たまたま本屋で見かけて気が付いて買ったが、"Diary of a Wimpy Kid"のスピンオフ企画。副題は"Rowley Jefferson's Journal"で、Gregの友達のRowleyの日記という体裁。日本語訳が出ていないが、ここまでずっとほぼ同時に翻訳を出しているのだから、出さない意味が分からない。まあ、児童書というわりに、教育上よろしい本かどうか疑問だが…。もう十年以上続いているシリーズだが、すぐに読めるので初巻から読み始めてもすぐに追いつく。英語学習者にもお勧めしている。
この巻は一応RowleyがGregの伝記を書くという体裁になっていて、何かイベントがあるというより日常の細々した話の集積。だいたいRowleyはGregより一段頭が悪い善良な子という設定だから、たいていがGregの悪行の描写になり、我々はRowleyをお人好し=良い奴と認識するが、どうもアメリカ人的にはお人好し=バカという認識で、Gregがヒーローみたいなことになるらしい。このあたりにドラえもんがアメリカで流行らない理由があるのだろう。彼らにとってはジャイアンこそがヒーローであり、それを卑怯なのび太がやっつけている図になって全然痛快ではないのだろう。従って連中はこの本についてはずる賢いGregのほうに感情移入するらしい。
しかし、わたしとしてはこの図ではRowleyのほうがわたしに近く、どうもRowleyが可哀そうというか、冗談が過ぎて笑えないところがあるのはこのシリーズの通例ではあるが。だいたいこのシリーズは、洋物には珍しく意識低い系クズ人間を主人公にした点が画期的なのであり、頭が悪いだけで善良なRowleyが迫害されるのはどうかと思う。彼もやられっぱなしではないので、その点は少し安心だが。色々思うことはあるが、ほとんどの人は特に気になることもなく楽しめるんだろう。
Well, I am rather on Rowley's side.
Harry N. Abrams (2019/4/9)
言語: 英語
ISBN-13: 978-1419740275
0 件のコメント:
コメントを投稿