2024年2月6日火曜日

Cecelia Watson "Semicolon: The Past, Present, and Future of a Misunderstood Mark" [セミコロン:誤解された記号の過去現在未来]

Semicolon (Amazon.co.jp)

目次:序章.愛と憎しみとセミコロン 1. 深い歴史:セミコロンの誕生 2.セミコロンの科学:アメリカ文法戦争 3.セクシーなセミコロン 4.緩い女性と禁酒法:セミコロンがボストンを混乱に陥れる 5.慈悲の詳細 6.セミコロンを石に刻む 7.セミコロンの賢者たち 8.説得と気取り:セミコロンはスノブのためのものか? 終章.規則に反して?

タイトルの通りだが、著者自身は元々「正しい英語」にやたら拘って研究していた過去があるが、ある時急にアナーキストになったようだ。たまにこういう人いるよね…。そしておそらくトレンドでもあるだろう。日本語でもやたら「正しい日本語」を強要する時代と、「文法学者のほうが現実に合わせろよ」の時代が入れ替わる。わたしとしては「なんでNHKに正しい日本語を決める権利があんねん」とか思っているほうなんで、良い時代になったと思っているが。

実はその点がこの本の主たる主張みたいなところがあり、わたしとしては、その点に関しては著者にそんなことを言われるまでもない。どっちかというと「正しい英語」派の人が読んで改心するかどうかという本だろう。個人的に面白い所としては、法律関係で「句読点の解釈で法解釈が変わる」みたいなところくらいか。こういうことがあるので国家権力が正しい日本語を決める必要もあるわけだ。他のところは、まあ一応セミコロンの歴史を辿ったり、正典文学の中でのセミコロンの使用に随想をくっつけたりしているが、基本的には要するにセミコロン随想というか、無駄口が多くて面倒くさい部分も多々あり。

全体的には軽い読み物。あとはこの著者の趣味が合うかどうか。英文を書く時の参考にする人もいるかもしれないが、わたし自身はまず使うことはない。使うチャンスがないわけではないが、要するに気取る必要がないという…。

Ecco (2019/7/30)
言語: 英語
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-0062853059

2 件のコメント:

  1. 電験二種合格おめでとうございます!

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  2. ありがとうございます。もうこれ以上難しい試験は受けないだろう。

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