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2020年11月4日水曜日

Peter Farrell "Math Adventures with Python" [Pythonによる数学の冒険]

Pythonで数学を学ぶという本だが、数学について言えば、日本では高校生でも楽に読めるだろう。Pythonについては、そもそもプログラミング自体の初心者を相手にしている感じで、結局、全体的に高校生に向いていると言える。英語も高校生で読めるような気はする。従ってムダにbrainyな高校生くらいが夏休みに読むのだろうか。大学生だと少し易し過ぎると思うが、本当にプログラミング初心者ならありかもしれない。ちとわたしには対象読者を正確に判定しかねる。個人的にはCOVID-19でヒマな時期に入手したもので、多少Pythonが分かったが、もちろん易し過ぎた。

For brainy high-school students.

ISBN-13 : 978-1593278670
出版社 : No Starch Press; Illustrated版 (2019/1/8)
言語:英語

2020年4月8日水曜日

Dawn E. Holmes "Big Data: A Very Short Introduction" [ビッグデータ:非常に短い入門]

目次:1.データ爆発 2.なぜビッグデータは特別か? 3.ビッグデータを貯蔵する 4.ビッグデータの分析 5.ビッグデータと医療 6.ビッグデータとビッグビジネス 7.ビッグデータの安全性とスノーデン事件 8.ビッグデータと社会

評判の良い本ではあるけどどうかな…。VSIにはたまにこういうパターンの本があるけど、著者の中では体系性があるのかもしれないが、ランダムなエッセイのような気がする。なんか妙に衒学的な原論調かと思うと、時々妙に技術面に入り込むところもあり、対象読者が良く分からない。まあITパスポート試験に合格したくらいの人が興味本位で読むくらいではなかろうか。ビッグデータに興味を持つ理由はそれぞれだと思うが、どんな理由にしろ、もっと良い本は他にありそうなものだ。

It seems to me that this book is overrated.

Oxford Univ Pr (2018/1/30)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0198779575

2017年1月16日月曜日

Arvind Narayanan, Joseph Bonneau, Edward Felten, Andrew Miller, Steven Goldfeder "Bitcoin and Cryptocurrency Technologies: A Comprehensive Introduction" [ビットコインと暗号通貨技術:包括的入門]

目次:1. 暗号理論と暗号通貨の入門 2.ビットコインはどのように脱中央化を達成するか 3.ビットコインの機構 4.どのようにビットコインを保管し使うか 5.ビットコインの採掘 6.ビットコインと匿名性 7.コミュニティと政策と規制 8.代替採掘パズル 9.プラットフォームとしてのビットコイン 10.アルトコインと暗号通貨の生態系 11.脱中央化された機関‐ビットコインの未来? 結論

全くタイトル通りの本でビットコインをブロックチェーンのアルゴリズム水準から社会的な問題に至るまで包括的に解説している。ビジネスマン向けのビットコインの入門書はコアになる技術について曖昧で意味が分からないし、かといって、いきなり実際のマイニングのコードを解説されても意図が分からないというようなことがある。この本はちょうど良く、かつ包括的だ。

というわけなので、コンピュータサイエンスの素養のないただのビジネスマンには、おそらくほとんど読めないのではないかと思う。基礎的なことから解説してあるとはいえ、公開鍵暗号やハッシュ関数に馴染みのない人には、かなり読みにくいと思う。通常の電子署名を理解している人なら、恐らく問題ない。わたしとしては、特に前半はまだるっこしい所もあったが、それだけ良心的に書いてあるということだろう。日本語訳「仮想通貨の教科書」という、これもまた適切なタイトルの訳書も出ているし、ある程度の基礎知識のある人には理想的な教科書だ。もちろん、これ一冊では細部まで届かないが、参考文献もしっかり指示されているから、いくらでも深められる。

それはそれとして、この本でビットコインを学んだわたしの感想としては、とりあえずビットコインを買う気にはなれない…。ビットコインはいわゆるサイバーパンクから生まれており、非常にアナーキーな思想から出発している。この本はバランスを取るために、実世界の権力(=国家権力)の介入もある程度考察しているが、それでもまだ国家権力を過小評価しているような気がする。現時点では、ビットコインは伝統通貨と交換可能だから価値を持っているようなもので、仮に交換が禁止された時に、伝統通貨のほうが見放される事態になることは考えにくい。詳しくはこの本で学べば分かるが、現行のビットコインには、決済速度の他にも、内部的な制約もかなりあり、冷静に判断するためには、ある程度技術的な詳細も学んでおくべきだろう。

ただ、現実的な話はともかく、暗号通貨を作るという実験は、それ自体面白いのは確かだ。わたしとしては、金に物を言わせて強力なハッシュパワーを保持している匿名のマイニングプールを信用するより、ともかくも民主的に現実世界の暴力を独占している国家を信用したほうが、(現状では)マシな気がするが、もちろん、暗号コミュニティは単に現状を追認するのではなく理想を追求しているのであり、それはそれで敬意を払いたい。わたしも本質的には自由と匿名の価値を重んじるほうだ。色々考える事はあるが、その出発点として素晴らしい本だった。

This book does what the title says. It was a great experience.

2014年11月19日水曜日

Dan Saffer "Microinteractions: Full-Color Edition: Designing With Details"

ユーザインターフェースのデザインについて、わりと包括的な解説書。といっても、こういうのは特に体系性や網羅性はないもので、様々なアイデアと部品をなんとなく並べることになるけど、わりとしっかり語っている印象がある。翻訳もなかなか良さげではある。

This kind of book can never be complete nor systematic. That said, this book seems to succeed to some extent. At this point, this is the best book of this kind.

Oreilly & Associates Inc; Full Color ed(2013/11/4)
ISBN-13: 978-1491945926

2014年5月13日火曜日

Foster Provost, Tom Fawcett "Data Science for Business"

ある時期から急に「ビッグデータ」というbuzz wordが出現し、それに対応して書かれたような本だが、類書の中でも抜きんでていると思う。米国でも好評のようだ。何でもいいから一冊ということであれば、少しハードでも良ければ、この本を読むのが一番実り多いんじゃないかな。

この手の本の通例として「できるだけ数式は使わないで」という前置きが入るが、その割には結構数式が入り込んでいる。わたしとしては、こういうマネジメント向けに簡易化された技術書は大抵バカにしているが、この本については、数学力に自信がある・数式のほうが理解が速いという人でも読む価値があるだろう。というのも、データサイエンスは範囲が広くて、いずれにせよ全容を把握する本は一冊は読んでおいたほうが良いからだ。

反面、この本を読んでも素人が直ちに何かができるわけではない。ただ、データ分析専門家と相当程度の会話ができるようになるということだ。実際、この分野は専門家といってもいい加減なのが多いし、偽者を見分けるのも重要で、この本に書いてある程度の知識は必要だろう。数値処理に詳しい人間が、幅広いビジネスの視点から見て、有用なデータ分析をするとは限らない。むしろ有害な分析結果を持ってくることもある。

A must read regardless if you are a specialist or not. A great overview on a very vast field.

Oreilly & Associates Inc; 1版 (2013/8/16)
ISBN-13: 978-1449361327

2014年2月5日水曜日

Bill Wilder "Cloud Architecture Patterns"

クラウドネイティブなシステムを開発する時の基本技術の概説。読みやすい。クラウド特有の問題を広く扱った基本書・教科書と言っていいだろう。例示にWindows Asureが使われているが、この件についてはあまりこだわる必要はない。個人的にはあまりこういう話に下位レベルまで触るようなことは避けたいが、まあ知っておくにこしたことはない。

A very authentic resource for cloud-native developments.

Oreilly & Associates Inc (2012/10/5)
ISBN-13: 978-1449319779

2013年11月14日木曜日

Simon Sarris "HTML5 Unleashed"

HTML5のWalkthroughというとありがちな気もするが、特にCanvasに詳しい。なかなかの重厚さで、ある程度経験のある人がHTML5で何が可能なのかを知るには最善だろう。逆に、HTML5の特定部分だけ知るだけなら、Canvas部分は別として、もっと特化した新しい本を探したほうが良いかもしれない。もっとも、この本でも、レファレンスとまではいかないかも知れないが、相当な所まで分かる。もちろん、HTML5は進化中なので、最新情報を取り入れる努力は必ず必要だが・・・。たとえば、<hg>が抹殺されたとか・・・。

A very good overview/introduction to HTML5 for those experienced with Web programming.

Sams Publishing; 1版 (2013/7/26)
ISBN-13: 978-0672336270

2013年11月8日金曜日

Leofranc Holford-Strevens "The History of Time: A Very Short Introduction"

タイトルがムダに気取っていて分かりにくくて腹が立つが、要するに歴史上の色々な時刻の切り方と暦の紹介である。と言っても、中東以西に限られていて、中国や日本の話はない。類書は多いが、情報量の多さ(アジアを除く)は参考文献としての価値もある。
Very irritating titling; an overview of a wide range of historic calendar and ways of splitting a day into hours. Very informative.
Oxford Univ Pr (2005/10/27)
ISBN-13: 978-0192804990

2013年11月1日金曜日

Stationery Office (Great Britain) "ITIL Service Lifecycle Publication Suite 2011"

いわゆるITILの原典。仕事で使う人はitSMFで売っている日本語訳とともに職場に装備しているべきで、今更どうこういう話でもない。ITILは規格ではないと言い張っているが、実際には規格に近い使われ方をしている。一番大きいのは用語の統一で、特に社外との取引・契約などで、それはこの言葉に含まれているとか含まれていないとかいうような面倒を大幅に削減する。業界標準に近いので、好き嫌いはさておき、使わざるを得ない。個人的にはITILの試験なんかに参考にする人が多いと思うが、ファウンデーションくらいなら、原典に当たらなくてもITIL Foundation Exam Study Guideみたいな本を読んでいれば何ら困難なく受かる。その先は、やはり原典が必要になるかもしれない。

An industry standard, though ITIL itself refuses to be called as such.

Stationery Office (2011/7/29)
978-0113313235

2013年10月31日木曜日

Dominique Roux Xavier Niel "Les 100 mots de l'internet"

ネット関係のフランス語の語彙を拾うべく読んだが、(当たり前だが)一般人向けなので、わたしとしては当たり前のことしか書いていない。さらに、フランスはアメリカはもとより、日本や英国に比べてもネット普及が遅れている。ただ、一般人で多少ネットに興味があってフランス語の勉強をしようという人には良いだろう。一記事が短いので読みやすい。

Pour des amateurs, naturellement.

Puf (2012/11/28)
ISBN-13: 978-2130592112

2013年10月25日金曜日

Larry Ullman "Modern JavaScript: Develop and Design"

JavaScriptの入門書にして決定版というところだろう。そもそもJavaScriptの入門書でこんなに分厚い例は他に知らないし、ずっと手元に置いておいてレファレンスとして使用することも可能だ。明白な開発目標もなく、ただできるだけJavaScriptを知り尽くしたいということならこの本以外に選択肢はない。習うより慣れろな人にはお勧めしかねる。

The most comprehensive introductory book of JavaScript.

Peachpit Press; 1版 (2012/2/17)
ISBN-13: 978-0321812520

Addy Osmani "Learning JavaScript Design Patterns"

いわゆるGoFのJavaScript/jQueryバージョン。前提知識としてGoFまたはそれ相当のものを理解していて、ある程度JavaScriptの経験を積んでいることが必要だ。その上でいくつか参考になる話もあるというくらい。

Some observations on JavaScript design patterns.

Oreilly & Associates Inc; (2012/8/27)
ISBN-13: 978-1449331818

2013年10月22日火曜日

Cody Lindley "Javascript Enlightenment"

JavaScriptのいろんな面についての短い雑多な解説をいくつかまとめたもの。が、主軸はオブジェクト指向部分であり、用の無い人には用が無いところだ。他方、何となくJavaScriptを使っている人にとっては、発見があるかもしれない。ただし、オブジェクト指向の一般理論の知識は前提である。prototypeって何、みたいなことだと、この本の大部分は読めない。わたしとしては、ある程度、言語仕様から入ったところがあるので、その方面ではあまり開眼するようなことはなかったが、知らないこともいくつかあった。

Even if you are a seasoned JavaScript programmer, you might find some knowledge that you never had in this book, especially if you have never learned the language in a formal way, which is highly possible.

Oreilly & Associates Inc (2013/1/7)
ISBN-13: 978-1449342883

2013年10月21日月曜日

Nicholas C. Zakas "Maintainable Javascript"

タイトルが分かりにくいし、「メンテナブル」とかいう日本語タイトルにするのもどうかと思うが、要は保守性の高いコードを書くためのガイドライン集。インデントスタイルとかグローバル変数を使うなとかinnerHTMLを使うなとか色々うるさい。わたしとしては、常識的なところばかりだと思うが、初心者、特に他の言語の経験もないような完全な初心者は読んでおいたほうがいい。といっても、これを金科玉条の如く信じ込み、他人のコードにケチをつけてくる奴も出てくると思うと頭が痛い。基本的には、複数人巻き込むある程度大規模な開発に関係する話で、一人でやっている人には関係が無い。一人で書いていて保守困難になるのは勝手だし、そうしてキレイなコードを書く必要性を学んでいくものだ。ある程度苦労しないとこの本の意味が分からないかもしれないし、永遠に分からないのなら、それはそれで構わない。

A style guide. Indent style, separation HTML from JavaScript, avoid global variables.... Very practical yet I wish you are not going to be too strict.

Oreilly & Associates Inc (2012/5/31)
ISBN-13: 978-1449327682

2013年10月17日木曜日

Shelley Powers "JavaScript Cookbook"

JavaScriptのいわゆる逆引き辞典。結構分厚くて、かなり下らないことから、やたら込み入った話まであるが、全くJavaScriptを知らない人が(他の言語を知っていたとしても)この本で入門するのは難しい。個々のトピックについてかなりの解説があるので、勉強になる。好みによるが、わたしとしては、これくらい解説をいれてくれたほうが応用が利いて楽だ。純粋にとにかく逆引きということであれば、情報量の多い「JavaScript逆引きハンドブック」(シーアンドアール研究所)もわたしの机上で活躍している。

A good reverse dictionary. Not only practical but also very informative.

Oreilly & Associates Inc (2010/7/23)
ISBN-13: 978-0596806132

Christopher Schmitt, Kyle Simpson "HTML5 Cookbook"

いわゆる逆引き辞典だが、極めて初歩的なところから解説されているので、HTML5学習者は、真面目な入門書より、こちらのほうが楽というか手っとり速いこともある。個人的には逆引きより正引きのほうが利用頻度が高いが、これは人それぞれだろう。日本では色々カラフルかつコンパクトなHTML5逆引き辞典があるので、強いてこの本である理由はないが、通読しやすいのと俗悪感がないのは大きな利点だ。

A reverse tag dictionary. I usually prefer a normal dictionary, but it depends. It is practical to become acquainted with HTMl5 by reading through this book. Some prefer a more academic book, though.

Oreilly & Associates Inc (2011/11/28)
ISBN-13: 978-1449396794

2013年10月16日水曜日

Jennifer Niederst Robbins "HTML5 Pocket Reference"

単なるHTML5のコンパクトなタグ辞典だが、案外こういうシンプルな本がないような気がする。いわゆる「逆引き」みたいな本は特に日本語では色々あるが、すんなりタグの列挙と解説が見たければ、これのほうがいい。

Just a simple list of HTML5 tags. Really practical.

Oreilly & Associates Inc; 5版 (2013/8/8)
978-1449363352

2013年10月11日金曜日

Bruce Sharp, Remy Lawson "Introducing HTML5"

アメリカのIT書籍の一つの典型だと思うが、著者の思考・嗜好・試行に一々付き合わされる本だ。趣味とレベルが合えば、読み物として面白いが、わりと対象読者が狭い。また直に実装者に役立つわけでもない。ある程度HTML/CSS/JavaScriptに通じていて、HTML5に関心を持ち始め、技術思想や仕様の細部を面白いと思う人が読者候補だが、それにしても試し読みしてから買った方が良い。わたしとしては、動画の章がポイントだったが、もちろんこの本だけでコードが書けるわけではない。「HTML5入門」ということで日本語訳も出ているが、果たしてどれだけ読者が獲得できているのか・・・。今となっては、HTML5については、他にも色々良い本があるし・・・。

Be prepared for a very chatty style and authors' trials and errors. For me, it was worth reading, especially the chapter for <video> and <audio>.

出版社: New Riders Press; 2版 (2011/10/18)
ISBN-13: 978-0321784421

2013年10月9日水曜日

Scott Adams "Dilbert 2014 Day-to-Day Calendar: There's No Kill Switch on Awesome."

ちと気が早いが来年のカレンダー。来年もDilbertで。Dilbert Calendarは何種類も出ているが、机上用day-to-dayブロックが最もお得。意味の分からないギャグがあっても、dilbert.comで検索すれば全部出ていて、誰かが意味を解説している。エンジニアの英語の勉強にもどうぞ。

Always on my desk for several continual years.

出版社: Andrews McMeel Publishing(2013/6/4)
978-1449430290

2013年9月27日金曜日

Rodolphe Rimelé "HTML 5 : Une référence pour le développeur web"

HTML5のレファレンスであり、タグ辞典的に使えるが、APIや周辺技術(CSS3とかJavaScriptとかDOMとかWebSocketとか何やかんや)についてもレファレンスしている。初心者から玄人まで幅広く使えるだろう。数ヶ月手元において時々見ているのだが、非常に参考になるし、結構、初耳なことが多い。カラーで字も大きくて読みやすいし、これに匹敵する本は日本語でも英語でもない気がする。フランスでも評判は上々なようだ。翻訳したら売れると思うが、挑戦する出版社はないかのう。

Très complet et facile à comprendre. Je n'ai jamais vu un livre comme ça ni en anglais ni en japonais.

Eyrolles; Édition : 2e édition (28 février 2013)
ISBN-13: 978-2212136388