2013年9月27日金曜日

Rodolphe Rimelé "HTML 5 : Une référence pour le développeur web"

HTML5のレファレンスであり、タグ辞典的に使えるが、APIや周辺技術(CSS3とかJavaScriptとかDOMとかWebSocketとか何やかんや)についてもレファレンスしている。初心者から玄人まで幅広く使えるだろう。数ヶ月手元において時々見ているのだが、非常に参考になるし、結構、初耳なことが多い。カラーで字も大きくて読みやすいし、これに匹敵する本は日本語でも英語でもない気がする。フランスでも評判は上々なようだ。翻訳したら売れると思うが、挑戦する出版社はないかのう。

Très complet et facile à comprendre. Je n'ai jamais vu un livre comme ça ni en anglais ni en japonais.

Eyrolles; Édition : 2e édition (28 février 2013)
ISBN-13: 978-2212136388

Wesley Hales "HTML5 and JavaScript Web Apps"

Webアプリ開発のクライアント側(フロントエンド)、特にHTML5とJavaScriptのあれこれを概観したもの。近頃は端末・ブラウザが多様化している上に、JavaScriptのライブラリだとかフレームワークだとかが色々あって、もちろん全部把握している人はいないし、この本は一応整理をつけてくれる。特に重視しているのはオフライン状態とモバイル端末への対応であり、まずもって開発はモバイル・オフラインの状態を念頭に進めるべきという思想のようだ。あくまで概説なので、この本を読んで初心者が開発できるようになるわけでもないし、実際に開発している人間にとっては自分の特化しているエリアについては簡単過ぎると感じるはずだが、特にモバイル端末のブラウザを念頭においた開発を概観していくれている本は少ないだろう。あるいは初心者でも、どのフレームワークを選ぶかという時に参考になるだろう。わたし的には、漠然としていたことに色々整理がついて良かった。もっと評価されるべきだし、日本語訳もされるべきだろう。

A great overview of mobile we apps development. A lot of web browsers, JavaScript frameworks, APIs and so on.

Oreilly & Associates Inc (2012/11/21)
978-1449320515

2013年9月19日木曜日

Margaret Shepherd "Calligraphy Alphabets Made Easy"

カリグラフィーについては一時期興味を持っていたことがあって、洋書も何冊か持っていたが、最善だったのはこれだ。人に聞かれて思い出した。真剣に修行するのなら、ちゃんとした師匠に就くべきだが、綺麗な欧字を書きたいということくらいなら、書体の多いこの本を最初の一冊に推奨する。おそらく、この一冊で大抵の美的問題は解決する。

For beginners. Recommendable for the first book and it may be all you ever want.

Perigee Trade; New版 (1986/7/25)
ISBN-13: 978-0399512575

2013年9月4日水曜日

Pramod J. Sadalage, Martin Fowler "NoSQL Distilled: A Brief Guide to the Emerging World of Polyglot Persistence"

いわゆるNoSQLに分類されるDBMSに関する概説書で、現時点ではこれを越えるものはないと思われる。英語圏では相当読まれているようだが、今からでもこれは日本語訳するべきであろう。日本語でもNoSQLの概説書はなくはないが、わたしの知る限り、どれもこれに比べればパンフレット程度だろう。すべてがリレーショナルDB、特にOracleとの対比で語られるので、予備知識としてリレーショナルDBに通じていることが必要だ・・・が、この本を読もうかと言う人がSQLを書けないということはあり得ないだろう。

最初の前書きが長い。さらに、第一部のNoSQLに関する一般論(AggregateとかMap&ReduceとかCAP定理とか)が些か理論的というか衒学的なのが気に障る人もいるようだ。しかし、元来リレーショナルDBからして理屈に基づいて理屈通りに発明されたものであるから、これくらいで文句を言ってはいけない。一般理論の正しい理解によって、色々なNoSQLの特性を理解することができる。第二部は各種NoSQLについて具体的な実装について概観。実例としてはKey-ValueDBはRiak、DocumentDBはMongoDB、Column-FamilyはCassandra、GraphはNeo4J。それぞれ、特にConsistencyとAvailabilityのトレードオフや、実際の操作上の特徴、フォールトトレランスの仕組みなどが、解説される。最後にマイグレーションとか実際の使用に関するアドバイスなどのリアルな話になるが、何分にもまだ新奇な技術だし、実例も少ないから憶測が多いのはやむをえない。

現時点で業務システムにNoSQLを使おうなどという組織はまだ少ないと思われるが、データベースを扱っている技術者なら気になるところだし、概要くらい知っておかないとマズいということもあるだろう。MongoDBとかCassandraとか有名なところは単行書でかなり詳細なマニュアル本も出ているが、どの実装を使うかを決める前に、NoSQLの色々な種類を知っていなければ話にならない。かなり上流工程にいる人にも、必読書としてお勧めする。明日からの業務に役立つかどうかは不明だが、世間話には役立つし、いずれリアルに役立つ日が来るかもしれない。知識を仕入れておく良いタイミングだろう。

The best book about NoSQL DBs ever. Maybe looks like a little pedantic to some, but basic theoretical understandings are essential for all DBMSs, as is the case with RDBMSs. It is unclear if this book direct you to learn more or discourage you from it, but at least probably enrich your water-cooler talks.

Addison-Wesley Professional; 1版 (2012/8/17)
ISBN-13: 978-0321826626