及してくるのが、なんかイヤな感じなんですけど…。とはいうものの、世界人口のかなりの部分がアブラハムの宗教の信者なんで、この本で風景くらい見ておいてもいいかもしれない。哲学とかいっても元は神学ですし。実際にはそこまで深く考えている信者も少ないとは思うけど。
A brief essay on the religions of Abraham.
Oxford Univ Pr(2014/11/1)
言語:英語
ISBN-13 : 978-0198708957
目次:1.当時のクラウゼヴィッツ 2.戦争の理論と実践 3.戦争の目的と手段 4.制限戦争と絶対戦争 5.クラウゼヴィッツの遺産
最初にクラウゼヴィッツの伝記と最後にクラウゼヴィッツの後世への影響が語られているが、本質的には「戦争論」の解説。従ってクラウゼヴィッツ「戦争論」に興味のない人には用のない本ではある。ただ、わたしは「戦争論」が好きで(そもそも軍事好き)、その延長でVSIということで読んでいる。で、別に真剣に軍事戦略を考えるとかではなく、ただの趣味ということで言えば、まず「戦争論」自体を読むことを考えるべきだろう。岩波文庫で三巻もあるから躊躇われるのかもしれないが、わたしは退屈しなかった。もちろん、本当に軍事戦略や国際政治学の勉強をするのならこのVSIも読むべきだし、趣味で読んでも面白い。あと、クラウゼヴィッツの生涯も「戦争論」もかなりの部分がナポレオン戦争によって占められており、ナポレオン戦争の解説としてVSIのThe Napoleonic Warsも悪くないが、トルストイの「戦争と平和」を推奨したい。こちらは岩波文庫で6巻もあるが、これも大部なわりに退屈な部分があった気がしない。トルストイの短編はあんまり感心しないけど長編は「アンナ・カレーニナ」も面白い。もはやクラウゼヴィッツとは何の関係もないが…。
Enjoyable, even to a layman like me.
OUP Oxford(2002/2/21)
言語:英語
目次:1.福祉国家とは何か 2.福祉国家以前 3.福祉国家の誕生 4.福祉国家1.0 5.変種 6.問題 7.新自由主義とWS2.0 8.ポスト産業社会への転換:WS3.0へ 9.不可欠の福祉国家
救貧法がどうとかいうところからの福祉国家の変遷。もちろん最新流行は新自由主義叩きで本書もそのあたりは踏まえてはいるが、現実の財政を無視するような話でもなく、あくまで現実的に考えているところは好感が持てる…いや好感とかそういう問題でもないような気がするが、この辺りは思想の問題なのでなんとも言えない。個人的に現在バカみたいな保守主義小説を読んでいるところだったので実に心が安らぐ。具体的な制度よりは福祉国家への考え方がメインだが、思想というほど抽象的な話でもない。実際の福祉の経済効果などの数値も欲しいところだが、とにかく自由経済を維持しつつ福祉もその不可欠の一部としてやっていくしかないわけで…。というような福祉国家の基礎知識としては必読書だろう。
An indispensable reading about the welfare state.
Oxford Univ Pr (2016/6/1)
言語:英語
ISBN-13:978-0199672660
目次:1.ペスト 2.天然痘 3.マラリア 4.コレラ 5.結核 6.インフルエンザ 7.HIV/AIDS
世界史レベルのパンデミックの歴史だが、基本的に公衆衛生行政の歴史みたいな方向性。個人的には似たような本を色々読んでいるので、個々の疫病についてはまあまあ知っているが、知らない人には疫病の世界史の入門になるだろう。だいたい疫学というのがそんなに流行らない昨今だったが、今回のCOVID-19はいずれこの本の改訂版に載る案件であり、これを機に読んでいる人も多そうだ。実はわたしは今頃二回目のワクチン接種を受けてムダに発熱してダルい昼下がりだが、今後もこんなことは続くのだろう。世界史の視野で見ればまた気分も違ってくる。
A nice eerie reading especially around these days....
Oxford Univ Pr(2016/12/1)
言語:英語
ISBN-13 : 978-0199340071
目次:1.魂と種と身贔屓2500BC-AD400 2.中世世界の性と種と罪 3.近代初期の遺伝1450-1700 4.啓蒙時代の遺伝 5.19世紀の遺伝 6.分子と人類 7.新しい地平 8.進歩と可能性
一応医学史ということになるが、主に科学というより社会との関連が解説されている。筆者によれば1800年以前に遺伝について考えられたことはほぼすべて間違っているが、その分もしっかり書いているので、この本の前半では遺伝に関する荒唐無稽な説を延々と読まされることになる。遺伝のメカニズムそのものに興味がある人にはお勧めできない。どっちかというと遺伝の社会史みたいに思ったほうが良いし、まだまだ開拓の余地のある世界のように見える。
A social history around heredity.
Oxford Univ Pr(2017/10/24)
言語: 英語
ISBN-13 : 978-0198790457
目次:1.多くの住居を持つ家 2.リベラルの物語 3.リベラリズムの層 4.リベラリズムの形態学 5.リベラルの有名人 6.哲学的リベラリズム-正義の理想化 6.盗用・中傷・退廃
政治思想に関する本は大抵書きぶりが面倒くさく、この本も例外ではないとは言えるが、かなりマシなほうかと思う。現実の現行の政治と関係し過ぎるせいもあるけど、本質的に入り組んでいるのだろう。自由主義と資本主義がどう関係するのかとか、自由主義と民主主義に必然的な関係があるのかとか、ちょっと考えただけで面倒くさい。こういう概念の整理に価値がないと言い切ってしまいたくもなるが、整理できないまでも考えたほうがいいのだろう。著者の信念が強く反映されるのは止むをえないが、それでも常識的とされている話からそんなにずれている気もしない。この類の話の整理の仕方として一番良いのは歴史的事件と思想の発展史の対応を理解することで、というか、それ以外の方法があるような気もせず、この本もその方向でしっかり書かれている。例えばchapter3は圧政からの自由→自由な経済活動→自己表現→社会調和→多様性みたいな整理で、この時点で随分分かりやすいような気もする。現代に近いところほど著者の個人的見解が強く感じられ、例えばいわゆるネオリベラリズムは仲間にすら入れてもらえないような感じだが、それでもリベラリズムを名乗るのは価値のあることなんだろう。名乗るのならこの本みたいな入門書くらい読んでおくべきなのかもしれない。
Relatively easy to comprehend, among many books on this topic.
Oxford Univ Pr (2015/8/1)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-0199670437
目次:1.犯罪学の導入 2.犯罪とは何か 3.誰が犯罪を犯すのか 4.犯罪をどのように測定するのか 5.犯罪の最近の傾向を理解する 6.犯罪の減少を理解する 7.犯罪をどのようにコントロールするのか 8.どのように犯罪を防ぐのか 9.犯罪学の未来
目次からも分かるように基本的には主に社会学と刑事政策の範疇にある犯罪学で、犯罪捜査や司法の話ではない。あまり期待していなかったがかなり面白かった。個人的に昔、犯罪学は色々調べたことがあり、統計が信用できないだの立法過程や司法機関のほうが問題だのと非生産的なことばかり言っている気がしていたが、どうも時代も変わったらしい。本書にもあるように統計を疑うのは賢明なことだが、非常に重要な情報であることには変わりない。例えば、どんな状況のどんな国でも十代後半に犯罪率のピークが来るのは確からしい。戦後犯罪率が上がり続けるが1990年頃にピークを迎えてその後減るという謎現象も確かにあるようだ(Chapter 6)。生物学的・遺伝的原因も昔のように全面却下されていない(無鉛ガソリンの影響の可能性すら言及されている)。不確かな情報からでも、実際に有効な行政手段も生まれているらしい。もちろんVSIなので入門でしかなく、わたしとしては物足りないところもあるが、学問が進歩しているのは認識させられた。これを読んでさらに犯罪学を究めようという人は少ないかも知れないが、社会を見る一つの視点を得る意味で誰が読んでも損がないのではないかと思う。
I have read numerous books on this topic from decades ago. Still, I think this book is the best.
Oxford Univ Pr(2018/6/26)
言語:英語
ISBN-13 : 978-0199643257
Diary of a Wimpy KidのスピンオフでGregの親友のRowleyが書いた体の三冊目。多分日本語に訳されていない。これまでと違い、わりと短めのたわいもない話が何編か収録されている。設定は吸血鬼だのミイラだのとホラーではあるが、基本的にユーモア。Gregは最後だけ出てくる。読むのに半日もかからない。英語学習中の中学生くらいでも読めるのではないかと思うがどうだろうか。大人が読んでもまあまあ面白いのがこのシリーズだ。内容的にはハロウィンに最適だが、出版年月を考えると、別にそれは出版社の意図ではなく、単にわたしが放置していたせいらしい。Sidekickは翻訳しても売れないのかねえ。
FYI: The Japanese paper says "Mummy destroys Tokyo".
出版社:Harry N. Abrams (2021/3/16)
言語:英語
ISBN-13:978-1419756979