わたしはこの本はKindleに入れているが、今日、日本語翻訳を発見した。アメリカでは相当売れているようなので、翻訳が出るのは当然だけど、日本でも売れるんじゃないかと思う。
遺伝子がどうとか、人類の進化の途上でどうこうとか、ちょっとした実験の紹介だったりがあって、体裁としては、よくある心理学の本だ。厳密に考えると憶測が多過ぎて科学としてどうよとか思うのは心理学の常だけど、それでもこの本は読む価値があった。
第一にポイントになるのは、孤独感が人の心理・生理にどういう影響を与えるか。「そんなこと言われなくてもだいたい分かってるよ」と思うけど、それでもあらためて鬱になるくらいの話だ。
第二のポイントは、孤独から抜け出すためのアドヴァイス。これは各所に散りばめられているが、要するに、「人を助けることを考えろ」ということだろう。これも書いてあるけど、不幸な人、孤独な人は、自分の不幸さに囚われていて、人を助けるような余裕がないと考えがちだ。だが、自分の不幸を棚に上げて人を助ける方向に行く以外に救いはない。
それ以外のこと、たとえば、実験の結果どうだったとか、進化の過程で孤独感がどういう役割を果たしたかとかいう話は、正直あんまり感銘を受けなかった。けど、人によっては、説得力を感じるだろうし、結論の真実さに変わりはない。
誰でもこの本から得るものはあると思うけど、特に孤独な人にとって、この本は、一つの方向に一歩踏み出すキッカケになるかもしれない。
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