2010年12月17日金曜日

Toby Segaran, Colin Evans, Jamie Taylor "Programming Semantic Web"

オライリーという出版者とタイトルから想像される通り、セマンティックWebに関する、広範囲に渡る、具体的な概説書。翻訳もよくできているようだ。しかし、わたしはこの件について自分でコードを書く予定は今のところないし、ついでに、セマンティックWebに関してはもともと懐疑的なんで、その点を更に割り引かないといけない。

具体的なコードはPythonで書いてあるんだけど、わたしとしては、Prologのことが思い浮かんで仕方がない。特に日本はそうだけど、アメリカですら、冷戦期の大型計算機の成功体験が忘れられず、いまだに人工知能とかエキスパートシステムとか意思決定支援システムとか、それっぽいことを言えば予算を引っ張れるようなことではないかとかいうのが、わたしの懐疑の原点かもしれない。本書の中で人工知能はわざわざ否定されているけど、つまり、わざわざ断りを入れないといけないような世情なのであろう。実際にやっていることはPrologの頃とあまり変わっていない気がした。わたしの想像力のなさのせいかもしれないが、現に仕事でロクでもない開発例を何件も見ているんだから仕方ない。オントロジーとか言って哲学を引くのが流行りらしいけど、哲学者に失礼だろう。記号論はこんな雑な学問じゃない。

とはいえ、たとえば学術論文誌とか、そういう限られた世界では新展開が今後あるかも知れないという気もするので、一応こういう話は読んでおいて良かった。他にも入門書っぽい本はあるだろうけど、これが一番いいんじゃないかと思う。懐疑派であっても、読んで損したということにはならないと思う。



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