2023年7月14日金曜日

Philip N. Jefferson "Poverty: A Very Short Introduction" [貧困:非常に短い入門]

目次:1.導入 2.歴史 3.測定 4.生活 5.労働市場 6.分布と移動性 7.貧困と戦う 8.貧困はどこへ?

これは趣旨が分かりにくい本だった。VSIのこういう巨大過ぎるタイトルは①学部生向け学科案内②大家による学界近況雑感③素人にも分かる面白トピック集みたいな三種類くらいがあるが、これはそのどれでもない。強いて言えば、この先生の講義に出るならこれくらいのことは知っておけというような統一性のない散漫で広範な知識集というところか。授業の副読本として学生に買わせるのだろうか。しかし、考え方とかモデルとかが何も表示されない。どういう基準で選択したのか分からない、密度の低い事実が並べられているとしか思えない。こういうタイトルの本をわざわざ作るんだから、著者の政治的主張もあるはずだが、それをあまり言わないからますます読みにくい。政策提案ないし価値判断が明白にあって、それに向かって事実を記述していくスタイルなら、公平性は疑うにしてももっと読みやすくなるはずだが。

と思いながらも読んでて面白い事実もいくつかあったが、自然科学とか人文科学ならまめ知識として面白いというようなことだが、社会科学で孤立した事実だけ知っても全体情勢を反映しているかどうか不安過ぎる。他にも文句は色々あるが、もういいだろう。ちょっと不可解な本だった。

Sadly, I foound this book boring.

出版社:Oxford Univ P(2018/10/1)
言語:英語
ISBN-13: 978-0198716471

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