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2019年10月15日火曜日

A. J. Gillam "Simple Checkmates" [簡単なチェックメイト]

簡単な1mover(1手詰め)と2mover(3手詰め)が400問以上載っている。一ページに二問、答はページ下。いわゆるproblemではなく、一応実戦形で、答も一通りとは限らない。あと、これはproblemと同じく、ムダな合い駒も一手に数えられるし、2moverでは一手目はチェックである必要がない。パズル好きというよりは、チェスを強くなりたい人のために書かれているが、別に誰が読んでも退屈しない。チェスで言えば、一通りルールを把握した人が次に取り組むくらいの本だ。チェスを学ぶには、openingとかmiddle gameより第一にcheckmateのパターンを学ぶべきで、実際、二冊目として最善かもしれない。多分英語を読める必要すらない。

というわけで、わたしには少し易し過ぎ、チェックメイトだけなら10秒以内に答えられる問題がほとんどだが、とはいえ400問以上あるし、何より答が複数あるから、台風の間、そこそこヒマつぶしになった。

It was a great book for the time of the evacuation due to the typhoon "Haggis".

Ballantine Books (1996/4/30)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0345403070

2017年1月24日火曜日

Stéphane Escafre " 1064 exercices pour bien débuter aux échecs" [チェスを始めるための1064問]

目次:1.ゲームの規則 2.チェックメイト 3.チェックメイトの方式 4.戦術兵器 5.序盤 6.終盤 7.チェックメイトの攻撃 8.訓練 9.チャンピオンのように指してください 10. 面白い九つの練習

チェスの最善の入門書は"Bobby Fischer teaches chess"だし、ルールを知らない人がこの本から始めるのはあまりお勧めしないが、二冊目くらいにちょうどいいかもしれない。最初の内はルールを説明しているが、最終的には3手メイトとかが普通になってくる。人によってはチェス盤を用意する必要が出てくるかもしれないが、わたしは全部頭の中で解けた。いくつか誤りもあったが、致命的ではない。それよりも印刷の見易さが勝っている。フランス語だが、仮にフランス語が全く読めない人が読んでも、棋譜さえ読めば、たいてい理解できそうだ。

わたしの理解では、チェスにはstructure[戦型]とcombination[読み]の二つの面があるが、この本は大半が後者の面に関するもので、これもFischer本と共通だ。そもそもどんな攻撃やチェックメイトがあるのか分からなければ危険な形も強い形も分からないし、妥当なところだろう。この点、日本語のチェスの本はやたらマニアックなオープニングの研究書ばかりのイメージがあり、強くなりたければ、あるいは楽しみたければ、洋書を読むのは避けられないだろう。日本で一向にチェスが普及しない原因はもちろんあれこれあるわけだが、一つには、こういう優れた書籍が全く翻訳されないことにある。幸いにして日本では、チェスはムダにお洒落なイメージを持たれており、潜在的な需要は大きい。この本はフランスチェス連盟推薦書であり、幾つかの誤りを訂正しつつ翻訳すれば、チェスを指さない人でも将棋ファンには受けるだろうし、学校などを考えれば短期に一万部は行くだろうし、長く売れると思うんだがなあ。本当に、翻訳したい本の一つだ。

Le meilleur livre, pour lire après le Bobby Fischer.

Olibris (2001/1/5)
言語: フランス語
ISBN-13: 978-2916340500

Bobby Fischer, Stuart Margulies, Donn Mosenfelder "Bobby Fischer Teaches Chess" [ボビー・フィッシャーがチェスを教える]

この重要な本を紹介していなかった。説明不要でチェスの最善の入門書であり、これはわたしの個人的な意見ではなく、チェス界の総意に近いだろう。これ以上説明が必要とは思えない。

THE best introductory chess book. A must read for beginners. Period.

Ishi Press (2010/2/4)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0923891602

2013年2月28日木曜日

Courtney Cooke, Bruce Lansky "Conversation Starters: 52 Personal Questions to Help You Get to Know Each Other"

Meadowbrook (2004/6/22)
ISBN-13: 978-0684019239

これは本ではなく、52枚のトランプみたいなカードだ。片面に会話の切っ掛けになるような当たり障りのない質問が書いてある。欧米の上流階級は家族の会話というものを大切にするから、家族や親戚の集まりで使ったりするらしい。わたしにはちょっと想像のつかない世界観だが。三つだけランダムに選ぶと

  • What's the luckiest thing that ever happened to you?
  • What's the most romantic movie you've ever seen? What was the most romantic moment in the movie?
  • What do you think your main accomplishment in life will be?

これに限らず、英語圏には"Conversation Starter"というタイトルの本は多く、模範会話例までついていたりするようだ。一方、日本語圏ではほとんど見ないような気がする。アメリカ人やイギリス人がやたら話が上手いのは、一つにはこういうので普段から訓練されているからなのだろう。そして、もしかすると日本人もこういうので訓練するべきなのかもしれない。もちろん、全部英語だから、英会話の訓練にも使えるだろう。

実はわたしは一度だけこれを実用したことがあるが、どうも上手くいかなかった。少なくとも持ち出す側は、事前に予習しておいたほうが良いかもしれない。むしろ、子供の集まりとかのほうが有効かもしれない。もちろん英語ができるのが前提だが。多少、ゲーム感もあるし、日本でもこういう企画をすれば、そこそこ売れるんじゃないかな。

I guess this product is great for those who have conversation skills. For me, it did not work. Believe me, but it is not my English ability. It is just that I am plainly boring.

2013年1月7日月曜日

Madoka Kitao, Tomohide Kawasaki "Joski at a Glance (Glance Shogi Series)

ISBN 9784905225010

英語の将棋の本は珍しいので買ってしまったが、「将棋・ひと目の定跡」の英訳らしい。なぜ日英で著者表示が違うのか謎だが・・・。まあルールを把握している初心者向け。クイズ形式で200問、一応ほぼすべての戦型から出ている。

A brief overview of shogi openings. At least you must be familiar with basic shogi rules. To my knowledge this is the best book on shogi openings available in English.

2012年2月8日水曜日

Ray Young, Sally Brock "Bridge for People Who Don't Know One Card from Another"

この本の良し悪しは分からない。わたしはブリッジの他の本を読んだことがないし、最も良心的そうな薄い本を選んだだけであった。本書はトランプには四つのスーツがあります、くらいから説明している。日本語では適当な本が入手しにくい。とりあえずプレイを始めるには十分と言えよう・・・。戦術にのめりこむとキリがないのは、麻雀と同じだ。

実はブリッジは、プレイのルール自体は全く難しくない。本書では、わりと早目に"Mini-Bridge"を紹介していて、これは切札の決め方や点数等を除けば、ブリッジと何も変わらない。習得するのに十分程度で済む。本によっては"Whist"を紹介していることもあるようだ。どっちにしろ、「ナポレオン」なんかより易しい。

オークションのルールも全く難しくない。点数は少し複雑だが、点数表があれば問題ない。大抵のデッキには、カードの一枚としてブリッジの得点表が入っている。何も知らない四人が集まって、ルールだけ覚えてプレイしても、ゲームは成立するし、そこそこ楽しいんじゃないかと思う。

難しくなるのは、敵味方の持札を推測しようとするからなのだ。オークションの経緯やカードの出し方によって持札が推測できるのは当然だが、味方に自分の持札を推測させるという面もあり、慣習に則ってオークションやプレイをしないと、味方まで混乱させる。これが面倒臭い。こういう慣習には一々合理的な理由があるが、初心者はひとまず丸覚えするしかない。

味方同士なんだから、手札を見せ合ってゆっくり検討すればいいんじゃないかと思うが、そういうことになっていないらしい。たとえば、プレイ中に味方に「スペードのエース持ってる?」とか訊いても良さそうだが、多分反則なんだろう。しかし、麻雀と同じで、いくらでも脱法手段がありそうなものだ。

で、慣習を丸覚えしたとして、次に、カードゲーム自体の難しさがある。ブリッジに限ったことではないが、カードゲームでは、それまでに誰がどのカードを出したかを覚えているのが決定的に重要だ。ブリッジでは、オークションの経緯も覚えている必要がある。別に覚えていなくてもプレイはできるが、強くなりたければ、これは最低条件と言える。麻雀のように捨牌を表示しておく習慣がないらしい。この条件をクリアした上で、初めて戦略がどうのこうのと言えるようになる。

そして、最後の難関が、「以上の条件をクリアしたヒマな四人を集める」ということになる。生きている間に生身の人間とブリッジをプレイするのは、ほぼ絶望的かもしれない。麻雀と同じで賭博が付き物のようだが、味方に殺意を抱く可能性がある分、性質が悪い。

An introduction to contract bridge. I do not know if this book is a great book because I have not read other bridge books. But I guess bridge is not a difficult game if you only want to understand the basic rules and some basic strategies. And this book suffice for a beginner.

2012年1月20日金曜日

Chris Bray "Backgammon For Dummies"

この本の解説をする前に「バックギャモン」の何たるかを説明せねばならぬ。

「バックギャモン」は数千年の歴史を持つとか言っているが、要は双六で、日本では奈良時代から遊ばれていた。囲碁並みに単純なゲームだから、ルールがそんなに違ったはずがない。おそらく、「枕草子」や「徒然草」に出てくる「双六」と、今の「バックギャモン」に大した違いはないと思われる。当時からそんな描写があるが、なかなか熱い深遠なゲームだ。

ルールを覚えるだけなら、どうせ単純なものだし、無料で落ちているソフトを適当にプレイしていれば大体分かる。ついでにGNU Backgammonなどはゲームを解析してくれる。とは言え、ある程度本気で解析結果を理解するには、一冊くらい何か読んで考え方を理解する必要がある。この辺りはオセロに似ているが、オセロではコンピュータの手が人間の理解を越えているのに対し、バックギャモンは一応理解可能だ。

というわけで、この古式ゆかしい伝統遊戯を習得したいと考えると、日本語の本では日本バックギャモン協会編『バックギャモン・ブック』しかない。しかし、残念ながら、『バックギャモン・ブック』は読みやすいとは言えず、バックギャモンの普及に貢献しているというよりは、妨害している気がする。さらに、amazon.co.jpに、あからさまに不自然なキモいレビューが多い。仮に内容が素晴らしかったとしても、この点については、こだわらざるを得ないであろう。

チェスでもそうだけど、どのみち、日本語の解説はカタカナばかりで読みにくい。さらに、こういうマイナーゲームは、日本語圏では村社会の空気で気後れがする。最初から洋書を読むべきだが、とりあえずこの本は無難なところだろう。定評があるし、読みやすいし、勉強になった。一つ文句があるとしたら、ダブリングの説明は後回しにしたほうが良かった。ダブリングは1920年代に発明されたもので、それ以前の数千年は、そんなのなしでも、世界中で禁止令が出るほど楽しまれていた。さんざん遊んでから、ダブリングを学んでも遅くない。ダブリングの導入によって、途端に戦略上の計算が面倒になる。不合理な点がないので、麻雀の点数計算とは比較にならないほど簡単だが、囲碁程度には面倒だ。さらにトーナメントになると更に難しくなるが、幸いにしてこの件は最後に回されている。ていうか、ボードゲームの常で、いくら考えても切りがない。

この本を読んだだけでバックギャモンの達人になるわけではないが、少なくとも、「単にルールを知っている」程度の人に負けることは、ほとんどなくなるだろう。サイコロがあるので、絶対というわけにはいかないが・・・。たとえば、オセロで同じような本を一冊読めば、初心者にはほぼ絶対に負けないと思われるが、そこまでの差にはならない。しかし、麻雀よりは率がいいはずだ。ルールも単純だし、小学生くらいから余裕で始められる。だいたい、こういうのは子どものうちに覚えてしまうのがよろしく、小学校の先生などは、算数の勉強にもなるので、是非習得して指導されたい。

Nice book, though I never read another book on backgammon. Now I can play against GNU backgammon in my spare time. I would prefer if the explanation on "doubling" were put in the last part, because backgammon is fascinating even if there were no doubling cube.


2011年5月14日土曜日

T. E. Klemm "100 Chess Problems for the Rest of Us"

This book is for Kindle only. Fairly elementary problems. It is neither for very advanced players nor for novice players. The author says "the rest of us" accounts for 80% of all the chess players. It uses a lot of diagrams of chess board and explains almost move by move.

I have not played chess more than 100 times in my life, so this book would not be for me if I were not a very experienced shogi (Japanese chess) player. I usually enjoy more-than-five-movers of shogi. And I solved half of the problems here in first 30 seconds. Very interesting and it helped me getting accustomed to movements of the chess pieces.

By the way, Problem 67 looks funny for me. The author proposes skewering the opponent's king and queen, but the situation seems to me just a simple two move mate. I wonder if there is a rule that prevents this obvious checkmate.

残念ながらこれはKindle Editionしかない。将棋で言うところの「次の一手」で、正直なところ、わたしには易し過ぎるけど、チェスの動きに慣れるという意味では良かった。半分以上が一目で解ける。まあ、将棋の経験がなくても、チェス入門書の傑作"Bobby Fischer Teaches Chess"を読み終わったら、直ぐにこれを読めるだろう。もちろん、わたしのように、「将棋の経験はあるけどチェスはルールくらいしか知らない」、という人も楽しめる。

余談だけど、これからチェスを学ぼうとする人には"Bobby Fischer Teaches Chess"が一番いいと思う。日本語訳も出ているんだろうけど、所詮チェスの話なんで、英語も易しい。というか、チェスに強くなりたければ英語は避けられない。あるいは、チェスを通じて英語を学ぶという考え方もアリだ。