2012年6月16日土曜日

D. P. Simpson "Cassell's Latin Dictionary: Latin-English, English-Latin"

久しぶりに使う用事があって懐かしくなった。

昔、真剣に西洋古典学を志していた頃があり、ギリシア語・ラテン語ともに、二年間、わりと真剣に勉強したのだった。もうかなり忘れてしまったが、特にラテン語は今でもたまに役立つことがある。

古典語はそれなりに難しい。勉強するには何か強力な動機が必要だ。現代語の勉強にも役立つからとかいうような理由では貧弱すぎる。また、法学なんかでラテン語を使うからとかいう程度の理由でも無理だろう。もっと強力な理由、たとえばローマ帝国に異常な憧れを抱いているとか、ラテン語は神の言葉だと信じているとかでないと、ラテン語の文法を習得するだけでも難しい。今時は文学科でも、ラテン語必修ということは少ないんじゃないかなあ。

動機はなんであれ、真面目にラテン語を学ぶということになると、最初に絶対に必要になるのがこの辞書で、ほぼ選択の余地はないように思われる。それ以外の使い道としては、何かの語源を調べたくなったとか、ローマ法まで遡る必要が生じたとか、何かの建物にラテン語が刻まれていたとかそんなんだが、その程度のことなら、この学習用辞書でたいてい間にあってしまう。もしかすると、ラテン語を勉強したことの無い人でも、ある程度は使えるかもしれない。

A standard Latin-English/English-Latin dictionary for beginners.

2 件のコメント:

  1. レビューと関係ないですが、ギリシャ語を学びたいんですけど、オススメの参考書とか辞典とかありますか?

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  2. 古典ギリシア語ということなら、田中・松平「ギリシア語入門」が標準ですが、解答がついていない。大學書林「ギリシア語四週間」は良いテキストです。方言があるので一冊で済むテキストはありません。辞書はLiddell & Scottを今でも使っています。

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