目次:1.ユーモアの性質 2.ユーモアと感情と認知 3.ユーモアと価値観
ユーモアに関する哲学的・社会学的研究。通常のVSIのフォーマットなら研究史から始まるところ、この本に関しては、先行研究は参照しつつも最初から最後まで著者の思索が続く。さしあたりユーモアをどう定義するかについて三分の一くらい費やされる。あとは心理的な効用についてだったり、社会的な効用についてなど。
この本、Amazonではわりと評価が高い。わたしはお笑いが好きだから、この類の本は相当読んでいるが、面白い本に当たったことはなく、この本も例外ではない。というか、正直に言うと、わたしとしては、この本はVSIの中でも最悪に近いと思っている。ので、あまり多くは語りたくないが、Amazonでは評価されているから、こういうのが面白い人も多いのだろう。
強いて考えれば、ユーモアを西洋哲学の語彙で考察するのが無理なのではないかと思う。本書で推されるincongruity理論は結構なものだが、いくらでも反論は思いつくし、一々弁論も可能だが、なんか本質を外している感じは否めない。桂枝雀の「緊張と緩和」理論は、ユーモアというよりは笑いの理論だが、その辺りから出発したほうが未来がある気がする。
This book was not for me. I love comedy and have read many books of this topic, all of which I never found interesting....
Oxford Univ Pr (2014/03)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199552221
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