2014年7月8日火曜日

Peter Atkins "Physical Chemistry: A Very Short Introduction"

物理化学、または計算化学の概説。タイトルが地味だが、なかなかエキサイティングな内容で、日本語で類書を見たことがないが、VSIの中でも名著と言える。これを翻訳すれば化学志望者が増えそうだ。関連分野として、熱力学、量子力学、生命科学、材料、電池、超電導、量子コンピュータ、ナノテクとか、他にも数えきれないくらいの分野が登場し、それらとの関連で物理化学の現状と今後の課題がどんどん示される。まさに化学の最先端というところ。なんとなく化学というと、もう終わっているような気もしていたが、とんでもないことで、無限のフロンティアが広がっている。特に近頃は計算量が増えているし、技術的にも原子単位でモノを作ったりするので、この先も何が起こるか分かったものではない。わたしとしては、最近、甲種危険物取扱者を取ったくらいのことで、化学に若干興味を持っている程度だが、予備知識としては高校程度の物理化学で十分だ。合わせて読みたいSupercondutivityThe Laws of Thermodynamicsと言ったところ。いずれも名著だ。三つとも翻訳すれば売れると思う。

A bland title, exciting contents. Really fascinating.

Oxford Univ Pr (2014/6/24)
ISBN-13: 978-0199689095

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