2024年3月5日火曜日

David Wade "Li: Dynamic Form in Nature" [理:自然の中の動的な形]

Li (Amazon.co.jp)

かなり面白くてすぐに読んでしまった本。まずタイトルは、英語話者でも中国語話者でも意味が分からないのは同じことかと思われる。著者がやたら中国哲学を参照するから、日本語話者のわたしが「理」なんだろうと推定しただけで、本書のどこにもこの漢字はない。内容は自然界にある様々な模様の図鑑。たとえばひび割れみたいな模様とか縞とか葉脈など。基本的には平面の模様だ。もっと色々ほしい気もするが、Wooden Booksのページ数の制約があるんだろう。

自然界にある形を数学的に考察するような本は日本語でもたまにあるが、あまり面白かったことがない。葉序がフィボナッチとか巻貝がアルキメデス螺旋でとか聞き飽きたような話で…。もちろんこの本はそんな話はすっ飛ばしている。関係ないけど、昔の数学の教科書には黄金比の図版があって、自然の写真の色んなところに無理やり黄金比を当てはめたりしていたが、あれは何だったのか。この本については、別に数学的な考察もなく、模様エッセイでしかないので、かえって視点が制約されていなくて良い。こういうのって、数学みたいな本より、デザイナー向けの本とかのほうが面白いのかもしれない。

Wooden Books (2007/4/3)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-1904263548

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