Philosophy and Probability (Amazon.co.jp)
確率と哲学 (Amazon.co.jp)
目次: 1. 確率と相対頻度 2. 傾向と他の物理的確率 3. 主観的確率 4. 主観的と客観的確率 5. 古典的と論理的解釈 6. 最大エントロピー原理
時々このテーマの本を読むが、大筋では昔からあまり変わっていない気がする。この本については最後の章:最大エントロピー原理が述べられているのは大きいところだろうか。
わたしが適当にまとめると、客観派は頻度説が基本だが、頻度説では一度限りの事象に適用できないので傾向説に進化する。ただ、進化と言っても、propensityという新概念が導入されるのだから世界観が変わって色々論争になる。主観派というのは要するにベイズ派だが、信念の訂正などに特有の問題もあり、科学哲学の一般問題にも接続する。デュエムクワイン問題などが論じられているが、究極的にはヒュームの懐疑論まで行きついている。このあたり、面白い話ではあるが、わたしの見解では答が得られないのが約束されている。近年逆襲しているのが論理派で、これは古典的な「同様に確からしい」論をさらに洗練していく道である。ここで問題になるのは、何を基準に「同様に確からしい」と言うかだが、そこで最大エントロピー原理が持ち出される。ただ、適用範囲が狭すぎるというのが著者の考えだ。
この本、入門用としては少し分かりにくいかもしれない。多分、学部レベルの哲学の素養や数学の素養は必要だろう。一応補遺で色々解説されているが。あと、微妙な冗談が多いのは好みが分かれるだろう。個人的にはあまり初耳なことはなかった。復習みたいな感じだったが、改めてポパーみたいな「誠実であれば適切な解が見つかる」みたいな突っぱね方は好きになれない。ヒュームとかカルナップとかについて改めて色々考えることもあった。それにしても、なぜ原書と邦訳のタイトルで哲学と確率の順番が逆なのか謎である。
出版社 : Oxford Univ Pr
発売日 : 2013/7/24
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-0199661824
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