2020年8月31日月曜日

Tiphaine Riviere "Carnets de thèse" [博論日記]

フランス語のマンガ(BD)。世界中で売れているらしい。アラサー女の博士課程日記というところで、なんで世界中で売れるかというと、博士課程なんかに入るとどこの国でもこういう目に遭うからだろう。しかし、実際には修士課程でもこれくらいの目に遭うことは簡単だ。わたしもそんなことは良く知っている。

内容はというと、指導教官がやる気がないとか、事務員が怠惰とか、家族の理解がないとか、経済的にどうとか、恋人と破綻するとか、仮に博士号を取れたところでとか、まあ何というか、多分筆者の経験をそのまま描いたようなことで、特に取材したとかそんなことはないのだろう。この女の博論のテーマがカフカなのに、ドイツ語の勉強をしようかとか、まあそんなくらいでは驚かない。世界中の入院経験者はみんな似たような経験をしているに違いないし。

というわけで大学院の世界を知っている人は読んでフランスも同じですかと思うし、知らない人がこれを読んでも大学院の世界を誤解する恐れはないというようなことで、まあ売れるのも分かる。

C'est la même chose dans tous les pays, même ici au Japon....

ISBN-13 : 978-2021125948
Le Seuil (19 mars 2015)
Langue:Français

2020年8月28日金曜日

Charles M. Schulz "The Complete Peanuts Vol. 19: 1987-1988" [Peanuts完全版1987-1988巻19]

SophieとClaraが出てきた。Marcieもこの中の一人だったはずだが。Leland登場。Beagle scoutに色違いのRaymondが来た。ここまで基本四コマだったが、途中から三コマになる。Snoopyが車に乗っているシーンが増えた。Whateverはもはや定番。このマンガ、vanillaという選択をpuristと呼ぶ傾向があり、あまり納得していない。Snoopyは色々な職業のフリをし、不運な時もそれに相応しい状況設定でやっているが、深い気がして来た。separtation of church and stateという言葉がようやく出てきた。学校でクリスマス劇が中止になったりしているが、これもこのくらいの時代のことか。

I begin to think of me as an extreme enthusiast of this comic. Snoopy is surely loved all around the world, but I wonder how many of them have ever tried to read it all through....

ISBN-13 : 978-1782115168
出版社:Canongate Books Ltd (2015/3/5)
言語:英語

2020年8月17日月曜日

Sports Illustrated Special : Swimsuit 2020 [スポーツイラストレイテッド水着特集2020]

日めくりカレンダーをデスクに置いている縁で初めて入手してみた。表紙みたいなシンプルな図はいいが、変に状況を設置されると面倒くさくなり、カレンダーでいいよという感じ。はっきり言えるのは、雑誌となると、紙質も印刷品質も日本より随分劣る。実際には真剣にこういうのが好きなわけでなく、単にお洒落だと思っているだけなんで、一回見たら納得する。来年のカレンダーどうするかねえ…。

Nice pictures.

Time Inc.(2020/8/2)
言語: 英語
ASIN: B08DSSZBGR

2020年8月14日金曜日

Charles M. Schulz "The Complete Peanuts Vol. 18: 1985-1986" [Peanuts完全版1985-1986巻18]

このマンガの代名詞とも言える"Good Grief!"と"Whatever."は、この巻になって少し出始めてるくらい。

この巻も昔の記憶が呼び覚まされるところが多い。ganglionをbibleで叩くクダリとか。新キャラとしてLydia、MarcieのいとこMaynard、Tapioca Puddingなど。つまり、これがタピオカミルクティーの前のタピオカブームの時期なのだろう。関係ないが、この前初めてroot beerをKALDIで買って飲んでみたが、甘いサロンパスのような味で、ほぼ捨てた。食べ物で言えばこのマンガは一貫してココナッツが嫌いで、わたしも嫌いだ。時事としてハレー彗星とかLAオリンピックが二年前とか。

Beagle Scoutの構成が気になっているが、毎度数が変動するし、Bill・Harriet・Woodstock・Olivier・Conradが一気に呼ばれるコマもあり、あまり作者も真剣に考えていないのかもしれない。ただ、名前としてはこの五羽が固定だ。

Lucyが8歳と言っているのでCharlie Brownは10歳を越えていることになるが、もはやこの類の計算は無意味か。Marcieがペラペラフランス語を話している。わたしは分かるがこれは読者が理解することを想定していないのだろう。Snoopyが車に乗っているのは珍しい。

このマンガで引っかかることの一つがSpikeの扱いで、基本的に「独りぼっちは詰まらない」というこを笑いにしている感じだが、なんかあんまり笑えない。

Spike rules.

Canongate Books Ltd (2014/11/6)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1782115151

2020年8月4日火曜日

J. L. Collins "The Simple Path to Wealth" [富への単純な道]

日本語訳「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」が書店で平積みになっていなければ手にも取らなかった本だが、読んで損したとも思わない。良い邦題で、成功者の静かなお言葉だが、推奨している方針は確かに単純で、インチキ投資本ではない。ただ前提条件が多すぎる。

言っていることは単純だ。まず話の前提として、借金をするな(しているならまずそれを解消しろ)、収入の範囲内で生活しろ、余った金は直ちに全額投資しろ。そうすれば会社から自由になれる。投資対象は全額バンガードの全米株インデックスが最強。資産が年支出の25倍を越えれば資産は減らない(いわゆる4%ルール)。ある程度金融リテラシーがあれば常識ばかりだが、こういうのは語り方でも印象が違うので、目を通すくらいしてもいいのではないか。

わたしも基本的にこの推奨通りの生活をしている。常識からすれば超攻撃的ということになるが、余剰は全額株に突っ込んで放置しているしドルコスト平均法なんか最初から信じていない。どんなに暴落しても売りはしない。多少の買い替えはあっても、基本的に買いばかりで全額貼り付けだ。インデックスはあまり相手にしていないが、十分に分散していればインデックスと大して変わらない。十数年そうしているが、会社から自由になれる金からはまだ遠い。いくつかこの本の前提条件からはずれているからだ。

・まず時期が悪い。著者はだいたい1975年からの資本主義の黄金期で考えている。今は低成長の時代だ。
・場所が悪い。米国株は確かに伸びているが日本株は低迷している。
・筆者みたいにそもそも稼得能力が高くて、仕事をやめてもすぐに必要な時に再就職できれば「会社から自由になれる金」は小さいが、わたしはそうではない。

ただ、これだけ文句を言ったところで、低コストインデックスが最強であることに変わりはない。インデックスに採用される銘柄はプレミアがつくし、全米株は良い選択だろう。国際分散も著者の言う通りで、米国の会社自体が国際分散して事業しているから、別に他国の株を買う必要はない。

初耳だったのはいわゆる4%ルールで、基本的には、資産の4%以内で生活していれば資産が減らないというくらいの緩い法則。かりに生活費を年に400万使っていたら、1億の資産があれば減らないという計算になる。しかしこれも前提に満ちた話だ。総じて夢のない話に思えたが、これが現実だろう。金の話はこれくらいにして、もっと面白い本でも読むか…。

Just simple buy & hold.

Amazon Digital Services (2016/6/18)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1533667922