2017年2月8日水曜日

Pénélope Bagieu "Cadavre exquis" [たえなる屍]

タイトルはシュルレアリスム用語らしいが、内容との関係が分からない。主人公は22歳の女の子で、日本で言えば、キャンペーンガールというところだろうか。なかなか大変なお仕事だ。失業者の彼と同棲しているが、毎日詰まらなそうな感じである。ある日、とあるアパートでトイレを借りたところ、住人が孤独な有名作家で、彼といい感じになって彼に乗り換えることになる。そこに元妻とかいう編集者が現れて、ここまでは普通に有り得る話だが、この作家、実はかなりのわけあり人物で…。

わたしとしては、この作者の絵が好きだし、読んでいて楽しかったが、一般論としては、まず「なんやねんこの終わり方」という読後の感想だ。こういう佐村河内的なことが実際に可能かという話は別としよう。そして道徳的にどこうみたいな野暮なことは言わないことにしよう。それにしても、最後の終わり方は、流れ的に不自然過ぎて、わたしとしては付いていけない。特に主人公が突然別人になっており、伏線はあるものの、弱すぎる。変貌するならもう少し頁数が欲しかった。ただまあ、わたしが鈍いだけでこれで成り立っていると思う人もいるのかもしれないし、少なくとも大半は面白くて一気に読んでしまったから、お勧めできないわけではない。ただ、わたしなら、この作者ならジョゼフィーヌとかのが最初に読むには良いと思う。

Juste un seul problème: je ne comprends pas les transformations des deux héroïnes. Je ne suis pas assez délicat, comme notre écrivain peut-être?

Folio (27 octobre 2011)
Langue : Français
ISBN-13: 978-2070444953

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