2014年1月30日木曜日

R. D. Laing "The Divided Self: An Existential Study in Sanity and Madness"

本棚から発掘した・・・。いわゆる「反精神医学」というもので、レインは実存主義哲学の精神分裂病への応用の代表と言える。結局、精神病の治療法としては全く効果がなかったようだが、わたしにとっては、後にも先にもこれほど衝撃を受けた本はない。哲学に深入りする切っ掛けになった忌むべき本である。以後、レインの書いたものは自伝に至るまでほぼ全部読んだし、ミンコフスキーだの木村敏だの読みまくったものだ。今となって思えば、レインの言っていることは誰にでもどの家庭でも多少はあることで、正気と病気の違いは、単にそこにどれだけ執着しているかだけの差でしかない。差が出る原因は遺伝なのか何なのかよく分からないが、実存的問題が精神病を起こすというわけではないようだ。まあそれはそれとして、実存哲学の入門書として悪くないだろう。実存哲学自体が既に滅亡しているんでアレだが・・・。

A good introduction to existentialism.

Penguin Books; Reprint版 (1965/8/30)
ISBN-13: 978-0140135374

0 件のコメント:

コメントを投稿