2017年11月20日月曜日

Cas Mudde,‎ Cristobal Rovira Kaltwasser "Populism: A Very Short Introduction" [ポピュリズム:非常に短い入門]

目次:1.ポピュリズムとは何か 2.世界のポピュリズム 3.ポピュリズムと動員 4.ポピュリズムの指導者 5.ポピュリズムと民主主義 6.原因と反応

近頃目立つ話題なのでVSIも流れに乗ったということか。わたしの理解したところでは、要するにポピュリズムとは、「庶民のため」という主張以外に特に深いコンセプトのない政治運動というところだろうか。庶民の反対側には、もちろん既得権益がいて、それがどう定義されるかは状況によって適当だったりする。無暗に危機感を煽るとか矢鱈気の強そうなリーダーとか共通点はあるものの、要するに、見世物感が重要で、内容が重要でないというのが論点なんだろう。元々ポピュリズムという言い方自体にネガティブなニュアンスがあるし。それより、この類の政治理論書の通例で、理論自体より、紹介される事例が面白かったりする。主張が不明のまま、なんか既得権益を潰してくれるというイメージだけで勢いを得るのは、日本に限ったことではないということで。

A good overview over populism movements around the world and a theory.

Oxford Univ Pr(2017/2/1)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0190234874

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