2020年4月6日月曜日

Charles M. Schulz "The Complete Peanuts 1967-1968: Volume 9" [Peanuts完全版1967-1968巻9]

昔読んだ記憶のあるシーケンスが増えてきた。単発よりストーリーがメインになってきている。Cheshire beagleやEaster beagleが登場。Mad punterが戻ってきた。Vultureもある。WWI flying aceはもう定番。

新キャラとしてJosé Petersonが登場したがすぐに消えた。この巻ではLilaの登場がなかなか劇的。小鳥の形がほぼ確定しているが、一応まだ渡り鳥だ。Linusが小鳥と仲良くして周りにバカにされる件は随分前からあるが、そんなにバカにされることだろうか。Peppermint Pattyの部屋にRoyがいるのは珍しい気がする。キャンプではPeppermint Pattyのリーダーの下にSophie/Clara/Shirleyが登場。SophieがPeppermint Pattyをsirと呼び始めた。Claraは後にMarcieになる。

しかし何といっても大きいのは1968年のFranklinの登場だ。このマンガの唯一の常識人かもしれない。そうでないと、この界隈の狂気が明らかにならないからな…。ちなみに公民権法が制定されたのは1964年。Franklinの父はベトナム戦争従軍中。今の基準では黒人を黒く描いたら怒られるのだろうか。可愛いのに。どこかで作者が、黒人と白人が同じ教室で勉強しているということで抗議されたことがあったと言っていた。

時事としてはGrenobleオリンピック。Linusに渡されるメッセージに"This note will self-destruct in five seconds!"というMission Impossibleの有名なセリフがでるが、ちょうどこのころに始まったらしい。このマンガは当時の野球選手やゴルフ選手のほか、当時の流行歌も調べないと分からない箇所も時々ある。その一例としてSnoopyの誕生日が8/10であるという根拠になる有名なstripがあるが、最後のSnoopyの"I'll be a brown-eyed beagle."というセリフの意味はみんな色々推測しているようだがなかなか確定していない。日本語訳もめちゃめちゃらしいが、わたしは当時のヒット曲"Brown-eyed girl"からだと断定している。その前のstripのSnoopyの表情はPink Pantherじゃないかな。一々書いていないがこの類の歴史調査は結構多い。

最後のほうでLinusが速記するところはGregg systemで、最初のパネルが"Merry Christmas to all and to all a good night."で最後が"Good Grief."だそうだ。Schroederの楽譜も常にそうだが、この作者はこういうところでウソがない。関係ないがroot bearはカルディで買えるらしいから今度買ってみよう。

Good Grief!

出版社: Fantagraphics
言語: 英語
ISBN-13: 978-1560978268

1 件のコメント:

  1. "I'll be a brown-eyed beagle." についてですが、これは英語の駄洒落ですよ。"I'll be a monkey's uncle!"(人生最高だね)という定番フレーズをいじったものです。uncle → beagle

    返信削除