目次:1.導入 2.常識から始める 3.議論する 4.用語を明確にする 5.思考実験をする 6.理論を比較する 7.演繹する 8.哲学史を用いる 9.他の分野を用いる 10.模型構築する 11.結論:哲学の未来
目次から分かるように、哲学そのものと言うより、哲学の研究で使われる様々な方法の概要というか、実例込みの紹介というか。多分、哲学科に入ったばかりの学生相手の案内みたいな意図で書かれたのだと思うが、わたしとしては大家による愚痴混じりの業界雑談みたいに読める。これもVSIにはたまにあるパターンだが、久しぶりにこのパターンに出くわした気がしている。
というわけで、素人が興味本位で読むには、ちと哲学の内実自体が少なすぎるし、同僚の悪口が多すぎるんじゃないだろうか。例えば、縄文時代に興味を持った人は、普通に縄文時代に関する本を読むはずで、縄文時代の研究のために使われる様々な手段に関する本には最初は行かないと思うわけですよ…。だから、この本を読むのは哲学に興味を持ったばかりの人ではなく、多少は哲学に足を踏み入れて、これから自分で研究していくか…くらいの人だろう。あと、哲学は法学と同じくらい英米系と大陸系の区別があり、この本は完全に英米系で、大陸系から見れば自然科学や数学を異常に参照する。大陸系に親しんでいる人はかなり違和感があるはずだ。
まあこの本でなくてもVSIに優れた哲学本はたくさんある。記憶に残っているのはMetaphysicsとかLogicだが、この投稿の下のラベル:哲学を踏めばいくらでも出てくる。
One of the VSIs where a cranky old giant talks about his field and his collegues.
Oxford Univ Pr (2020/11/1)
言語:英語
ISBN-13 : 978-0198810001
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