シルクロードの歴史だけど、編年史というよりは色々な交流の紹介。というとありがちな気がするが、この本は面白過ぎて読むのに時間がかかった。合わせて読みたいThe Mongols: A Very Short Introductionだけど、時代はそれより遥かに長いし、The Mongolsが読み物として一気に読んでしまうのに対し、こちらはまめちしきが多くて、一々調べてしまうので時間がかかるのだ。たとえば・・・、
- 横から見るとXで、上に布が張ってあるだけの折りたたみ椅子は、北アフリカで発明されて200年頃に中国に伝わった。中国で固定椅子が普通になるのはずっと後である。
- ナスは東南アジアまたは南アジア原産だがイランに伝わり、戻ってきた時には今のように紫色でちょっと長くなっていた。
- 751年タラスの戦いで、サマルカンドにつれて行かれた唐の職人が紙工場を作ったが、ヨーロッパが紙を作り始めたのは12世紀末になってからである(スペイン)。
- ローマ人は絹を愛していたが製法を全く知らず、クレオパトラは輸入した絹織物をリフォームして着ていた。
- 「一本ではすぐに折れるが束になると折れない」という教訓は古くはイソップ寓話にあるが、ユーラシア全体に伝わり、モンゴルでは王母が言ったことになっている。
A very good introduction to the Silk Road. A lot of fascinating facts on each page.
Oxford Univ Pr(2013/4/12)
ISBN-13: 978-0199782864
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