目次:1.自由意志の問題 2.自由意志としての自由 3.理性 4.自然 5.自由なき道徳? 6.自由意志論者の自由についての懐疑 7.自己決定と意志 8.自由と自然の中のその位置
わたしはこの件について特に深い関心もなく、自由意志とは、人間関係を調整するための法的虚構に過ぎないと思っており、しかもそれ以外のマトモな使用法がないと思っているが、著者の立場は遥かに常識的というか、常識に沿うように概念を調整している感じ。割と伝統的であり、単純明快な議論を期待しているムキにはお勧めできない。単純な極論、例えば「人間の意志は脳の物理的動作によって必然的にか偶然的にか決定されている」というような言い分に、著者がどう答えるのかも明らかでない。多分「そのように我々は日常的に理解していない」となるのだろうか。著者の関心は自由意志に関する日常的な理解の防衛にあるようだ。無論、常識は価値があるから常識なのであり、そうして人間は進化してきたのだし、法学者には都合がいいだろうが、常識と別に真相があるかも知れないと考える人には物足りないだろう。関心の向きが違うと言えばそれまでだが、総じてぼんやりしている印象があるが、関心の持ち方が著者と合う人もいるかもしれない。
In my opinion, this book failed to repel extremists.
Oxford Univ Pr (2004/8/5)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0192853585
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