これも日本に逆輸入されているようで、一応読んでみたけど、勉強になる部分もあるけど、正直なところ何を言っているのかよく分からないところがある。
I would not recommend it.
出版社: HarperOne (2003/5/27)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0060957544
これも日本に逆輸入されているようで、一応読んでみたけど、勉強になる部分もあるけど、正直なところ何を言っているのかよく分からないところがある。
I would not recommend it.
出版社: HarperOne (2003/5/27)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0060957544
目次:1. 地理:世界がわたしたちの舞台 2. 物理的次元:わたしたちの自然環境 3. 人文的次元:場所の中の人々 4. 全体としての地理学:共通の基盤 5. どのように地理学者は働くのか 6.地理学の現在と未来
自然地理学と人文地理学という学問というか学科の概要。VSIの一つの典型で、とても分かりやすく、大学で地理学を専攻しようというような人にはちょうどいいだろう。
個人的には測量の国家資格も持っているし、高校の頃は地学と地理を選択していたし、大学レベルでも、歴史学はもとより地政学だの疫学だ気象学だの農業だのと地理が重要な分野に興味はある。ただ、だからと言って地理学一般に興味があるかというとそんなこともない。実際、大学で「地理」と名のつく単位は何個か取ったけど、やっていることは農業だったり歴史だったりで、「地理」という括りにあまり納得はしていない。状況は「統計学」ほど酷くはないかも知れないが、ともあれ、日本では統計学科はほとんど存在しないが、地理学科は存在するわけで、読んで損な本ではないくらいだった。しかし、地理ファンというのは確実に存在するので、そういう人たちが読むとまた全然違うのだろう。
A good concise overview of geography.
出版社: Oxford Univ Pr (2008/7/20)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199211289
目次:1.言論の自由 2.思想の自由市場? 3.侮辱をする事と受ける事 4.ポルノを検閲する事 5.インターネット時代の言論の自由 結論:言論の自由の未来
ミルの自由論を基礎に言論の自由を特に問題になる領域(ヘイトスピーチやポルノ)を中心に概説していく。薄いし、大学生の入門用にちょうどいいだろう。個人的にはこの手の問題については、わたしはたいてい自由の側に立つことになり、わりとミルそのものの立場に近い。シビアな議論に耐える一貫性のある哲学を構築するのは大変というか、ほとんど無理なような気もするが、ただ、現実に裁判所は判断しなければならないし、個別具体例について何だかんだ言いながら進めていくしかない。その為にも本書程度の考察は基礎的ではある。
A good introduction to free speech. The author does not hesitate to present his own position to each topic, though the description is well balanced.
出版社: Oxford Univ Pr (2009/4/15)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199232352
ビギナーズマインドということで翻訳も出ているが、要するにSteve Jobsが愛読したというのが売りらしい。海外でもかなり売れているようだ。正直なところ全く意味の分からない箇所も多いが、宗教なんだから仕方がないのかもしれない。ムダに神秘的なところが一般受けするのかもしれない。
Honestly, disappointing. There are a lot of mysterious expressions.
出版社: Shambhala (2011/6/28)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1590308493
目次:1.エジプトでの筆記の起源 2.ヒエログリフ筆記とエジプト語 3.ヒエログリフと芸術 4.『わたしはあなたを知っている、わたしはあなたの名を知っている』 5. 書記と日常の筆記 6.エジプト語の解読 7.現代のヒエログリフ
ヒエログリフにまつわる様々な状況を概説していて、良い本だと思うけど、別にヒエログリフの一つ一つの文字を解説しているわけでもないので、一般には受けないのかもしれない。世の中には「ヒエログリフを読んでみよう」的な本はいっぱいあるわけで、素人を引きやすいのはそういう本だろう。この本もわたしのような全くの素人が読んでも面白いが、対象読者として、これからエジプト学を学ぼうとしている学生を想定しているフシがある。わたしとしては、どんな学問分野でも、素人向けの本より、入門書であってもまず学術書を読みたいと考えているし、それがVSIのいいところでもある。類書と比べて良いのかどうかは不明だが、大変良心的な本だし、悪くはないだろう。それはそれとして、エジプトに関する話は、わりと戦争みたいな話が少ないのが心が安らぐ。文字に対する考え方も共感できるし、絵と文字を峻別しないで絵文字みたいな感じなのも、本来の人間の性質なのかもしれない。
This book might not be popular, but a very good introductory book. It does not teach us directory how to read hieroglyphs, but provides a lot of essential concepts and background information.
出版社: Oxford Univ Pr (2005/6/2)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0192805027
目次:1.動物とは何か 2.動物門 3.動物の系統樹 4.始原動物:カイメンとサンゴとクラゲ 5.左右相称動物:体を作る事 6.冠輪動物:素晴らしい虫 7.脱皮動物:昆虫と線虫 8.新口動物I:ヒトデとホヤとナメクジウオ 9.新口動物II:脊椎動物の登場 10.新口動物III:陸上の脊椎動物 11.謎の動物
タイトルに戸惑うが、これは「動物界」という列記とした生物学用語で、つまりその程度の知識が無くても楽しく読める。DNA解析に基づく最新の系統図と進化論に基づいて色々な動物を解説していく。それにしても動物の分類がこんなことになっているとは全く知らなかった。わたしは特別にこの分野に興味があるわけでもないが、このレベルの動物の分類くらいは常識として知っておくべきような気がする。そもそも脱皮動物などという分類すら初耳だし、門のレベルで言うと、今後も変わる可能性があるらしい。特別に生き物が嫌いとかではなければ、ユーモアもあるので、楽しく読める。
A great reading about very basic facts about animal evolutionary tree, which I did not know even I did not know. A wonderful discovery.
出版社: Oxford Univ Pr (2012/1/15)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199593217
目次:1.血と美 2.枠組みと目的 3.文化の交差 4.金・市場・美術館 5.ジェンダーと天才とゲリラ少女 6.認知と創造と理解 7.デジタル化と伝播
いわゆる哲学科で学ぶような美学の概説書というか教科書に近く、評判が良いので、芸術に関わっている人は読んでおいて損はないところだろう。芸術をめぐる様々な論点を具体的な有名な芸術作品を例に解説していく。正典的ないわゆる芸術作品を取り上げて正統な議論をしていくので、特に変な偏向はない。わたしはというと、こういう言い方から既に明らかなように、こういう方面には非常にシニカルだし、「どうでもえやん」と思うこともあるが、一冊読んで置いて損はしない。
A well-balanced guidance to art theories.
出版社: OUP (2003/2/13)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0192804631
目次:1.『AでありAでない』ファシズムとは何か 2.ファシズム以前のファシズム? 3.イタリア『拳で歴史を作る事』 4.ドイツ:人種的国家 5.ファシズムの拡散 6.灰から甦る不死鳥? 7.ファシズムとネイションと人種 8.ファシズムと女性とジェンダー 9.ファシズムと階級 10.ファシズムとわたしたち
最初のほうはファシズムの定義にこだわっており、全編に渡って一貫してちょくちょくこだわっていて、その点は結構大変だが、基本的には欧州とアメリカの様々なファシズムを通覧していて、非常に勉強になった。現代への目配りも織り込まれている。
面倒と言うのはファシズムという言葉に含まれる道義的な負荷のせいだけでもなく、各国毎に相互に影響したり対立しながらバリエーションが大きいせいだ。例えば、まあ差し当たり、疑似軍隊みたいなルックスをしていたとかいうのは似ているだろうか。人種(race)にこだわったといっても人種の概念が一定していない。ユダヤ人が文化概念というより人種概念になったのは比較的最近のことで、ナチみたいな絶滅政策もあれば、同化政策もある。近頃の新右翼みたいなのは、人種や民族はそれぞれ平等だが、それぞれの特徴を尊重して維持するべきなどと主張していて、結果的には移民排除・追放には違いないが、人種間に優劣があると主張するのはほとんどいない。
等々のことで、目次から明らかなように他にも女性の立場とか階級との関係が非常に入り組んでいることなども説明され、面倒ではあるが、事実に反する単純化を避けるには止むを得ない。しかし、それにしても何か色々なバリエーションを貫く一つのメンタリティがあるのではないかと思うのだが、そこに行かない(行けない)のは学者の慎重さなのだろう。実際、そんな本は色々あるが、あんまりピタリと来た本も記憶にない。勉強になったし、特に政治学に興味のある学生には良い入門書じゃないかと思う。
A very good overview of fascism. I assumed there was a core mentality that all varieties of fascism share, but the author carefully avoid such a simplification, which I understand is an evidence of the scholar's sincerity.
Oxford Univ Pr 2 Upd New版 (2014/06)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199685363
目次:1.気候とは何か 2.大気と海洋 3.天気対気候 4.極端な気候 5.テクトニクスと気候 6.全球的気候寒冷化 7.大氷河期 8.未来の気候変動 9.気候変動を固定する事 10.究極の気候変動
地球の気候の概要というようなことで、一部では難しいと言われているようだが、特段の予備知識が必要には思われない。日本で言えば、地学を選択した高校生なら問題なく読めるというか、センター試験で満点を狙うレベルなら、これくらいは知っている必要があるような気もする。もちろん、気象予報士を狙うような人にとっては、入門書にいいくらいだ。ただし、この本の主たるテーマは大規模の気候であり、今日明日の天気の話ではない。資格試験で言えば、eco検定などでも、この程度の知識はあったほうが良いだろう。個人的には特段の新情報はないが、良い復習になった。まさしくVSIの趣旨に則った本なので、特に気候にあまり知識がない人には入門書として間違いないところだろう。直接天気予報の勉強にはならないが、天気に興味がある人にとっても、気候の背景知識を持つのに良い本だ。
A good overview of the climate system of the Earth. Especially if you are interested in weather forecast, this level of understandings of the climate is certainly needed.
Oxford Univ Pr (2013/7/24)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199641130
目次:1.導入 2.歴史文献 3.両軍の戦力 4.最初の侵略(1274)と結果 5.第二の侵略(1281) 6.戦略分析 7.孫子からの視点 8.結論
米軍による元寇(文永の役・弘安の役)の戦術分析。純粋に元寇の記述としてもモノスゴく面白い本で、翻訳したらブームになるのではないかと思う。これだけでは一冊にするには薄すぎると言うのなら、米軍司令部は他にも面白そうな研究をいっぱい出しているようだから、一緒に翻訳すればいいだろう。戦史ファンが飛びつくのは保証しよう。
まず、元寇における台風の役割は色々言われているが、この本では台風は既に敗北していたモンゴル軍に追い討ちを掛けただけという立場である。というのも、文永の役でも日本側の激しい抵抗で大宰府を陥落させられていないし、補給が続かず退却を余儀なくされている。弘安の役ではそもそもモンゴル軍は上陸を阻まれ、台風の前に二か月も侵攻できておらず、海上では常に劣勢で、既に敗北は確定的であった。
そして、米軍司令部は、当時無敵だったモンゴル軍のこの惨敗を孫子とクラウゼヴィッツに照らして批判する。一々尤もな話で、徴兵中心のモンゴル軍と職業軍人のサムライたちでは士気も装備も個々の戦闘能力にも差があった。先に対馬・壱岐を攻略したため、日本側に十分な迎撃態勢を作る時間を与えた。日本側の予想している地点(博多湾)に予想通り二度も突入する。日本側の行動速度が速く、側面からの攻撃が全て防がれる。日本側が完全に包囲して射撃陣地を構築している博多湾に身動きのできない大軍(夜襲を恐れて軍船を連結していた)で自ら包囲されに行くなど論外云々。
記述は戦術に限定されているわけではなく、それ以前の朝鮮などを通じた外交交渉の流れも描かれている。この辺りのモンゴルの外交も批判されるが、何より、日本に戦闘態勢を取らせたのがマズいという評価だ。フビライが孫子を読んでいた証拠はないが、中国人の将軍たちが読んでいたのは間違いなく、孫子の兵法に従っていれば、違う結果になっていたかも知れないとか言っている。
著者は中国語も日本語も読めないらしく、参考資料が英語または英訳文献しかないという制約があるものの、少なくともわたしが読んでいる分には不自然なところはなかった。専門家が読めばまた違う意見もあるのかもしれないが、差し当たり素人が読んでいてもモノスゴく面白い。単純に翻訳したいし、この辺りに詳しい日本人歴史家と軍事専門家の注釈にも期待したいのだが。
A tactical analysis of the Mongols vs. Samurai. Great Reading. I am not a specialist in history but have good command of old Japanese and Chinese language and some knowledge about overall history of east asia. I found no defect in this great narrative. The storytelling is very good and would never bore lay people like me.
Pennyhill Press (2014/1/13)
言語: 英語
ASIN: B00HV14CKK
目次:1.ユーモアの性質 2.ユーモアと感情と認知 3.ユーモアと価値観
ユーモアに関する哲学的・社会学的研究。通常のVSIのフォーマットなら研究史から始まるところ、この本に関しては、先行研究は参照しつつも最初から最後まで著者の思索が続く。さしあたりユーモアをどう定義するかについて三分の一くらい費やされる。あとは心理的な効用についてだったり、社会的な効用についてなど。
この本、Amazonではわりと評価が高い。わたしはお笑いが好きだから、この類の本は相当読んでいるが、面白い本に当たったことはなく、この本も例外ではない。というか、正直に言うと、わたしとしては、この本はVSIの中でも最悪に近いと思っている。ので、あまり多くは語りたくないが、Amazonでは評価されているから、こういうのが面白い人も多いのだろう。
強いて考えれば、ユーモアを西洋哲学の語彙で考察するのが無理なのではないかと思う。本書で推されるincongruity理論は結構なものだが、いくらでも反論は思いつくし、一々弁論も可能だが、なんか本質を外している感じは否めない。桂枝雀の「緊張と緩和」理論は、ユーモアというよりは笑いの理論だが、その辺りから出発したほうが未来がある気がする。
This book was not for me. I love comedy and have read many books of this topic, all of which I never found interesting....
Oxford Univ Pr (2014/03)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199552221