これはわたしが毎年買って職場で愛用している日めくりカレンダーだけど、考えたら、Dilbertについて一切書いたことがなかった気がするので、この際書いてみる。
Dilbertは、平日3コマ(日曜は多少長い)という、アメリカの新聞では普通にあるパターンのマンガで、オフィス、特にIT業界の「あるある」ネタを得意とする。と言っても、こんな言い方では魅力を表現しきれない。マンガ自体は、公式サイトでいくらでもタダで読める。
http://www.dilbert.com/
さらに、著者Scott Adamsは文才もあり、文章だけでも笑わせてくれる。blogも有名だ。"Steve Jobs"にも取り上げられていたね。
http://dilbert.com/blog/
わたしが初めてDilbertに接したのは、日本でもよく売れたらしい"The Dilbert Principle"「ディルバートの法則」からだ。
残念ながら日本語訳は図書館等で探すしかないが、原書は今でも普通に入手可能だ。ついでに、ディルバート本に共通の特徴で、翻訳が素晴らしかった記憶がある。時代的には「マーフィーの法則」が流行したころだった。それに対抗してオフィス・IT業界のあるあるネタを、自分のマンガを大量に引用しつつ描写。今読んでどうなのか知らないけど、初めてDilbertの世界観に触れて衝撃だった。アメリカのIT土方が"cubicle"に住んでいるというのも、これで初めて知った気がする。なにより、笑った。
この成功に気を良くしたらしく、また翻訳がでた。"The Dilbert Future"「ディルバートの未来予測」。
これも笑った。細部は覚えていないけど、「基本的に未来は予測できないが、唯一絶対に変化しない定数は『人類の愚かさ』であり、この予測だけは間違いない」という命題はキッチリ覚えている。そして、その通りだと思う。もちろん大量のマンガの引用あり。それから"Joy of Work"。
これは残念ながら翻訳が出なかったし、原書も絶版か。いたずら"prank"集みたいな感じだった。やはり笑える。そして、次の"Dilbert and the Way of the Weasel"は笑えるのももちろんだけど、それだけにとどまらない秀作。
これは、オフィスにおける言い逃れとか、「微妙に不誠実」「ズルい」行動を大量に収集してあり、なぜ社会学学会がこの著作に賞を出さないのか、理解に苦しむ。"Weasonable doubt"という言葉が印象に残った。シンボリック相互作用論とかエスノメソドロジーとかエスノグラフィーとか労使関係とか経営とか、その辺りのことに興味がある人は読んで損にはならないと思うんだけど。
その後、Scott Adamsの文章本としては、"God's Debris"というのがあったんだけど、無視した。理由は、まあ、趣味というか・・・。Dilbert本とは毛色が違うようだ。ほかに、マンガの編纂本(compilation)は一杯出ているけど、マンガは最初に言った通り、全部Webでタダで読めるということがあり、それでも十冊以上は買ったと思うけど、最近は買っていない。
今でもDilbertはIT業界のmust-readだが、最近はxkcdもmust-readだ。
http://xkcd.com/
こっちも本が出てるけど、やはりWebで全部タダというようなことで。そう言えば、xkcdを日本語訳しているサイトを見たことがあるけど、翻訳がデタラメで酷かった。ついでに、ちょっと気に障るのは、Dilbertは自虐IT土方だが、xkcdはリア充な空気が濃厚だということ。
0 件のコメント:
コメントを投稿