論理学の入門というところだが、今時の記号論理学とかいうことではなく、古典ギリシアから近代まで普通に教えられていたいわゆる伝統論理学。別に古いからと言って使えないわけではないし、この基礎がなくて記号論理学や非古典論理とか言っても仕方がないし、正直なところ、この程度の入門書でもショーペンハウアーの議論術なんか不要になる。もっとも一般的には流行る話ではない。古典論理学は中世にほとんど完成されているし、実質が必要なら現代風の分かりやすい本なんかいくらでもある。
わたしはというと、学生時代にわりと真剣に伝統論理学をやったことがあり、ラテン語も読んでいたので、三段論法の格式(Barbara, Calarent...)とか真面目に覚えていた。ただただ懐かしい。ノスタルジーは別として、ではどういう人がこの本を読んだり、またはもっとちゃんとした伝統論理学を勉強するのか考えると、多分、カントだのヘーゲルだのを真面目に勉強しようとしてる人かと思う。本気の勉強にはもちろんこんなのでは無理だが、雰囲気を知るだけならこれで済む。現代論理学を勉強するに当たって伝統論理学も知っておきたいということなら、この本で当りをつけるのも妥当なところかもしれない。
Bloomsbury Pub Plc USA(2016/9/13)
言語: 英語
ISBN-13 : 978-1632864451
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