2010年9月8日水曜日

Political Philosophy (Oxford Very Short Introduction)

実のところわたしは政治哲学というものにあんまり関心がなく、サンデル教授が正義について語っても、パラパラ見て、「思いつき言ってるだけやん」と思って放置してしまう。まだ中国や日本の昔の思想家のほうが興味がある。少なくとも、彼らは次の日から現実に適用可能なことを語っている。

現実から離れた・単純化された・異常な状況について、ああだこうだと理屈を重ねるのは楽しいけど、それはそれで終わりというのが、だいたいのわたしの哲学全般に対する思いだ。記号論とかは本当に面白いけど、厳密な議論ほど現実に適用できないというのが、デリダの教えだと思っている。

とは言え、社会哲学がないと困るのは事実だし、それで踊っている人が現実にいるんだから、無視してばかりもいられない。そうすると、「考えてみよう」みたいな本より、単なる学説史紹介みたいな本のほうがいいけど、その点では、この本はわたしには初歩的過ぎた。初学者には良いと思う。理屈を捏ねるのが好きな人は、サンデル先生のほうがいいかもしれない。流行でもあるし。





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