Psycholinquistics (Amazon.co.jp)
目次:1. 心理学と言語学の関係 2. 言語を理解すること 3. 言語を生成すること 4. 会話と対話 5. 読むこと 6. 言語処理の個人差 7. バイリンガルであること 8. 手話と手ぶりの心理言語学 9. 次は何?
わりと最初のほうでgarden-path文の例が惹き込まれる。garden-pathというのはヨーロッパの迷路文化を前提にした専門用語だが、例えば次のような文を言う。
The horse raced past the barn fell.
これは完全に文法的に正しい英文だが、一発でまともに読める人はほぼ皆無という話だ。この類の文をめぐって様々な研究が行われているが、研究内容というよりは、こういう例自体が面白い。
しかし、結局、この本のピークはこのあたりだった。ほかにも色々な話題があるが、どれにしても「その程度のことしか分かっていないのか」「まあそうでしょうね」という感想しかない。
バイリンガルの件はちょつと面白かった。バイリンガルが老年性痴呆の抵抗因子であるということは確定しているらしいが、さらに言語以外の認知機能についてプラスかマイナスかという話がある。結論としてはよくわからないのだが、バイリンガルが認知機能にとって+/-という話と、移民差別/反差別の話がリンクしているらしい。
人によってはもっと拾うところもあるかもしれない。わたしとしてはイマイチだった。
Oxford Univ Pr (2025/4/23)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-0192886774