目次:1.凝縮物質物理学とは何か? 2.物質の数多くの状態 3.対称性の問題 4.物のオーダー 5.平面国の冒険 6.臨界点 7.量子の問題 8.トポロジーの問題 9.創発性 10終わらない前線
タイトルは色々問題があるが、日本では「固体物理学」とか「凝縮系物理学」とか「物性論」とかいう辺りの話。図書館などでその辺りの棚を見れば分かるが、前提知識が多すぎて素人にはわりと見通しの利かない分野だ。この本で強調されているのは、量子力学的な効果がマクロの世界で観察される現象、特に超伝導と超流動だが、創発性もかなりうるさく描いていて、こっちのほうが本質なのかもしれない。うるさく、というのはやたら適当に社会科学に言及するのがわたしの趣味じゃないというだけで深い意味はない。他にももっと予算を的な話とか、ちょっとクセがある書き手かなあ。
同素体の話とか量子力学の話とかわりと初歩的なところからしていて、わたしはこれ以上易しい物性論の本を見たことがないが、それでもVSIの中でも難しい側の本かもしれない。たまたま今手元に初歩の教科書として有名な黒沢先生の「物性論」があるが、比較すると、もちろんそれよりは全然非技術的だが、見通しは立つのかなという気はする。
Condensed matter physics requires a tons of preliminary knowledge. This book is arguably the easiest introduction, though still difficult for a layman....
Oxford Univ Pr (2023/8/28)
言語 :英語
ISBN-13 :978-0198845423
0 件のコメント:
コメントを投稿