いわゆる幸福論。数理論理学者でありノーベル文学賞受賞者でもあるラッセルの大量の著作の中で最も読まれているものだろう。中心的な主張は「自分のことを考えれば考えるほど不幸になる」というところだと思う。実践的なアドバイスもあるが、概ね良識的で変に極端な思想はない。そこが詰まらないというのも分かるが、本人も言っている通り、真実は斬新であるとは限らない。書かれた時代の制約もあるし、ラッセル自身の偏見もあるが、そんなことも考えながら読んで損はないだろう。そもそもが常識的な処方箋が展開されているだけで、衝撃を受けるような著作ではない。わたしも別にラッセルを崇拝しているわけではないが、退屈はしなかった。
内容はそんなこととして、ラッセルの文章はある程度以上の高校生なら大学入試対策の英文解釈という枠で今でも結構読まされていると思う。模範的な英文で読みにくくもない。当時でも易しい文章を書く人だと思っていて自主的に大量に読んでいた。そういうノスタルジーも含めて読む人も多そうだ。
Writings of Russell are treated as examplary English and often utilized for educational purposes, particulary in higher educations. Very practical, isn't it?
Routledge(2015/8/27)
言語:英語
ISBN-13:978-1138127227
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