予約買いで期待を裏切られず、一気読みした一冊。まだAmazon.co.jpではあまり売れていないようだが、.comのほうでは既に大絶賛されている。コアなファンのせいで過大評価されている気がしなくもないが、わたしも相当なファンなので判定できない。著者のサイトによれば、日本語訳は早川書房から出るらしい。余程下手を打たない限り日本語訳でも売れると思うが、出版時期が不明なようだ。普段から
xkcdを読んでいるファンであれば、"xkcd volume0"は買わなくても、この本は買って損はない。
xkcdを知らない人は単にサイトを見てもらったほうが早いが、元NASAのロボット技師が週に数本短いマンガを描いているもので、タダで読めるから、数本読めばテイストが分かるだろう。かなり理系度が高めではある。
この本にも結構な頻度でマンガが挟まれるが、基本的には文字の本で、読者から寄せられたムチャな仮定上の質問にバカ正直に科学的に考えて答えていく形をとっている。中には面白いものやそれほどでもないものが含まれるが、退屈はしない。たとえば:
- 野球の投手が光速の90%で投球すると何が起こるか。
- 中性子星の密度の弾丸が地球上にあったら何が起こるか。
- 大英帝国にはいつから日が沈んでいないのか。
- 紙のWikipediaを維持するには何台プリンタが必要か。
- 雨が雨粒ではなく一滴で全部降ってきたら何が起こるか。
あらためて見ると普通の質問も混ざっているが、一々真剣に科学的に答えていく。
"The Physics of Superheroes"みたいに教育目的で書かれているわけではなく、一般に売るにはやや専門的過ぎる感じもあるので、日本語訳にはかなり訳注が付くのかもしれない。早川書房というのは妥当な線だろう・・・。ただ、SFファンにこれを限定するのは惜しい。現にわたしもSFファンじゃないし。迷ったら買いの本だと思う。続編が出るなら当然予約するつもり。
At the time of writing this article, this book has already gained huge lauds around the world. I have nothing to say, except for that I would like to pre-order a Book II.
John Murray Publishers Ltd (2014/9/4)
ISBN-13: 978-1848549579