Just Keep Buying (Amazon.co.jp)
普通の個人向け資産構築ガイド本で、似たような本は米国にも日本にも山のようにある。数値例がやたら多いのが特徴だが、要はS&P500をひたすら買ってろというようなことで、近頃はそんな話ばかりだし、今更新情報はない。普通に山崎元さんの本でも読んでいれば、実用的にはそっちのほうが上位互換なのではなかろうか。そっちは読んでないから知らんけど。
ただいくつか考えることはある。一つはFIREに対する考え方で、「退職=世界にとって自分がどうでもいい存在であることを認めること=結構な精神的打撃」というクダリだ。そうかもなあと思う。しかし、冷静に考えると、社会に何も貢献していないという意味ではわたしは既に退職しているようなものだ。ではわたしには関係ない気もする。人間の脳というのはある程度ストレスとか嫌なことがある前提で進化してきているので、出勤とかいう概念もなく完全に平和に暮らすのは不健康なのかもしれないとかも考える。
幸福のバスタブ曲線の話。世界のどこのどんな状況のどんな文化でも、幸福度は20代半ばから50代までが最低という有名な話で。本書は情緒的に説明しているし、他にも色々な説を読んだことがあるが、わたしとしては単なる生理現象ではないかと思っている。単に加齢に伴うホルモンの変化のせいでは…。ともかく、理想と現実にギャップを感じて人は不幸になるし、成長もするし、社会を変えようとするんだろう。幸せになったら成長は終わりですよ。
金持ちが自分が金持ちということを感じていないという話。これは著者の体験談にリアリティを感じるというのは、わたしも似たような経験があるからだ。ただわたしの場合は社会性がないので周囲と比較する習慣がないし、その代わりに頻繁に統計データを見ているから、客観的な状況を見誤りにくい。
などと考えることはあったが、そんなに新情報も新考察もなく、上位互換みたいな本もほかにあるだろう。一応読んだから記録まで。
Harriman House Pub (2022/4/12)
言語 : 英語
ISBN-13 : 978-0857199713
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