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2022年4月27日水曜日

Housel Morgan "The Psychology of Money: Timeless Lessons on Wealth, Greed, and Happiness" [マネーの心理学:富と貪欲と幸福についての永遠の教訓]

日本語訳もまあまあ売れているのだろうか。近頃は本屋に行くとFIREとかが流行ったりして見分けのつかない投資本が大量に平積みされていて、この本もその中に埋もれている。そうやって平積みされている本にはギャンブル本も多いが、中には真面目な本もあり、バカの一つ覚えみたいにインデックスファンドと言っているが、この本はどちらからも距離を取っている。と言っても結局著者もインデックスファンドなんだけど、個人の状況も違うし過去と未来は違うしみたいなレベルの話もしている。

例えば、バブルが生じるのは参加者が不合理だからではなく、短期投資者が増えるからであって、短期投資者にしてみればバブルに乗るのは全く不合理ではないと。ただ、これに長期投資者が巻き込まれると長期投資者が割りを食うみたいな話でしかないらしい。あまり他の本で読まない話だ。

ただ、本書の大半は倹約しろとか誇示的消費は無意味とか足るを知れとか複利の力とか黙って待てとか、まあ、普通の話と言っていいだろうか。タイトルは心理学と言っているが、例えばカーネマンやタレブみたいな常識を超えることは書いていない。実用性で言えば、別にわたしには特に足しにならないが、ある程度まともなFPみたいな本に退屈している人にはいいだろう。エピソードとしては面白い話はいっぱいあるので、クビになるかどうかの面談を待つヒマつぶしにはちょうど良かった。

For those who are bored by sane financial advisers but not insane enough to go into gambling....

Harriman House Pub (2020/9/8)
言語: 英語
ISBN-13:978-0857197689

2019年1月22日火曜日

David Simonnet "Les 100 mots de l'entreprise" [企業の100語]

会社にまつわる100語ということで、この方面の語彙を回収するために読んでみたが、途中で用がなくなり、そうなってみると特段面白い本ではない。Que-sais je?らしい大量の修辞疑問文が記憶に残る以外は、わりと普通の話ばかりで、フランス特有の労働者の強さと会社法事情を別とすれば、普通に新聞を読んでいる人のレベルの知識ばかりだろう。それに、この類の話はすぐに古くなるということもある。あえておすすめもしないし、翻訳もされないだろう。

Pas très interessant.

Presses Universitaires de France - PUF (20 janvier 2016)
Langue : Français
ISBN-13: 978-2130619796

2018年8月23日木曜日

Tracy Arrington, Matthew Frederick "101 Things I Learned in Advertising School" [広告学校で学んだ101のこと]

時々、広告業界入門的な本を読むと「広告は嘘をつく技術ではない」という趣旨の言葉は必ず入っていて、その度に「どう言い繕っても…」と思う。広告技術にそこまで深い興味がなくても、広告を見せられる側の自衛のためにこういう本はみんな読むべきなんだろう。一時期日本でも「クリエイティブ」であることが至高の価値とされていた時代があったけど、基本的に広告業界の思想だったんだろうと思う。それはそれとして、今でも所謂意識髙い系にとって、広告技術の基礎は必須課目だろう。実際のところ、広告のイロハも知らないお偉方が広告に口出ししてグチャグチャにしているのを今も目の前で見ているし、みなさんも自分がそんな風になる前に最低でもこの程度の本は読んで置いてもらいたい。お前がどう感じるかなんか、専門家と統計の前では何の意味もないんだよ…。このシリーズは簡単にすぐ読めるし、一般的にも評判が良い。もっとどんどん出してほしい。

For those who like to interfere and trash works of PR specialists.

出版社: Three Rivers Press (2018/4/3)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0451496713

2018年2月6日火曜日

James Young "A Technique for Producing Ideas" [アイデアを生み出す為の技法]

「アイデアのつくり方」という訳書も出ている。非常に短いので一瞬で読めるし、ここで解説する意味もないくらいだ。古い本で、広告業界では古典なんだろう。何でも知って置けとか京大カード的な道具を使えとか、思考の整理術的なことが書いてある。その類の本を読んだことのある人にとっては目新しいことはない。というか、この本がその類の本の原典らしい。わたしとしては、自分が創造的な人間だとも思っていないし、アイデアマンを職人の上位に置く思想に対して共感もしていない。カードで整理みたいなことは、今ならマインドマップみたいなことだと思うけど、まあ、何でも描いてみることはいいことだ。そういうことならDraw to Winはとても良い本だった。

A classic. Very short and easy to read.

Stellar Editions (2016/3/4)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1987817461

2017年2月27日月曜日

Dan Roam "Draw to Win: A Crash Course on How to Lead, Sell, and Innovate With Your Visual Mind" [勝つために描く:視覚的知性によって導き、売り、革新するための特訓コース]

目次:1生活が懸かっているように描く 2最も良い絵を描く人が勝つ 3まず円を書いて名前をつけよう 4目を導けば頭はついてくる 5「誰」から始めよう 6導くためには目的地を描く 7売るためには一緒に描く 8革新するためには世界をさかさまに描く 9訓練するためには物語を描く 10分からない時は描く

要するにビジネスの場で「もっと絵を使え」という本。絵と言ってもイラストまで行かず、「図解」くらいだろうか。あくまでビジネスだから「描くことは芸術ではなく思考である」ということで通している。絵の具体的な描き方としては、棒人間の描き方が少し載っているくらいで、別にこの本を読んでも絵自体が上達することはない。というか、この本が要求する程度の絵(図)は、教えられなくて誰でも描ける。

では、この本に何が書いてあるかというと、前半に視覚の重要性を解いているほか、後半は、そこらの安いビジネス書に書いてあることと大して変わらない。ただ一点、何かと「絵(図)を描け」ということを強く訴えている点が違う。昔、「人生がときめく片づけの魔法」というベストセラーがあって、わたしも感心したけど、あの本も、具体的な片づけ方の方法という意味では他の本と大して違うことは書いていない。ただ、「片づけよう」と思わせる力がスゴかった。それと同じで、この本についても、この本が言っている絵の描き方はとても簡単なことだが、実践している人は非常に少ない。そして、スゴくやる気にさせる。

絵が多くて非常に読みやすい本でもあるし、ビジネス・仕事術・プレゼン術みたいなことに興味のある人は読んで損はないと思う。わたしとしては、普段は絵も描かないし、こんなビジネス書には手も伸ばさないが、なんか妙に魅かれるものがあって手を伸ばして、正解だった。以来、何かと絵を描くようにするようになって、まあ、それでもなかなかクリアできない問題もあるが、少し視野が開けた気もする。

After having read this book, I have been drawing diagrams everyday. I hope it help me to get out of the troublesome situation that I am now in.

Portfolio (2016/9/13)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0399562990

2016年12月13日火曜日

Sarah Cooper "100 Tricks to Appear Smart In Meetings" [会議で切れ者と思われるための100の方法]

「会議でスマートに見せる100の方法」ということで翻訳も出ているそうで、実際その通りの内容だ。スマートという言葉は誤解を招くかもしれないが、「切れ者」くらいの感じ。

著者は笑かそうとして書いているんだと思うが、わたしが見た感じでは、会議における典型的なアメリカ人の振る舞いのコレクションというところで、そこまで笑えるわけではない。基本的にアメリカ人は芝居がかっているし、これくらい普通としか…。いわゆる「意識髙い系」の新人などが読めば、普通に役立つ感じがある。純粋にお笑いとして考えると、「仕事をサボろう」というよりは「上手くやって出世しよう」という軸で書かれているから、わたし的には気持ちが離れる。

While I understand the author trying to be funny, which she is, for me it is a collection of typical and stereotypical Americans' behaviors in meetings. Many Japanese hope to act like Americans, as elsewhere in the world, as we see in the theatrical TED presentations, so this book makes a great coursebook for them. I am serious.

Square Peg (2016/10/6)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1910931189

2015年10月4日日曜日

Scott Adams "Dilbert 2016 Day-to-Day Calendar"

今年もそろそろカレンダーの時期で、定番のディルバート日めくりカレンダーを確保した。近頃はIT業界でもDilbertを知らない人が増えてきた気がするが、簡単に言えばIT業界を舞台にしたマンガである。エンジニア目線で事務方や営業を皮肉る内容が多い。色々な日刊紙に掲載されているほか、Webサイトdilbert.comでも読める。従って、単にマンガを読みたいだけなら、コミックもカレンダーも買う必要がない。IT業界マンガと言えば、日本では最近「お話になりません」が気に入っているが、DilbertカレンダーでアメリカのIT業界の空気を漂わせるのも乙なものだ。来年も一年お世話になるだろう。

A classic comic calendar. My stable on the desk.

Andrews McMeel Publishing; Pag版 (2015/6/9)
英語
ISBN-13: 978-1449465148

2014年7月18日金曜日

Morry Sofer "Global Business Dictionary: English, Chinese, French, German, Japanese, Russian"

これはビジネス辞書というより、ビジネス用語六か国語対照表と言ったところ。Amazonに表示されているタイトルが間違っているが、見出し語は英語で、対応する中国語・フランス語・ドイツ語・日本語・ロシア語が挙げられている。日本語だけ見ているとどうかというような訳語もあるが、特に完全に定訳のある専門用語などでは正確なようだ。フランス語やドイツ語については、ほぼ間違いないと思われる。もちろん、それぞれの言語の辞書で引きなおして確認することは必要だと思うが。

何語のどの専門分野でも、一般的な辞書を使っているととんでもない間違いをすることがある。特にわたしの場合はフランス語のビジネス辞書が必要なのだが、最も頼りになる白水社の「経済フランス語辞典」は入手困難である。古いとは言え素晴らしい辞書なので、是非改訂して再版して欲しいのだが・・・。もちろん、英仏あるいは英和であれば、他に色々あるが、間接的にでもフランス語と日本語が接続しているビジネス辞書を探すと、まあこれくらいのところ。さらに、ドイツ語・中国語・ロシア語もついてくるから、わたし的には効率的だ。リアルに正確な翻訳のためには、この本は参考にしかならないが、それでも第一歩にはなる。

Schreiber Pub (2005/10/30)
ISBN-13: 978-0884003090

2014年1月30日木曜日

Ann Dix "Teeline Fast"

Teelineとは英語の速記術で、これはその入門書。フランス語のディクテで、「全部聞き取れているのに書ききれない」というフラストレーションから買ってみたが、買ってから分かったが、Teelineは基本的に英語向けである。結局、なかなか独習は難しいという結論である。まあ、これを参考に独自の速記法を開発したりしてもいいかもしれない。

A good primer to Teeline system.

Heinemann (2012/2/8)
ISBN-13: 978-0435453527

2013年6月25日火曜日

Liz Gallacher, Helen Morris "ITIL Foundation Exam Study Guide"

先ほどITIL V3ファウンデーションの試験を受けてきた。知らない人のために解説すると、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)とは、ITサービス管理の共通フレームワークで、ITIL V3ファウンデーションとは、その知識を認定する初歩的な資格である。近頃はITILがITの現場に非常に普及してきたので、資格を取らないとしても知識はあったほうがいいし、知らない人でも、ITILに由来する言葉遣いは日頃耳に入っているはずだ。内容的にIT技術というよりはビジネス寄りなので、技術者としては興味の薄いところかも知れないが、逃げてばかりもいられないだろう。もちろん、管理職なら必須と言える。

試験は26/40で合格だが、わたしの点は35/40だった。ほぼ満点のつもりでいたので心外だが、やむを得ないところがある。今までわたしはCBTで数えきれない数のIT系の試験を受けてきた。ほんの一部を挙げるとOracle Master Platinum, MCSE, MCDBA, LPIC, DB2, Java...。まだまだあるが、すべてについて言えるのが、翻訳が酷くて、問題文が日本語として成り立っていないことが多々ある。ITILも同じで、何とか元の英文を復元しようと考えるが、どうしても意味が分からない問題がいくつかあった。つまり、それがその間違った5問なのであろう。英語で受けるべきだった。

結論としては、この本一冊で試験に通る分には問題ない。内容も非常にしっかりしていて、日本語でこれに匹敵する本はない。特に掲載されている練習問題が、日本語の対策書と比べると格段に優れている。ただ本質ではない、いくつかの欠陥があり・・・。

     
  • 日本語で試験を受けたり、日本語で仕事をしたりする時に訳語が分からない。
  •  
  • 実例が乏しく、ITILの理論的な説明に終始しているため、初心者がいきなり読むと退屈する。
とはいえ、最強の対策書には違いないので、ある程度下地のある人には強くお勧めする。または、日本語で日本的な実例とともに解説した本を読んだ後で読むのもいいだろう。

というわけで、以下、ついでにいくつか和書も。

「IT Service Management教科書 ITIL V3 ファンデーション 第2版」(株式会社日立システムアンドサービス、翔泳社)・・・これは必読。おそらくたいていの人がこの一冊で合格しているものと思われるが、少し不安ではある。落ちたという報告もあるし。

「ITIL V3 実装の要点」(久納信行、技術評論社)・・・売り込みが酷い。多分著者はITILで食べているんだろう。一問一答で読みやすいが全体像がよく分からない。一通り把握した後ならいいかも。

「ITIL V3実践の鉄則」(久納信行、技術評論社)・・・これはITIL V3のコアブックに沿った日本語解説であり、クセも少なく、わりと安心して読める教科書。

「ITILの基礎 ITIL V3 ファンデーション試験 対応」(官野厚、毎日コミュニケーションズ)・・・これもコアブックに沿った単なる解説だが、平板でややとっつきにくいか。模擬試験問題にやや疑問が残るほか、タイトルで言うほど試験に対応していない気がする。

「要点解説 ITサービスマネジメント [ITIL V3][JIS Q20000]対応」(黒崎寛之、技術評論社)・・・半分以上がJIS Q 20000の解説でITIL V3の部分は前半にあるが、そんなに違うわけでもないし、この本で初めて腑に落ちることもあった。良心的な本だ。純粋に試験対策ということなら無用かもしれないが、志の高い人にはお勧めしたい。

2013年6月10日月曜日

Michael W. Preis, Matthew Frederick "101 Things I Learned in Business School"

この本は「ビジネススクールで学ぶ101のアイデア」ということで、ぱっと見、原著に忠実ぽい日本語訳も出ている。わたしとしては、この本というかシリーズはもっと評価されるべき。確かにいくつか明白な欠点があり、たとえば、内容があまりにも初歩的だとか、根本的に内容が薄過ぎるとか、体系性が全くないとか、版形が変で書棚に収まりにくいとか・・・。

確かにあっと言う間に読めてしまうので、その意味では損だし、体系性がないから何か「良い物を読んだ」気にはならない。言ってみれば、ビジネススクールで教えている重厚っぽい体系性のある理論を爆破して、面白そうな破片を101集めたような感じで、真面目な勉強家のカンに障るのも分からなくはない。

しかし、もともとビジネスというゴチャゴチャmessyな世界に取りつくろった体系性を持ち込むのも正しいのかどうかと思うわけです。むしろ、この本みたいに、適当なアイデアをランダムに配置しているほうが本来的な気がする。その中に、二、三個面白く思うアイデアがあればいいし、もちろん、リアルにビジネスをしている人は、一つ一つについて、自分の仕事と関連させて考えることもあるだろう。一例としては、個人的にはCannibalism推奨とか少し感心した。色々な考え方があるものだ。このシリーズは他にも出ているので、カードみたいにして、ランダムに二つのアイデアを組み合わせて理屈をこねても面白いかもしれない(面雀)。

Many say this book is too thin, lacks depths or organization. It looks as if authors blew up the well-organized curriculum of business school and collected some beautiful fragments or debris and arranged them in one cute box. I love the concept, especially because doing business is not a neat task and defies any formalization. This book is for business people, not for scholars.

2013年1月6日日曜日

Peter F. Drucker "The Daily Drucker"

これは「ドラッカー365の金言」という日本語訳もあるけど多分良くない。参考までに本文の冒頭を対照して見よう。

(原文)The proof of the sincerity and seriousness of a management is uncompromising emphasis on integrity of character. This, above all, has to be symbolized in management's "people" decisions.
(訳文)真摯さを絶対視して、はじめてマネジメントの真剣さが示される。それはまず人事に表れる。

この訳文で意味が分かる人がいるとは信じられない。しかし、実際には日本語訳を読んで感動している人もいるので勝手にすればいいと思うが・・・。

内容はというと、ドラッカーの名言集みたいなことで、ドラッカーの著作からの抜粋が、一日一つ、一年分収録されている。出版年も新しいし、多分、ドラッカーの言い分の概要を把握するには最善だろう。ドラッカーは特に日本で流行しており、従ってその有用性は非常に疑わしいが、翻訳のせいかもしれないし、何より流行っているのだから、一応この本くらい読んでおくのは悪い考えではない。毎日、リード文・抜粋・"Action point"の三部構成であり、言っていることは普通にそこらの経営者の言いそうなことばかりだが、それだけドラッカーが普及しているということかもしれない。

実際には、たいていの名言集がそうであるように、これも経営者が自分の考えをバックアップする名言を調達するのに使われているのだろう。だから、翻訳が上記のようなことでも構わないというか、曖昧なほど良いのかも知れない。そして、やはりたいていの名言集がそうであるように、互いに矛盾するようなこともあるから、ドラッカーを引用する奴に対してドラッカーで反撃することも可能だろう。まあこれだけ流行っているのだから、一冊この本くらい読んでも損ではなかったというような。

Drucker is very popular among people in management of Japanese companies, which casts a serious doubt over the usefulness of his writings. But at least he is very popular in Japan and I felt obliged to read at least one of his books and this book is it. I assume this book is a fairly good summary of his writings which are too voluminous to read all.

2012年11月8日木曜日

Nancy Duarte "Resonate: Present Visual Stories that Transform Audiences"

評判だし、プレゼンをする機会がないこともないので読んでみたが、こういう本にしては多分良い部類なんだろう。この本の言うプレゼンは営業的な意味合いが強く、従って感情の煽り方が重視されており、聴衆の思考力には期待していない。巧言令色みたいなニュアンスが付きまとうのは避けられず、そこに引っかかる人はこんな本は読めない。ただし、他人のプレゼンを冷たく裏読みするのには役に立つというような・・・。

それにしても、たとえば、聴衆の気を引くために数字を出すという手法があるが、「毎日x人が死んでいます」みたいな数字は、「またこのパターンか」くらいで記憶に残ったためしがない。いかにも「プレゼンの手法を勉強した人」みたいな印象は受けるし、それこそが重要ということもあり得るが。ゴミの排出量を東京ドームで表すなら、埋立地やゴミ処理場の能力も東京ドームで表してもらわないと意味が分からない。早い話が、流暢なプレゼンを心地よく聴いて後に何も残らないより、多少、客に頭を使わせたほうが良いこともあるんじゃないかね。

細かい話はキリがないが、この本の最大の欠点は、この本自体がプレゼンとして面白く無さ過ぎるということだった。ただ、アメリカでも評判みたいなので、社内社外の営業活動をする人は読んで損はなさそうだ。大学で講義するとかいうことだと、多分あまり参考にならない。

Rumor has it that this is the best book of its kind. I seldom read this sort of book. I can only say that this book itsself is rather boring.

2012年2月29日水曜日

Robert M. Bramson Ph.D. "Coping with Difficult People"

「困った人たち」との付き合い方というわけで、十年以上前にブームになったジャンルの元祖。こういうのは大抵元祖は越えられないんだけど、個人的には後追い本も読みたくなった・・・。

"difficult people"が分類されていて、それぞれの対処法が書かれているんだけど、ここで言う"difficult people"というのは、主として、対人態度がなっていない人のことを言う。つまり、傲慢だったり、陰口ばかり言っていたり、怒鳴ってばかりとか。これはなかなかの限定だ。

もっと根本的に困った人、たとえば完全主義者だとかmicro managerとか利己主義者だとかいうような問題は対象ではない。また、もっと具体的に困った人、たとえば、遅刻ばかりするとかストーカーだとか自分の非を絶対に認めないとかも対象ではない。

対象を限定しても、なお対処法はバラバラで、共通の要素は少ない。役に立つというより、痛快がって読まれているような疑惑もある。まあ、なかなか話しにくい個人的な問題を客観的に描いてくれるのは、それだけで気が楽になるということもあるのだろう。

この本のブームの後、バラバラの対処法からわずかな共通項を取り出したのが"assertiveness"ということになるんだろうか。この本がアメリカンな感じがするというのは、全ての対処法に共通して「はっきり言う」というのがあるからで、これが日本人の発想ではない。「ご不満な点もあるのかも知れませんが、わたしはこの提案が現在最善であると考えています。もう一度着席して最後まで話を聞いてください」「今おっしゃったことは当てこすりに聞こえましたが違いましたか?」もちろん常に直接対峙が良いとは全く言っていないが、assertiveとはこういうことだ。

といっても、assertiveness本は、問題を一個人に限定してしまう傾向があり、その時点で不自由だ。重要なのはもっと実用的な会話マニュアルだったり、フレーズ集だったりのはずで、この本も、そういうフレーズを拾えるのが主たる利点であった。フレーズというか「言い方を知っているかどうか」というのは、結構致命的なことで、知らなければグダグダになってしまう所でも、知っていれば冷静に、アメドラのように話せる。というか、アメドラの吹き替えのように話すことを心がければ、自動的にassertivenssが付属してくるような気がしてきた。何にしろ、色々考えさせてくれている時点で、これは良い本であった。

Classical book of this genre. In this book, "difficult people" means people who have bad habitual general attitude toward others. Apparent menace toward a particular person is out of its range. Or more concrete problems, such as "being always late", are also out of its range. This seems a great limitation, but still there are a range of difficult people and coping procedures... I guess the greatest common denominator would be "assertiveness". But Books on assertiveness tend to focus on only one person, you. That is not how assertiveness grows. What we need is just "phrases to use". And in that regard, this book is pretty good, though I want to read more.


2011年8月14日日曜日

Mary Jo Hatch "Organizations: A Very Short Introduction"

In my eyes, well written but just a bunch of obvious observations chiefly on business organizations. If you are not familiar with sociology or social psychology, this book may be a good introduction. Maybe a textbook for MBA or something like that? There are a lot of famous quotes from major sociologists and psychologists. Since I knew them very well and in some cases better than the author, I am not in a position to judge this book.

組織とは何かという話なんだけど、正直なところ、わたしには当たり前のことがひたすら書いてあるようにしか思えなかった。ただし、これはわたしが社会心理学とか、特に社会学に通じているからで、そういう背景がない人が読んだら感想が違うかもしれない。有名な社会学者や心理学者の引用がいっぱいある。わたしとしては、知っている引用ばかりなんで、なんとも言えない。MBAの副読本とかそんな感じか。経営の話をする時に、気の利いた引用の一つも言えないといけないかもしれない。


2011年6月10日金曜日

Mark Bowden "Winning Body Language: Control the Conversation, Command Attention, and Convey the Right Message without Saying a Word"

I came across this book by a mere accident. I believe not all the arguments or justifications the author made for his method, but as long as it works, why do I bother? Very helpful for me. Some of the techniques told in this book were familiar to me, but chiefly for purposes of martial arts or health. I never thought they could also be used for business presentations.

これはかなり衝撃的で、世界観が変わる。わたしにこの本の価値を十分に伝えられる気がしない。ビジネスの場でのボディーランゲージの使い方が書いてあるだけで、しかもそれが酷く簡単な話で、「そんな簡単なはずがない」と誰だって思ってしまうようなことだ。著者は舞台仕込みの人らしく、もしかすると芸能人やテレビに出るようなにとっては常識なのかもしれないけど、少なくともわたしは、こんな指導は知らない。わたしがこの本を見つけたのは偶然で、某洋書売り場で違うボディーランゲージの本を見かけて良さそうだと思ったんだけど、念のためにWebで調べたら、この本のほうが評判が良かったから買ったのだった。大差でこっちの本のほうがいい。この本は、基本的なことしか書いていないが、わたしは、この著者はもっと色々なことを知っていると思う。しかし、芝居もそうだろうけど、こういうのは自分で開拓していかないと身にならないのかもしれない。まずはこの本で開眼したので、色々やることができた。

2011年2月11日金曜日

Keith Grint "Leadership: A Very Short Introduction" (Oxford Very Short Introductions)

This is not a "how-to" or "self-help" type of book, and not so an academic book, either. There are some interesting observations in this book, among which I appreciate best diagrams explaining the history of management theories. Overall, however, the way the author tells the story seems pretty random to me. It comprises of random citations from psychology, sociology, anthropology, philosophy, business management, politics, and so on. I don't understand what the author is trying to explain. I read this book only because I am forced to discuss leadership with westerners. Honestly, I would say, "Yeah, I know these topics are fervently discussed by western elite businessmen, which I am not." Well, I would not say this book is a waste of money especially if you have to talk about leadership thing with westerners.

これなあ・・・。英語でこんな話をしないといけないというので、一応全部読んだけど。もちろんビジネスマン向きの自己啓発書ではないけど、大して学術的でもない。一応、社会学・心理学・哲学・歴史・政治学・経営学とかから、ランダムな引用は大量にあるけど。正直なところ、著者が何を説明したいのかよく分からなかった。議論がどこに向かっているのか不明で、思いつきの寄せ集めという印象を受ける。個々の議論は、時々面白いけど。ただ、経営理論の歴史の解説だけは楽しかったな。権限集中と権限分散の繰り返し、科学的管理と情緒重視の繰り返し、それぞれの時代背景。まあ、アングロサクソンのビジネスマンと話をするには、こんな話にも付き合わないといけないというようなことで。