2015年5月26日火曜日

François Gaudu "Les 100 mots du droit" [法律用語100選(クセジュ)]

法律100語というところだが、もちろんフランスの法律である。と言っても、日本の法律はもともとがフランスの法律の輸入品であり、日仏の事情の違いはあるものの、この本で解説されるような基本概念については、ほとんど違和感がない。きちんとフランス法を学ぶ気ならこんな本を読むより基本書をきちんと読むべきだが、もともと日本の法律にある程度詳しくて、フランスの基本的な法律用語を押さえておくくらいのつもりなら、ちょうどいい。ためしに短い一項目だけ訳してみた。文字通り訳すと読みにくいので若干意訳気味。
Meuble(動産)
フランス法ではsumma divisio、つまりすべての物体を分類するカテゴリーを確立することが好まれる。そういうわけで「すべての物体は動産または不動産である」。不動産は民法典によって厳密に定義されており、不動産でない物体はすべて動産である。従って、動産のカテゴリーに含まれる物には、共通の意味がない。たとえば、債権―人が給付を受ける権利―や「有価証券」―株、債券などがある。同様に、知的財産権―特許、商標、著作権・・・―も動産と考えられる。
動産と不動産の区別からくる規定の違いのため、今日では廃れたが、不動産のほうが動産より価値があるという考えが生まれる。また、概して不動産の売買は動産の売買よりも厳格な形式に従う。さらに、"lésion"、つまり実際の価値との比較で、合意された価格と実際の価値の相違が大きい場合、不動産の売買は無効になることがある。lésionは元の民法典の時代の表現では7/12、すなわち50%以上でなければならない。これに対して動産の売買では、lésionは無効の原因にはならない。
Je ne sais pas si les Françaises savent le fait, mais les droits japonais étaient essentiellement importés de la France. Ce livre aussi sert à savoir les droits japonais.
Puf (2010/10/17)
ISBN-13: 978-2130582946

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