2020年4月23日木曜日

Living Language "6,000+ Essential French Words with CD-ROM" [基礎フランス語単語6000+]

随分前に一通り読んだ本だが、ここに書けなかったのは、どうも結局身についていないような気がするから。何語でも単語集みたいなので上手くできた試しがないが、それでもやる価値はあるんだろうな…とは思っている。この本は分野ごとの単語の羅列のほか、一応練習問題とかもついていて、多少はやる気がするし、この類の物としては最善に近いかもしれない。どんな言語でも最終的には単語量で…。こういうのが得意な人は本当に羨ましい。

The volume of your vocabulary is everything.

Living Language (2004/11/16)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1400020911

ABC TCF

TCFというのは、フランス語のTOEICみたいなもので、これはその対策書ということになっている。多分他には類書はないだろう。内容はというと試験制度の解説とサンプル問題。問題には一応解答とtranscriptがついているが、解説はない。ただ、B1を超えるレベルの人なら、別に解説がなくても自分で答に到達できるはずではある。それ以下のレベルの人は、そもそもこの試験を受けるのもお勧めできない。勉強するというより、だいたいの試験の形式を事前に知っておくためのサンプル集だ。わたしが持っているのは一つ前の2014年版だが、多分大して変わっていないだろう。

わたしはというと、随分前に仏検二級からDELF B1をクリアして以降、フランス語の試験というものを受けていない。勉強は一応継続してはいるが、今はB2を受ける暇がない。その点TCFは面接もなくただ受けるだけだし、フランス政府がやたら推してくるから、まあ一度くらい受けてやるかという…。この本を見た限りでは、まあB2くらいの判定になるんだろう。読む分にはC2でも大体分かるし、文法もあまり問題ないが、結局聞き取りに制約がある。などと思っていたら今回のCOVID-19のせいで試験が延期されていて、いつ受けることになるか分からない。

D'après ce livre, je pourrais atteindre le niveau de B2 ou plus haut.

Klett Sprachen GmbH (2018/9/24)
言語:フランス語
ISBN-13: 978-3125300323

2020年4月21日火曜日

Charles M. Schulz "The Complete Peanuts 1969-1970: Volume 10" [Peanuts完全版1969-1970巻10]

SallyがLinusからValentineをもらっているのは後には考えられない話。これまでもさんざんSnoopyと小鳥の絡みは積み重ねられているが、この巻でついに"Woodstock"という名が明かされる。この名前自体が時事だが、他にもSnoopyがfirst beagle on the moonになるのもある。これと深い関連があるのが、Peppermint Pattyがコンピュータプログラミングを勉強しているという所で、この時代、プログラマは特に女性の憧れの職業だった。勉強しているのはFORTRANかCOBOLか…。Peppemint Pattyの前の席がFranklinなのも白人と黒人が共学になったからだ。まだカラーテレビという言い方をしているし。ベトナム戦争の話もある。時事とは関係ないが、Snoopyが七人きょうだいだと言っている。

それはそれとして、ここまでで一番好きなstripを書いておく。やっぱりSchroederはいいな。
Lucy: I'm looking for the answer to life, Schroeder.. What do you think is the answer?
Schroeder: BEETHOVEN!
Schroeder: BEETHOVEN IS IT! CLEAR AND SIMPLE! DO YOU UNDERSTAND?
Lucy: Good grief!

Good Grief!

Canongate Books Ltd (2011/10/6)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0857862143

2020年4月9日木曜日

Geoff Cottrell "Telescopes: A Very Short Introduction" [望遠鏡:非常に短い入門]

目次:1.導入 2.光を捕える 3.鏡を通して 4.空の窓 5.光の器具 6.自然に曝す鏡 7.電波の空 8.宇宙望遠鏡 9.次の望遠鏡

VSIにはタイトルから内容が予測できないものが結構あって、これは今まで読んだ中でも裏切られ方が酷い。わたしとしてはこのタイトルから幾何光学とか望遠鏡の製造方法でも説明してくれるのかと思ったが、ここで言っている「望遠鏡」は天体望遠鏡に限られており、本の内容の半分くらいは天文学の話だ。残りの半分くらいは確かに望遠鏡の話ではあるが、それも可視光線の範囲より、それ以外の電波とかX線・γ線の話が大半という…。普通の人はフェーズド・アレイ・レーダーを望遠鏡とは思っていないだろう。どういうタイトルにするにしても「天文学」という言葉は入れておく必要があったんじゃないかなあ。

もっとも、わたしは天文学の話は好きだし、アマチュア無線1級と一陸技の免許証を持っており、X線γ線の免許も持っているようなことで、電波の話にも興味があるから、予想は裏切られたが、それはそれで楽しく読めた。望遠鏡、というか天文観測装置は今も地上にどんどん巨大なものが作られているし、ラグランジュ・ポイントにもどんどん観測衛星が投入されている。特に電波天文学の話はなかなか一般には報道されてこないし、大変勉強になった。対象読者は、単に光学を知りたいという人よりは、天文ファンだろう。あとちょっと無線工学の知識があったほうが良いかもしれない。

This is a book on astronomy, not optics.

Oxford Univ Pr (2017/2/1)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0198745860

2020年4月8日水曜日

Dawn E. Holmes "Big Data: A Very Short Introduction" [ビッグデータ:非常に短い入門]

目次:1.データ爆発 2.なぜビッグデータは特別か? 3.ビッグデータを貯蔵する 4.ビッグデータの分析 5.ビッグデータと医療 6.ビッグデータとビッグビジネス 7.ビッグデータの安全性とスノーデン事件 8.ビッグデータと社会

評判の良い本ではあるけどどうかな…。VSIにはたまにこういうパターンの本があるけど、著者の中では体系性があるのかもしれないが、ランダムなエッセイのような気がする。なんか妙に衒学的な原論調かと思うと、時々妙に技術面に入り込むところもあり、対象読者が良く分からない。まあITパスポート試験に合格したくらいの人が興味本位で読むくらいではなかろうか。ビッグデータに興味を持つ理由はそれぞれだと思うが、どんな理由にしろ、もっと良い本は他にありそうなものだ。

It seems to me that this book is overrated.

Oxford Univ Pr (2018/1/30)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0198779575

2020年4月6日月曜日

Charles M. Schulz "The Complete Peanuts 1967-1968: Volume 9" [Peanuts完全版1967-1968巻9]

昔読んだ記憶のあるシーケンスが増えてきた。単発よりストーリーがメインになってきている。Cheshire beagleやEaster beagleが登場。Mad punterが戻ってきた。Vultureもある。WWI flying aceはもう定番。

新キャラとしてJosé Petersonが登場したがすぐに消えた。この巻ではLilaの登場がなかなか劇的。小鳥の形がほぼ確定しているが、一応まだ渡り鳥だ。Linusが小鳥と仲良くして周りにバカにされる件は随分前からあるが、そんなにバカにされることだろうか。Peppermint Pattyの部屋にRoyがいるのは珍しい気がする。キャンプではPeppermint Pattyのリーダーの下にSophie/Clara/Shirleyが登場。SophieがPeppermint Pattyをsirと呼び始めた。Claraは後にMarcieになる。

しかし何といっても大きいのは1968年のFranklinの登場だ。このマンガの唯一の常識人かもしれない。そうでないと、この界隈の狂気が明らかにならないからな…。ちなみに公民権法が制定されたのは1964年。Franklinの父はベトナム戦争従軍中。今の基準では黒人を黒く描いたら怒られるのだろうか。可愛いのに。どこかで作者が、黒人と白人が同じ教室で勉強しているということで抗議されたことがあったと言っていた。

時事としてはGrenobleオリンピック。Linusに渡されるメッセージに"This note will self-destruct in five seconds!"というMission Impossibleの有名なセリフがでるが、ちょうどこのころに始まったらしい。このマンガは当時の野球選手やゴルフ選手のほか、当時の流行歌も調べないと分からない箇所も時々ある。その一例としてSnoopyの誕生日が8/10であるという根拠になる有名なstripがあるが、最後のSnoopyの"I'll be a brown-eyed beagle."というセリフの意味はみんな色々推測しているようだがなかなか確定していない。日本語訳もめちゃめちゃらしいが、わたしは当時のヒット曲"Brown-eyed girl"からだと断定している。その前のstripのSnoopyの表情はPink Pantherじゃないかな。一々書いていないがこの類の歴史調査は結構多い。

最後のほうでLinusが速記するところはGregg systemで、最初のパネルが"Merry Christmas to all and to all a good night."で最後が"Good Grief."だそうだ。Schroederの楽譜も常にそうだが、この作者はこういうところでウソがない。関係ないがroot bearはカルディで買えるらしいから今度買ってみよう。

Good Grief!

出版社: Fantagraphics
言語: 英語
ISBN-13: 978-1560978268

2020年4月4日土曜日

Jacqueline Stedall "The History of Mathematics: A Very Short Introduction" [数学の歴史:非常に短い入門]

目次:1.数学:神話と歴史 2.数学とは何で数学者とは誰か 3.数学的な考えはどのように伝わるか 4.数学を学ぶこと 5.数学的生活 6.数学の中に入ること 7.進化する数学の歴史学

わりと評価の高い本なんだけど、どうかなあ…。一つ言えるのは、この本は数学の内容にはほとんど立ち入っていない。まあ数学史を本気でやろうと考えている学生へのガイダンスには良いかもしれないが、学生の段階で数学そのものではなく数学史を志すのもどうなのかというように個人的には思う。世界中に色んな数学があるとかそういう話は豊富だが、何にしろ、数学の理解が基本だと思うと、この本は到底お勧めする気になれない…。

There are no mathematical ideas in this book.

Oxford Univ Pr (2012/3/24)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0199599684