今更だけど、この本はやっぱり挙げておきたい。日本語訳が「道は開ける」とかいう残念なタイトルになっているので、気持ち悪がって手にも取らない人が多いんじゃないだろうか。しかし、読んだ人はみんな絶賛しているし、わたしも絶賛する。大体書店の自己啓発のエリアに陳列されていて、そのエリア全体をバカにしていると、下手をすると一生手に取らない。確かに自己啓発本のルーツではあるんだけど、決して今時の胡散臭い本ではない。むしろ、アメリカ哲学の最後の傑作と言うべきなんだろう。
"Worry"という単語は、「クヨクヨする」という意味もあるが、「イライラする」という意味もある。だから、心配と訳すると意味が狭すぎるけど、基本的に心配性の人のために書かれた本だ。楽天家がこの本を読んでどう思うのかは分からない。わたし自身が心配性だから。そして、別に困ってもいない人に敢えて勧めるのも躊躇われる。
内容は、心配性の人に心配をやめる様々な方法を具体的に教えるものだ。それも胡散臭い呪術的な方法ではなく、激しく古典的な方法が挙げられていく。たとえば、何かに夢中になってしまえば、心配をしているヒマがない。そういう意味では、斬新なことは何も書いていないが、それでもわたしを含めて多くの人が絶賛している。まあ、わたしが説明するより、とにかく手にとってもらいたい。少し大きめの本屋ならどこでも日本語訳は置いてあるし。英語で読んでも易しい。
今ではわたしはたまにしかこの本を見ない。結局、心配をやめるには、単に心配をやめるしかない。心配をやめたいと思っているのなら、やめればいい。分かる人はこれで分かるんだろう。分からなければ、ひとまずこんな本を読むしかない。だから、わたしにとってこの本は、いずれ卒業しないといけない本だ。いつかわたしはこの本を忘れるだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿