2013年1月6日日曜日

Peter F. Drucker "The Daily Drucker"

これは「ドラッカー365の金言」という日本語訳もあるけど多分良くない。参考までに本文の冒頭を対照して見よう。

(原文)The proof of the sincerity and seriousness of a management is uncompromising emphasis on integrity of character. This, above all, has to be symbolized in management's "people" decisions.
(訳文)真摯さを絶対視して、はじめてマネジメントの真剣さが示される。それはまず人事に表れる。

この訳文で意味が分かる人がいるとは信じられない。しかし、実際には日本語訳を読んで感動している人もいるので勝手にすればいいと思うが・・・。

内容はというと、ドラッカーの名言集みたいなことで、ドラッカーの著作からの抜粋が、一日一つ、一年分収録されている。出版年も新しいし、多分、ドラッカーの言い分の概要を把握するには最善だろう。ドラッカーは特に日本で流行しており、従ってその有用性は非常に疑わしいが、翻訳のせいかもしれないし、何より流行っているのだから、一応この本くらい読んでおくのは悪い考えではない。毎日、リード文・抜粋・"Action point"の三部構成であり、言っていることは普通にそこらの経営者の言いそうなことばかりだが、それだけドラッカーが普及しているということかもしれない。

実際には、たいていの名言集がそうであるように、これも経営者が自分の考えをバックアップする名言を調達するのに使われているのだろう。だから、翻訳が上記のようなことでも構わないというか、曖昧なほど良いのかも知れない。そして、やはりたいていの名言集がそうであるように、互いに矛盾するようなこともあるから、ドラッカーを引用する奴に対してドラッカーで反撃することも可能だろう。まあこれだけ流行っているのだから、一冊この本くらい読んでも損ではなかったというような。

Drucker is very popular among people in management of Japanese companies, which casts a serious doubt over the usefulness of his writings. But at least he is very popular in Japan and I felt obliged to read at least one of his books and this book is it. I assume this book is a fairly good summary of his writings which are too voluminous to read all.

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