2019年6月19日水曜日

John Robertson "The Enlightenment: A Very Short Introduction" [啓蒙:非常に短い入門]

目次:1.啓蒙 2.宗教との関り 3.人間の境遇の改善 4.公衆を啓蒙すること 5.哲学と歴史の中の啓蒙

VSIにしては内容が重くて素人にはお勧めしかねるというような…。ある程度歴史と哲学の基礎知識がないと読めない。我々が歴史で習う啓蒙の時代というのは、要するに今の時代に通るような自然法の理論とか自然科学とかが確立されて、タイムスリップしたとしても、まあ何とか一応知的な話が通じるようになった時代みたいなことだろうと思う。その後世界に起こったことは、つまずきながらもカントとかハバマスとかが考えるような公共圏みたいな公正というか透明というかそういう単一の世界に進み続けているというような…。こういう話を脱構築するのは簡単だが、良くも悪くも何となく目指すべき社会の方向は共有されているのだろう。例えばの話、国家が特定の宗教を強要することを良いとは我々は思わないし、この前提を共有しない人間とは話にならないような気がしている。しかし、そういう話と関係のない、例えば江戸時代の日本が同時代の西欧に比べて野蛮だった気もしないし、どうもこの辺りがわたしの中で整理がついていない。こういう本を読むと、さらに何のことやらわからなくなる。現実的にはハバマスが考える線で生きていくしかないと思うが…。

At least, this book does not serve as an "introduction".

Oxford Univ Pr (2015/12/1)
英語
ISBN-13: 978-0199591787

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