2016年12月15日木曜日

Arthur Conan Doyle "A Study in Scarlet" [緋色の研究]

有名なシャーロック・ホームズとワトソンの最初の登場作品。今更紹介するような小説でもないので以下個人的感想。

とにかく退屈する部分がなかった。キャラが魅力的というだけでなく、やっぱりストーリー・テラーなんだなと思う。中盤にユタ州の話がかなりあり、モルモン教への偏見に満ちているという評判だが、それはそれとして、ここも読ませる。わたしですら、そこそこ感情的に読んだ。復讐というテーマもわたしにハマる。終わり方は犯人が救われ過ぎて気に入らないが、まあ仕方がないかと思う。英語も特に読みにくい気はしない。

内容的にホームズを初めて読むという人にお勧めかどうかは分からないが、まずこれが第一作なのだから、順に読んでいく手もあるだろう。わたしとしても、これから出版年順に少しずつ読んで行こうと思う。

This novel is really exciting and contains no boring part, which is remarkable for such an aged classic novel. This is the first novel of Sherlock Holmes series and I will continue reading all the followings.

Wisehouse Classics (2016/5/9)
言語: 英語
ISBN-13: 978-9176372432

2016年12月13日火曜日

Sarah Cooper "100 Tricks to Appear Smart In Meetings" [会議で切れ者と思われるための100の方法]

「会議でスマートに見せる100の方法」ということで翻訳も出ているそうで、実際その通りの内容だ。スマートという言葉は誤解を招くかもしれないが、「切れ者」くらいの感じ。

著者は笑かそうとして書いているんだと思うが、わたしが見た感じでは、会議における典型的なアメリカ人の振る舞いのコレクションというところで、そこまで笑えるわけではない。基本的にアメリカ人は芝居がかっているし、これくらい普通としか…。いわゆる「意識髙い系」の新人などが読めば、普通に役立つ感じがある。純粋にお笑いとして考えると、「仕事をサボろう」というよりは「上手くやって出世しよう」という軸で書かれているから、わたし的には気持ちが離れる。

While I understand the author trying to be funny, which she is, for me it is a collection of typical and stereotypical Americans' behaviors in meetings. Many Japanese hope to act like Americans, as elsewhere in the world, as we see in the theatrical TED presentations, so this book makes a great coursebook for them. I am serious.

Square Peg (2016/10/6)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1910931189

Eleanor Nesbitt "Sikhism: A Very Short Introduction" [シク教:非常に短い入門]

目次:1.導入 2.ナナク師と最初の継承者たち 3.グラント・サヒブ師 4.ターバンとカルサと行動規範 5.現代シク教の形成 6.インドの外のシク教 7.カースト・ジェンダー・他の信仰に対する態度 8.シク教と第三千年紀

知らない人もいるかもしれないが、シク教は主としてインドのパンジャブ地方の宗教で、信者数は2000万人超というから、なかなかの勢力である。インドの多数派はヒンズー教だが、我々がインド人をイメージする時に頭にターバンを巻いているのがシク教徒ということらしい。西洋的にはイスラム教徒と見分けがつかずに無意味な差別が横行することもあるらしい。インドにはもちろん、ムスリムもいるが、日本人としては、あまり間違えないところである。

実際、本書を読んでいると、イスラム教やキリスト教よりは随分寛大な印象を受ける。まず、他人を改宗させなければならないという発想がない。宗教はそれぞれでいいんじゃないのくらいの話で、特に他宗教を差別する思想がない。もちろん、歴史的にはシク教徒に対する迫害もあり、それに対応して尖鋭化したり、母体であるヒンズー教との差異を強調しようとしたりすることもあったようだが、その割には寛大さを維持し続けている。わりと日本人にはなじみやすい考え方と思われる。そして、インド人がたいていそうであるように、教義上はカーストを否定していながら、実生活では未だにカースト意識が抜けない。困ったものだ。日本語ではあまりシク教の分かりやすい入門書もないようで、この本くらいが一番だろう。

While Japanese people seldom confuse Sikhs with Muslims, this book still provides great insights about this religion or lifestyle. I guess Westerners with little knowledge about Sikhism will gain great benefit from learning Sikhism.

Oxford Univ Pr 2nd ed. (2016/07)
言語: 英語
ISBN-13: 978-0198745570

2016年12月2日金曜日

Jeff Kinney "Diary of a Wimpy Kid # 11: Double Down" [軟弱な子供の日記11: 倍賭け]

当たり外れなく面白いこのシリーズも11巻に突入し、翻訳「グレッグのダメ日記」も続いているようで、人気があるんだろう。毎度繰り返すけど、原文で読む事を強く推奨する。翻訳の質とかは見ていないので知らないけど、英語は易しいので、英語で読むに越したことはない。マンガみたいなものだし。

毎度予約で買って直ぐに一日か二日で読んでしまっている。わたしの感想としては、「自分が良い両親の元に生まれたとしてもこんなもんだったかな」というところだ。主人公の家庭は、アメリカで富裕層とまでは言わないまでも、上流と言える。まあ、そうでなければ軟弱な子供が明るく生きていくのは難しい。現代日本でも、広い自室に自分のテレビやゲームやPCが装備されている子供は、庶民とは言えないだろう。・・・などと下流の軟弱な子供だったわたしは考えるが、児童文学などというような立派なものでもなく、マンガと思ったほうがいい。わたしは「多読」とかいう英語トレーニングを蔑んでいるが、多読に向いているのかもしれない。

It was a nice reading as usual. One of my favorite series.

Harry N. Abrams (2016/11/1)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1419723445