目次:1.最初の恐怖からの救出 2.小ささの様々な程度 3.相対的成長について 4.最も簡単な場合 5.次の段階:定数をどうするか 6.和差積商 7.連続微分 8.時が変化する時 9.有益な回避法の導入 10.微分の幾何学的意味 11.極大値と極小値 12.曲線の曲率 13.他の有益な回避法 14.真の複利と有機的成長の法則 15.sinとcosをどう扱うか 16.偏微分 17.積分 18.微分の逆としての積分 19.積分で面積を求めることについて 20.回避法と落とし穴と勝利 21.いくつか解を見つけること
初版は1910年の歴史的名著とされている。内容的には初歩の微分から最後は一応簡単な微分方程式まで。演習問題は完全解答付きだが、そんなわけで一々解いていない。特徴としては、極限とかその他の厳密な議論をすっ飛ばしており、基本的には直観に訴えている。優れたヴァイオリニストがヴァイオリンを自作できる必要はないとかいう理屈で、まあ、今でも微積のこういう教え方は時々あると思うが、その元祖くらいなのかもしれない。にしても、ここまで乱暴な本はあまりないかもしれない。著者も言っているが、多分、同僚からボコられるんだろう。
そんなこともあるし、タイトルからして軽く見られそうだが、一応しっかりした微積分の入門書である。少なくとも高校程度の微積分はカバーしているし、演習問題もしっかりある。ただ、普通の大学のカリキュラムと整合しないと思われ、この本だけで微積分を済ませるわけにはいかないのが現実だろう。他方ε-δみたいな普通のカリキュラムは、何をそんなに気にしてそんな必死に議論をしているのか数学者以外には謎と言う問題もあり、どうかみたいな。
わたしにはどっちがいいのか判断する資格はないが、工学的な計算ができればいいだけなら、これで良いのかもしれない。少なくとも電験一種くらいならこれくらいで十分だろう。あるいは、微積分を教える側にとって有益な本かもしれない。
The easiest possible introductory course for calculus.
Independently published (2022/1/11)
言語: 英語
ISBN-13 : 979-8799511098
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