2013年2月28日木曜日

Dan Brown "The Da Vinci Code"

これもかなり前、と言ってもブームが終わってから読んだ。売れただけのことはあって、面白かった。ただ、専門用語が多いので、英語の難易度はわりと高いんじゃないかと思う。一応ミステリなので、多読とか言って雑な読み方をするのには向かないだろう。

So famous a book that you could not waste time. Whatever your preference is, it is at least mildly interesting, I hope.

Courtney Cooke, Bruce Lansky "Conversation Starters: 52 Personal Questions to Help You Get to Know Each Other"

Meadowbrook (2004/6/22)
ISBN-13: 978-0684019239

これは本ではなく、52枚のトランプみたいなカードだ。片面に会話の切っ掛けになるような当たり障りのない質問が書いてある。欧米の上流階級は家族の会話というものを大切にするから、家族や親戚の集まりで使ったりするらしい。わたしにはちょっと想像のつかない世界観だが。三つだけランダムに選ぶと

  • What's the luckiest thing that ever happened to you?
  • What's the most romantic movie you've ever seen? What was the most romantic moment in the movie?
  • What do you think your main accomplishment in life will be?

これに限らず、英語圏には"Conversation Starter"というタイトルの本は多く、模範会話例までついていたりするようだ。一方、日本語圏ではほとんど見ないような気がする。アメリカ人やイギリス人がやたら話が上手いのは、一つにはこういうので普段から訓練されているからなのだろう。そして、もしかすると日本人もこういうので訓練するべきなのかもしれない。もちろん、全部英語だから、英会話の訓練にも使えるだろう。

実はわたしは一度だけこれを実用したことがあるが、どうも上手くいかなかった。少なくとも持ち出す側は、事前に予習しておいたほうが良いかもしれない。むしろ、子供の集まりとかのほうが有効かもしれない。もちろん英語ができるのが前提だが。多少、ゲーム感もあるし、日本でもこういう企画をすれば、そこそこ売れるんじゃないかな。

I guess this product is great for those who have conversation skills. For me, it did not work. Believe me, but it is not my English ability. It is just that I am plainly boring.

2013年2月27日水曜日

Mark Bevir "Governance: A Very Short Introduction"

Oxford Univ Pr(2012/11/25)
ISBN-13: 978-0199606412

わたしの周りでは数年ほど前から特に国際機関関連で「ガバナンス」という言葉が流行りだし、ちょうどVSIで出たので読んでみた。結論から言うと、研究分野としては「面白いテーマではあるが深入りしたくない」というようなことだが、身の周りについて考えてみると、多分、誰でも思い当たる節があるし、誰でも色々考えることがありそうだ。わたしも自分の業界について色々考える材料ができた。というわけで、これはVery Short Introductionで読むのが最適なテーマである。

わたしの理解した限りで「ガバナンス」とは何かを解説しよう。従来、学問の世界では、「統治」というものは、ヒエラルキー・権力・従属関係を前提に、法律・規則・命令などの強制手段によって行われるものということで研究されてきた。しかし、20世紀の終盤頃から、グローバリゼーションだとか新自由主義だとか小さな政府だとかで、ヒエラルキーよりも、市場やネットワークといった構造のほうが重視されるようになった。それに伴い、統治の方法も直接的な強制よりも、市場原理や個人間の交渉や暗黙のプレッシャーなどに重点が移されるようになった。この重点の移行を明示するために流行した言葉が"governance"である。

統治を市場原理に任せてしまうのは分かりやすい。やり過ぎて酷いことになっているのは新自由主義に流れた国ではどこも同じだ。ネットワークの統治の例を挙げると、食品安全基準を強制するのに、法律を使わずに、生産者を明示しない商品はヤバいというような社会的雰囲気を作り上げるとか、一つの問題に縦割り行政でなく官民多数の組織をオーバーラップに構わず協調して取り組むとか。良く言えば柔軟な対応だが、もちろん責任者が不明になる欠点もある云々。今書いたのはほんの一例だが、本書では、具体例として、特に、企業統治(特にCSR, Corporate Social Responsibility)・政府・国際問題の三分野を説明している。なかなか興味深い上に、誰でも自分の会社・業界について考える材料を得られるのではないかと思う。

A concise overview about "governance", which I have been hearing around since several years ago. Easy to read and provides lots of ideas which you can use in your field of specialty.

2013年2月19日火曜日

Andrew J. Vickers "What is a p-value anyway? 34 Stories to Help You Actually Understand Statistics"

これもダラダラ読んでいるうちに「p値とは何か」ということで翻訳が出たようだが、amazon.co.jpでは、翻訳の評判は散々のようである。多分その通りなのだろう。

内容はと言うと、統計学を現実に応用する際の注意点を色々書いたもの。縦書き啓蒙書とは一味違い、数式はほとんど出ないものの、あくまで統計理論をある程度学んでいることが前提だ。わたしはこの前、統計検定2級を受けてきたが、その程度で十分。さすがに3級では無理。統計の誤用を論うのがメインテーマではあるが、理論寄りなので、経済学で少し統計を学んだ程度のビジネスマンが読んで意味が分かる部分は限られているのではないかと思う。この本を読んで統計学が学べるわけではないし、入門書でもないが、副読本としては必読書ではなかろうか。

Very good and essential reading for statistics lovers. There's not complex formulae but not for beginners. Readers must know at least how to calculate p-value. Its main theme is several problems arising when one applies statistics to real-world situations.