2010年1月21日木曜日

The Everything Learning German Book (2nd ed.)

わたしは第一外国語がドイツ語だったし、院試もドイツ語で通った。だから、ドイツ語を復習するにしても、この本は簡単過ぎたんだけど、なんだかんだで、しっかり全部読んだ。

まず、これは英語圏で最も売れているドイツ語入門書だろうし、評判に誤りはない。本当の初歩から、接続法まで、必要事項は一通り解説している。しかも、わたしはこれ以上易しい入門書は、少なくとも日本語では見たことが無い。もちろん、英語とドイツ語の文法が、それだけ酷似しているということがある。フランス語は、単語レベルでは英語と似ているが、文法に関しては、英語に最も近い言語はドイツ語だ。ていうか、もともと英語はドイツ語だったのに、その上にフランス語の語彙が載ったようなわけで、基本は何も変わっていない。この辺りの事情も本書に軽く解説されている。

他の本も少しみたけど、英語が読めるという前提で、ドイツ語を初歩から学びたいということなら、本書が最もお勧めだ。日本語で勉強するより、ずっと楽だし。もちろん、本当にドイツ語を使えるようになるには、読み終わった後、別に問題集とか本格的な本に取り組む必要があるけど。CDも付いているけど、わたしはあまり聴かなかった。もともとドイツ語の発音がそんなに難しくないせいだけど、本当の初心者は聴きながら読んだほうがいい。

2010年1月10日日曜日

How to Start a Conversation and Make Friends

これは日本人の英語学習者が全員読むべき英会話本である。

基本的にはアメリカのビジネスマン向けの本だけど、日本人の英語学習者も、この本を読む程度の英語力があれば、直ちに読むべきである。この本の対象読者には、外国人の英語学習者も含まれていると書いてある。

この本が優れているのは、読み始めて直ぐに分かる。まず、最初に解説されているのは、知らない人ばかりの立食パーティーのような状況だ。こういうのは、「コネを作る」という趣旨で開催されるが、多くの日本人にとって、居心地悪いものではないだろうか。アメリカ人はわりと平気な顔をしているように見えるが、この本を読めば分かるように、彼らにとっても勇気のいることらしい。こういう時に、ドギマギしてしまう人のためにこそ、この本は書かれている。もちろん、有用な英語フレーズも満載だ。

第一章は、そんなことを含めた、会話の始め方で、ここだけでも価値がある。続く章では、会話の続け方、深め方、面倒な相手の取り扱いなどが解説されていく。我々にとっては、外国人との会話の仕方という箇所も非常に重要で、読み応えがある。携帯電話とかe-mailとかも、結構重要なことが書かれている。

この手の本にありがちな精神論は、ほとんどない。もちろん、自分の会話スタイルの欠点を認識することは重要だが、この本によると、そういう欠点は特に深刻な心理学的問題の表れというより、単なるクセだから気をつけて直しましょうと。自己啓発書嫌いの人でも問題ないと思う。そして何より、英会話に役立つ。本当は日本人が学ばないといけない英会話は、こういうことなのだ。

2010年1月4日月曜日

Congressional Procedures and the Policy Process

わたしが持っているのは7th ed.だけど、通読した上に頻繁に参照するからボロくなってしまった。この最新8th ed.もmust buyだ。米国議会の立法過程をリアルに解説しているため、ロビイストや議会関係者の間では必携書とされている。もちろん、純粋に政治学の勉強をしている人にとっても、必読書と言えるだろう。これ以上詳しい情報となると、もう現場の議員やスタッフに尋ねるしかないのではないか。しかも、彼らにしても、やはりこの本を読んで勉強しているのだ。

International Judicial Institutions (Routledge Global Institutitons)

国際司法の歴史だけど、実質はほとんどが戦争裁判で、「平和と人道に対する罪」の話がほとんど。日本人としては、こういうことだと、すぐに東京裁判を思い浮かべ、「どうせ」みたいな気分になるけど、著者たちは徹底して訴追する立場で、国際司法の発展に尽力しているようだ。確かに「戦争だから何やっても仕方がないんだよ」みたいな暴論には賛成できないが、著者たちの情熱にも、ついていけないような正義感を感じる。しかし、こういう情熱がないと人類も進歩しないんだろう。色々な裁判を具体的に追っているので、現代史の勉強にもなる。

The International Olympic Committee and the Olympic System (Routledge Global Institutions)

国際オリンピック委員会の概説だけど、それだけでなく、様々な関連団体(各スポーツの国際団体や各国内のオリンピック委員会など)も解説していて、国際的なスポーツビジネス全般の解説書になっている。これを読んでいないスポーツジャーナリストなんてあり得ないんじゃないかと思う。読んでいて驚くような発見も多い。名著だ。

The International Organization for Standardization (ISO) (Routledge Global Institutions)

本書でも触れられているけど、日本企業は、概して「お客様の要望に合わせて物を作る」ことを良しとしており、自ら規格を作って客に押し付けようという発想が薄い。最近になって、ようやく日本でも標準規格を作ることの重要性が認識されてきたけど、ひとまず、こういう本から勉強したらどうだろうか。



The Organization for Security and Co-operation in Europe (Routledge Global Institutions)

OSCEという機関は、欧米でも知名度が高いとは言えず、NATOかEUの下部機関と思われてるんじゃないだろうか。実際にはロシアからアメリカまでほぼ全ヨーロッパをカバーする組織であり、しかも歴史もずっと古い。そして現実に重要な活動を行なっていて、その辺りは本書を読んで発見していただきたい。特に東欧・中央アジアの紛争地帯での活動実績が多数地図入りで解説されていて、その辺りの世界地理・国際情勢の勉強にもなる。類書もなく、お勧めの一冊だ。

The World Bank (Routledge Global Institutions)

世界銀行というと、一般的にはあんまり良い評判がないような気がするけど、反グローバリズム団体が書くような本と比較すると、この本ははっきり世銀を擁護する側だと言えるだろう。正直なところ、決して公平な本とは思えなかった。しかし、批判する側の本はもっと不公平なことが多い。

The World Intellectual Property Organization (Routledge Global Institutions)

WIPOというと、TRIPs以降、単なる国際特許事務所くらいにしか思われていないけど、筆者はそうではないと主張している。そうなんだろうとは思うけど、この本の価値は、とにかくWIPOの概要を解説していて、類書がない点にある。知らなくても実務上大して問題がないということもあるけど、知財関係の仕事をしている人は一応基礎教養として知っておくべきことが多い。

UN Security Council (Routledge Global Institutions)

安全保障理事会に関する最も標準的なテキスト。日本で国連というと、だいたい総会を基本に書かれることが多く、法的にはそれは間違いではないけど、現実に国連で最も重要なのは安保理だ。そして、国連は世界で最も正統性の高い機関である・・・。一頃の常任理事国入り問題の時にも、日本人が根本的に国連と安保理の重要性を分かっていなかった気がしている。日本語でも優れた解説書があるけど、そのうち二冊だけ紹介しておきたい。いずれも必読書であり、もしも英訳したら、世界中でテキストとして採用されるレベルだ。日本語で読めることに感謝。





The World Health Organization (Routledge Global Institutions)

伝染病対策があるので、医療関係は国際機関の歴史がわりと古い。そして各地域の機関を統合する形でWHOができたわけだけど、そういう基本から、現在のWHOの概要まで解説。この本自体は読みやすくて退屈もしないし良いんだけど、残念なのは、日本人議長の評判が非常に悪いのと、結局は製薬会社の国際カルテルみたいな印象を受けたこと。インフルエンザでは派手に宣伝しているけど、かつてHIV/AIDSでは、ほとんど手を打たず、世銀やユニセフなどに完全に遅れを取ったことなども描かれている。

Internet Governance (Routledge Global Institutions)

インターネットを誰がどのように管理して運営しているのか、ほとんど世間では知られていない。特に具体的な米国政府やITUのような団体との関連は、一般人には謎だろう。時折、ドメイン名問題や児童ポルノなどで問題になるけど、報道もしっかりできていないんじゃないだろうか。変遷もあるので、詳しいと自認する人も、一読する価値があると思う。

The European Union (Routledge Global Institutions)

EUの概説書で、類書は多いけど、迷うんなら、Routledgeブランドを選んでも良いんじゃないだろうか。読み物としても読みやすい。リスボン条約を受けて、いずれ版を改めることにはなると思うけど、この本に書いてることが無効になるわけでもない。

The North Atlantic Treaty Organization (Routledge Global Institutions)

NATO(北大西洋条約機構)を通して描く現代史のような感じで、読んでいて退屈しないし、最後の年表は資料性も高い。日本から見ると、完全に地球の反対側の話だけど、現実に地域紛争に対して実効性のある軍事力を持っている唯一の組織であり、日本にも重大な影響を及ぼす組織だ。

Transnational Organized Crime (Routledge Global Institutions)

表紙を見るとInterpolの解説書かと思うが、実際にはInterpolや類縁機関の解説は少ししかない。本書の主要テーマは、国際犯罪一般だ。だから、Routledgeのこのシリーズの中では、異例といえる。

著者は元々Interpoleなどで現場にいた人なので、挙げられている事例が一々リアルなのが魅力的(この言葉が適切かどうか分からないけど)。中国人やイタリア人に対しても、全く遠慮がない。全体的に暗いムードが漂うけど、これが現実なんだろう。時々衒学的な書き振りが気になったけど、読み物としても苦にならなかった。