2021年11月8日月曜日

Michael Howard "Clausewitz: A Very Short Introduction" [クラウゼヴィッツ:非常に短い入門]

目次:1.当時のクラウゼヴィッツ 2.戦争の理論と実践 3.戦争の目的と手段 4.制限戦争と絶対戦争 5.クラウゼヴィッツの遺産

最初にクラウゼヴィッツの伝記と最後にクラウゼヴィッツの後世への影響が語られているが、本質的には「戦争論」の解説。従ってクラウゼヴィッツ「戦争論」に興味のない人には用のない本ではある。ただ、わたしは「戦争論」が好きで(そもそも軍事好き)、その延長でVSIということで読んでいる。で、別に真剣に軍事戦略を考えるとかではなく、ただの趣味ということで言えば、まず「戦争論」自体を読むことを考えるべきだろう。岩波文庫で三巻もあるから躊躇われるのかもしれないが、わたしは退屈しなかった。もちろん、本当に軍事戦略や国際政治学の勉強をするのならこのVSIも読むべきだし、趣味で読んでも面白い。あと、クラウゼヴィッツの生涯も「戦争論」もかなりの部分がナポレオン戦争によって占められており、ナポレオン戦争の解説としてVSIのThe Napoleonic Warsも悪くないが、トルストイの「戦争と平和」を推奨したい。こちらは岩波文庫で6巻もあるが、これも大部なわりに退屈な部分があった気がしない。トルストイの短編はあんまり感心しないけど長編は「アンナ・カレーニナ」も面白い。もはやクラウゼヴィッツとは何の関係もないが…。

Enjoyable, even to a layman like me.

OUP Oxford(2002/2/21)
言語:英語

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