こういうタイトルだと、極端な例を持ち出して「君はどう考えるか」みたいな本が増えている今日この頃、これは伝統的な法哲学の学説史。非常に薄いので、一つ一つの学者に関しては、端折過ぎの気がするし、これで分かった気になられてはたまらないとも思うけど、入門者にはこんなものかもしれない。
「著者が自分の見解を抑えている」というようなレビューもあるけど、本当に読んだのかと思う。かなりはっきりした価値評価をしているが、普通の主流派の判断なので、普通の人は流してしまうのかもしれない。ヴェーバー・デュルケム・ハバマスあたりを数ページで解説しようとするのもなかなかだが、最後のほうはフーコーとかラカンとかデリダまで超簡単に紹介して、結論としては「ほとんど法の理解に役に立たない」みたいな。じゃあ最初から書くなよと言いたいけど、アングロアメリカの法哲学界も、一時期ポストモダンの流行に巻き込まれてうんざりしたのだろう。・・・というようなことからも分かるように、「薄く広く」という本なので、ある意味頭を使わなくても読めるということはある。
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